27年度札幌市教育実践功績表彰 受賞者の功績
(市町村 2016-02-03付)

木村範子(札幌市立共栄小校長)
木村範子氏(札幌市立共栄小校長)

 二十七年度札幌市教育実践功績表彰受賞者および受賞校の功績はつぎのとおり。=敬称略=

【個人表彰】

▼木村範子(札幌市立共栄小学校校長)

 現任校においては一年間を通して外遊びを推奨する「元気タイム」を新たに導入し、児童が健やかな体をつくりあげるための環境整備に努め、成果を上げた。

 北海道音楽教育連盟札幌市小学校支部では要職を歴任し、札幌市内小学校の音楽教育の推進に尽力した。また、五年間にわたって北海道小学校合唱教育研究会会長を務め、北海道小学校合唱フェスティバルや合唱指導講習会、指導者研修会を開催するなど児童の表現力の向上や指導者の指導力向上に大きく貢献した。

 北海道公立小・中・特別支援学校女性校長・教頭会の会長を二年間務め、北海道において女性教員が活躍する場を拡大することに尽力した。また、二十六年には全国公立小・中学校女性校長会全国研究協議大会北海道大会を招聘(しょうへい)し、男女共同参画社会の実現に向けて充実した協議大会を開催するなど、全国の女性教員の資質向上に大きく貢献した。

▼飯野修一(札幌啓北商業高校校長)

 札幌清田高校在職中は、英語科教諭および教務主任としてグローバルコース設立(十七年度)の中心となって活躍した。

 また、文部科学省スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)の指定を三年間(十七~十九年度)受け、国際社会で活躍できる人材の基礎を育成するために英語の全科目の指導方法を再検証。国際理解に対する意欲を高める教科との連携を通して英語によるコミュニケーション能力や情報収集能力、ディスカッション能力、論文作成能力およびプレゼンテーション能力の向上に資する指導法の開発を研究課題とし、英語科および地歴公民科の橋渡しとして活躍した。

 現任校では、学校長として市立高校唯一の専門高校としての特色を生かしつつ、商業専門科目の充実に尽力するとともに、スーパープロフェッショナルハイスクール(SPH)の指定を目指し、未来商学科推進委員会で検討するなど、特色ある学校づくりに取り組んでいる。

▼平野憲一(札幌市立福住小学校教諭)

 現任校ではTT担当教諭、校内学びの支援委員会の特別支援教育コーディネーターとして、学びに不安を抱えている児童や生活上で困難を抱えている児童、その保護者への教育的支援に多大なる貢献をした。

 札幌市学びの支援委員・協力員として十年以上にわたり自閉症・情緒障害部会の業務の推進に尽力するとともに、札幌市内の小学校研究会の授業協力者や指定会員として二十五校を超える学校の特別支援教育推進に貢献してきた。

 また、札幌市特別支援教育研究連絡協議会の事務局長として、十一年間にわたって札幌市の特別支援教育の充実・発展に大きく寄与するとともに、「レインボーピック」「レインボーフェスティバル」の計画・実施に当たっては、大会実行委員会の事務局長として十一年にわたってその充実・発展に大きく寄与した。

▼高橋伸(札幌市立向陵中学校教諭)

 北海道国語教育連盟の研究部長を八年間務めるとともに、二十五年度に本市で開催された全日本中学校国語教育研究協議会北海道大会の大会研究部長を務めるなど国語科教育の推進役として貢献した。

 また、札幌市教育センターの中学校国語科教育や読書推進等にかかわる研修講座の講師を数多く行うなど、本市の中学校国語科教育の中心的な推進役となって力を発揮した。

 北海道国語教育連盟の活動である語い力向上プロジェクトの中心として、二十二年度に語いに関する全道調査を実施し、二十三年度から「ことばのこよみ」の作成・配布を通して、全道小・中学校への普及啓発に取り組んだ。

 札幌市立中央中学校在職中は、読書活動の推進の一環として地域の書店と連携した取組を実施するなど、本市の読書活動の推進に多大なる貢献をした。

▼佐藤智子(札幌市立幌西小学校養護教諭)

 二十四年度から北海道教育大学養護実践講座講師や養護教諭初任者研修・十年経験者研修の講師を務め、実際的な研修で次世代の養護教員を育ててきた。

 十六年度の都心部四校統合の際には、様々な環境の保護者や子どもが抱える悩みに丁寧に対応するなど、四校統合という困難の中で学校の安定に大きく貢献した。

 各学級でまとめた「健康観察」を校務支援システムに打ち込み、多面的に集計された健康記録をもとに全校の出欠や健康の状況を毎朝管理職と共有し、感染症流行の兆候把握や不登校傾向の早期発見等に役立てた。

 また、自ら考案した複写式「ほけんしつカード」は、保健室に来室した児童の様子、その後の対応を複写式で二枚の紙に記録するものであり、一枚は担任へ渡し、一枚は保健室保管とし、情報の共有を確実に行っており、これにより保護者への丁寧な説明が可能となって学校の信頼向上に貢献した。

▼吉田文幸(札幌開成高校事務長)

 学校事務職員としての勤務経験を踏まえ、札幌市の教育予算と学校事務の在り方について、発展途上国の教育関係者に対して十六年から十八年の三年間にわたって国際協力機構(JICA)の研修会講師を務め、本市を代表する功績を残した。

 新校舎建設の際には、旧校舎の物品の整理や処分業務について事務職員・教員担当者を統括して見事に完遂させ、校舎建設対応業務や移転業務も市教委や学校、地域住民の意向、生徒の安全確保を踏まえて、見事に進捗状況を管理した。

 現任校の職員は札幌開成高校・市立札幌開成中等教育学校兼務の職員で構成されており、事務室はじめ学校徴収金システム・財務会計システムは別個のもので事務職員間の協業は困難な面があったが、両校合同の打ち合わせを毎日実施して課題を共有するなど、事務職員の融和を維持しつつ、教員との協業体制を確実に維持する事務室経営を進めている。

【学校表彰】

▼市立札幌大通高校(佐々木雅男校長)

 様々な学習歴をもった生徒のニーズに応えることができる方策として、一つの学年に十二学級(各部四学級)の少人数クラスを編制しており、他部の授業への参加や後期からの学び直しができる体制が整備されている。

 また、保護者や学識経験者、学校関係者などで構成された「学校運営協議会」を組織し、外部人材による就職指導支援や母語支援などを行っている。このほか、問題を抱える生徒の個別対応に関し専門的知見をもつ特別支援コーディネーターアドバイザーの配置、スクールカウンセラーやキャリアカウンセラー、臨床心理実習生(北海道教育大学大学院生)を活用するなど、相談支援体制の充実を図っている。

 多彩な連携活動としては、社会福祉協議会や区役所などとの連携によるボランティア活動やインターンシップなど、外部機関との連携による積極的な体験活動を行っている。

 さらに、ミツバチプロジェクトでは、ミツバチを教材として生産・開発・産業・文化にまたがる総合的な学びに取り組み、幼稚園との連携や地域のイベントへの参加を通じて、学校と地域社会の関係をより密にしている。また、ユネスコスクールの指定を受けており、多文化共生や国際理解教育を推進している。

 このほか、札幌市生涯学習振興財団との協定による学社融合講座として、札幌市生涯学習センター主催の「さっぽろ市民カレッジ」の一部講座を同校で実施している。

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飯野修一(札幌啓北商業高校長)
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高橋伸(札幌市立向陵中教諭)
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佐藤智子(札幌市立幌西小養教諭)
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吉田文幸(札幌開成高事務長)
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市立札幌大通高校
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8C平野憲一(札幌市立福住小教諭)
平野憲一氏(札幌市立福住小教諭)

(市町村 2016-02-03付)

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