市町村独自のイングリッシュキャンプ促進へ道教委が初の調査 26・27年度24自治体が工夫凝らし 普及に向けノウハウ紹介も(道・道教委 2016-02-03付)
道教委は、二十六~二十七年度の二ヵ年において、市町村(札幌市を除く)独自に実施したイングリッシュキャンプの状況をまとめた。二十四市町が取り組んだ。各自治体の実践をみると、児童生徒が一泊二日や一日日程で英語のゲームやインタビュー、観光案内に挑戦。社会教育事業の一部を活用したり、中・高校の英語科教諭の協力を得たりするなど、独自のノウハウを生かし、様々な工夫を凝らした事例が並んだ。一方で、実施に当たっては、スタッフなどの人材や、予算の確保などが課題に挙がっていた。道教委では、自治体独自の取組を促進するため、本年度から一日日程の「イングリッシュミーティング」や、道イングリッシュキャンプ成果交流会を実施。年度末までに、普及に向けたリーフレットを作成する。
道教委では、小学校高学年から中学生を対象に、外国人とのオールイングリッシュによる体験活動を通して、「生きた英語」を学んで英語力を高め、国際感覚を磨く「イングリッシュキャンプ」を実施している。
本年度は、夏季および冬季の休業期間中の合計七泊九日で、道内六会場で行ったが、定員百七十八人に対し、応募総数三百七十七人と申込者の半数以上が参加できない会場もあり、子どもや保護者のニーズに十分対応できていない状況が浮き彫りとなった。そこで、市町村独自のイングリッシュキャンプ等の実施を呼びかけるため、市町村における取組状況を調査することとした。
調査は、今回初めて行った。市町村が行うイングリッシュキャンプ等の実施回数や内容、対象学年などの情報を取りまとめ、今後の実施を検討している市町村の参考にしてもらうことがねらい。
調査結果をみると、二十六~二十七年度は、岩見沢市や千歳市など二十四市町で展開。日帰りや一泊二日で行っており、北斗市や美瑛町、湧別町など、小学校一年生から参加できるところもあったが、多くは小学校高学年や中学生が対象だった。
取組内容では、英語を使ったゲームやクイズラリー、ダンス、ネイティブスピーカーのインタビュー、観光案内、菓子づくりなどを実施しており、運営上の工夫としては、「社会教育事業の一部を英語キャンプ化した」「中・高の英語科教諭が計画・運営にかかわる」「子ども会育成連絡協議会と共同主催」「土曜日の教育支援体制等構築事業の一環として実施」などがみられた。
うち、大空町教委では、「まちんなか留学」と題して、小・中・高校生ごとに一日日程で開催した。小学生は芝桜公園のPRポスターを英語で作成、中学生は英語でクッキング、高校生はロールプレイング「もしも会社での会話が英語だったら」を実施した。
担当の榎戸紀子外国語活動推進指導員は「ゴールを明確にするとともに、スモールステップで助け合う場面やどの子も活躍できる場面を設けることが大切」「特に、高校生に英語を話す楽しさを伝えたい」としている。
また、小樽市教委では昨年八月、一泊二日で実施。小・中学生六十七人が参加し、グループごとに、「小樽の祭」「おみやげ」「観光スポット」などのテーマを取り上げ、外国人観光客に小樽をPRした。市教委担当者は、「ALT八人を配置したが、より充実した活動にするためのさらなる増員が必要」と、外国人スタッフの確保を課題に挙げている。
ほかの市町村でも課題として、スタッフの確保を挙げている。このため、近隣の市町村と協力して実施することも想定しているという。このほか、「町のイベントと重なったときに、予算が確保できない」「少年団や部活動、農作業の手伝いのため参加できない子どもがいた」「保護者・地域の理解」などが課題となっている。
実施した自治体では、イングリッシュキャンプの効果を実感。二十八年度も実施する方向で調整しているという。
道教委では、普及促進に向けて本年度、留萌市教委と協力して一日日程の「イングリッシュミーティング」を実施。来年度以降もほかの市町村で行っていく。また、年度末にはリーフレットを作成・配布する予定。
(道・道教委 2016-02-03付)
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