渡島局が子どもたちの学力について考える会 地域一体の機運高めて 連携した取組の重要性再確認(道・道教委 2016-02-03付)
5人のシンポジストが事例発表
【函館発】渡島教育局と森町教委は一月二十五日、森町立森小学校で「北海道の子どもたちの学力について考える会」を開催した。関係者約二百人が参加。森町における学力向上の取組や、秋田県における家庭学習について理解を深めるとともに、学校や家庭、地域、教育委員会が連携した取組の重要性を再確認した=写真=。
考える会は、渡島教委連協議会、函館市教委、渡島小中学校長会、函館市小学校長会、函館市中学校長会が主催。学力向上や望ましい学習習慣、生活習慣の定着に成果を上げている取組を共有し、地域が一体となった学力向上の機運を高めていくことを目的としている。
会場となった森小では、五人のシンポジストが登壇し、様々な取組事例を報告した。
シンポジストは、森町教育水準対策協議会学力向上等推進部長の住吉聡氏(さわら小学校長)、森小校長の増川正志氏、森中学校長の内山作氏、森町教委社会教育係長の菊地敏之氏、秋田県教育庁学力向上推進班指導主事の成田仁氏が務めた。
住吉氏は、森町教委の学力向上三ヵ年計画(二十六~二十八年度)を示し、「子どものやる気、根気、本気を育てよう」を合言葉に、家庭学習強調週間を年三回実施していることなどを説明した。
増川氏は、授業改善による下位層の底上げや、家庭での学習習慣の定着を目標に据え、全員参加の環境整備、課題の明確化など、特別支援教育の視点からみた「授業の原理・原則十ヵ条」を再確認しながら学力向上に取り組んでいることを説明。家庭学習強調週間を繰り返す中で、家庭学習の時間がゼロという児童が着実に減少し、「当たり前のことにしっかりと取り組み、小さなハードルを一つ一つ乗り越えている」と報告した。
内山氏は、子どもの学力に関して「中、下位層とは言わずに、“こう着した学習状況にある子”と言っている」と自身の考えを述べながら、教師一人ひとりの授業力の向上や、子どもたちの主体的な学習を支援する取組を説明。年間十八本の授業研究では、他者の視点が加わることで授業改善が図られ、学習チューター制の導入によって、つまずきに気づく機会が増えていることなどを報告した。
菊地氏は、夏休みや冬休みなど、長期休業中の序盤に、子どもたちの学習を補助する「もりの寺小屋」事業を行っていることを紹介。小学三~六年生を対象に、退職教員や森高校の生徒の協力を得ながら、子どもたちの学びを支え、家庭学習の習慣化へとつなげる取組を示した。
成田氏は、秋田県では家庭学習ノートで勉強する習慣が以前から定着していることを紹介。ノートは先生や友人、保護者に見せることを前提につくられており、勉強ぐせを身に付けることや、基礎学力の向上、プレゼンテーション能力の向上など、多くのメリットを有していることを報告した。
シンポジスト五人の報告のあと、会場に詰めかけた参加者との間で質疑応答が行われた。家庭学習の定着に向けた保護者の取組方策や、保護者への働きかけなどについて意見を交わした。
(道・道教委 2016-02-03付)
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