3定道議会予算特別委の質問・答弁概要(9月29日)(道議会 2016-02-04付)
三定道議会予算特別委員会第二分科会(二十七年九月二十九日開催)における阿知良寛美委員(公明党)の質問、および柴田達夫教育長、山本広海教育部長、成田直彦生涯学習推進局長、菅原行彦学校教育局指導担当局長、佐藤和彦学校教育局特別支援教育担当局長、加賀学施設課長、小原直哉特別支援教育課長、竹林亨学校教育局参事(生徒指導・学校安全)、長内純子文化財・博物館課長の答弁の概要はつぎのとおり。
◆いじめ・不登校問題
阿知良委員 文部科学省が実施した「二十六年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果が公表され、全国的に小・中学校の不登校が増加したことなどの報道があった。
不登校の要因や背景については、家庭、学校、本人にかかわる様々な要因が複雑に絡み合っている場合が多いなど、多様化、複雑化している傾向にあり、不登校の状態が継続している間にも、その要因や背景が時間の経過とともに変化し、本人にもはっきりとした理由が分からない場合など、一つに特定できないことなどが指摘されている。
そこで、以下、いじめの問題や不登校への対応について伺っていく。
今回、いじめに関する調査結果が公表されていないが、その理由と今後の公表の見通しについて伺う。
竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) いじめに関する調査結果について。二十七年八月、文科省から各都道府県教委等に対し、「いじめの状況等」については、調査の見直しを行い、確認を行うよう、依頼があったことから、今回の「二十六年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果の公表には含まれていない。
見直しを行う理由については、岩手県矢巾町での事案を受け、全国的にも、いじめとして認知されず、組織的な対応がなされていない事案があるのではないか、児童生徒一千人当たりのいじめの認知件数については、都道府県間の差が極めて大きい状況にあり、実態が正確に反映されていないのではないかとの懸念があるためとされている。
阿知良委員 二十六年度の本道の不登校児童生徒の状況については、二十五年度に引き続き、増加傾向にあると承知しているが、どのような状況になっているのか伺う。また、不登校の増加要因として、どのようなものがあるのか、併せて伺う。
竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 不登校児童生徒の状況について。二十六年度の調査において、本道の公立学校における不登校児童生徒数は、小学校が八百十二人で、全児童数に占める割合は〇・三二%、前年度に比べ四十二人の増加、中学校が三千四百四十七人で、全生徒数に占める割合は二・六%、前年度に比べ百九十二人の増加、高校が八百五十六人で、全生徒数に占める割合は〇・八二%、前年度に比べ百二十五人の減少となっている。
また、小・中学校において、不登校児童生徒が増加した要因については、今回の調査に関連し、文科省が実施した都道府県教委へのアンケート調査によると、家庭の教育力の低下等によって、基本的生活習慣などが身に付かないことが不登校に結び付くケースが増えていること、無気力で何となく登校しない児童生徒が増えていることなどが多く挙げられており、本道も同様の状況にあるものと考えている。
阿知良委員 不登校には、様々なきっかけがあるが、いじめも、そのきっかけの一つではないかと考える。道教委として、どのようにいじめを認識しているのか伺う。
竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) いじめと不登校について。本調査において、「不登校になったきっかけ」と考えられるものとして、「いじめ」との回答のあった割合は、小学校は一・〇%、中学校は一・五%、高校は〇%となっている。
いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を侵害し、その心身の健全な成長および人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な影響を生じさせるおそれがあり、不登校につながるかどうかにかかわらず、決して許されるものではないと認識している。
こうしたことから、道教委としては、学校、家庭、地域住民、行政その他の関係者の相互の連携協力のもと、社会全体でいじめの問題を克服していく必要があると考えている。
阿知良委員 不登校の背景や要因は複雑化・多様化しており、各学校においても、対応に苦慮していると聞いているが、二十六年度の不登校児童生徒への対応の中で、登校する、または、できるようになった児童生徒はどの程度いるのか伺う。また、学校のとった措置として、特に効果のあったものにはどのようなものがあったのか併せて伺う。
竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 不登校児童生徒の登校状況について。このたびの調査では、不登校児童生徒への指導の結果、登校する、または、できるようになった児童生徒数は、小学校が二百八十八人で、不登校児童全体の三五・五%、中学校が一千三十八人で、不登校生徒全体の三〇・一%、高校が二百十五人で、不登校生徒全体の二五・一%となっている。
また、本調査において、特に効果のあった学校の措置としては、家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗るなど様々な指導・援助を行った、登校を促すため、電話をかけたり迎えに行くなどした、保護者の協力を求めて、家族関係や家庭生活の改善を図った、不登校の問題について、研修会や事例研究会を通じて全教師の共通理解を図ったなど、不登校児童生徒個々の状況に対応した支援や取組の実施が報告されている。
阿知良委員 必ず兆候がある、ちょっとした変化を見逃すことなく、早期に対応することが非常に大事だと思うが、一方で、学校に相談することができない児童生徒がいるなど、学校、児童生徒の状況が多様化していることから、関係機関との連携も重要と考える。そこで、不登校児童生徒は、学校外のどのような機関で相談や指導などの支援を受けているのか伺う。
竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 関係機関における支援について。本調査において、不登校児童生徒に対する学校外の機関等における相談や指導等の状況については、小学校では、教育委員会および教育センターなど教育委員会所管の機関が最も多く、次いで、病院・診療所等の医療機関、市町村教委が設置する適応指導教室となっており、中学校では、適応指導教室が最も多く、次いで、病院・診療所、教育委員会所管の機関、高校では、病院・診療所が最も多く、次いで、児童相談所・福祉事務所、民間団体・民間施設の順となっている。
阿知良委員 これまでも、不登校への対応は、各学校で行ってきていると考えるが、不登校児童生徒における登校する、または、できるようになる割合は三分の一程度であり、不登校状態が長引くほど、解決の困難度は増してくるものと考える。不登校は、どの児童生徒にも起こり得るものであることから、不登校の未然防止に向けた取組が重要であり、相談窓口体制をしっかりと確保するなどの対応が必要であると考える。道教委として、どのように取り組むのか伺う。
菅原学校教育局指導担当局長 不登校の未然防止について。不登校は、どの児童生徒にも起こり得るものであるとともに、不登校の状態が継続することによって、学習の遅れや生活リズムの乱れなどが生じ、学校への復帰が難しくなることから、不登校を未然に防止することが、極めて重要であると考えている。
このため、道教委では、これまで、市町村教委や学校に対して、児童生徒の自己存在感や自己有用感を高める指導についての助言、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣、不登校を解消した対応事例集の作成・配布などの取組を進めてきた。
道教委としては、今後とも、こうした取組の一層の充実を図るとともに、二十七年十月一日に、新たに本庁に設置する「子ども相談支援センター」を広く周知し、二十四時間体制での電話相談や、来所やメールによる相談への対応等によって、児童生徒の不登校の未然防止に努めていく。
◆道立美術館等について
阿知良委員 道教委では、本道における美術の振興を図るため、札幌市の近代美術館をはじめ、旭川市、函館市、帯広市に合わせて五つの道立美術館を設置している。
先般、近代美術館で開催された「夢見るフランス絵画展」においては、道内外から七万人もの方々が美術館を訪れ、直接世界的に有名な作品にふれ、深い感銘を受けた。
また、地方美術館においても、その地域性に合わせた、特色ある展覧会をはじめ、地域の歴史や文化に関連した事業など、地域の方々に親しまれる取組を進めていると承知している。
このように多くの方々が訪れている道立美術館は、本道の美術振興の中心となるべき存在であり、美術館で収集した美術品はもちろん、美術館の施設や機能面についても、さらに有効に活用すべきだと考える。
そうしたことを踏まえ、以下伺っていく。
道立美術館には、多くの美術品が所蔵されていると承知しているが、それらの作品は、より多くの道民に鑑賞してもらうことで、初めてその価値が発揮されるものであると考える。
そのために、各美術館として、どのような取組を行っているのか伺う。
長内文化財・博物館課長 収蔵作品の有効活用について。道立美術館では、各美術館の収集方針に基づいて美術作品の収集を進めており、近代美術館ではガラス工芸、旭川美術館では木工、函館美術館では書、帯広美術館ではプリントアートなど、それぞれの特色や地域性を生かした展覧会を行うとともに、国内外の美術館と連携した特別展を開催するなど、より多くの道民に鑑賞していただけるよう、取組を進めている。
また、道内各地の公民館など社会教育施設で開催する「移動美術館」での展示や、道内外の美術館への貸出など、その有効活用に努めているほか、各館の代表的な作品をホームページで紹介するなど、美術館の魅力発信にも取り組んでいる。
阿知良委員 学校によっては、子どもたちが美術館の作品を直接鑑賞する取組を行っていると伺っているが、美術館から遠くに所在する学校では、そういった機会も十分ではないのではないかと考える。
そのような学校においても、子どもたちが道立美術館の作品にふれたり、図工・工作や美術の授業で積極的に教材として取り入れてもらうという取組も必要ではないかと考えるが、所見を伺う。
長内文化財・博物館課長 学校教育での活用について。道立美術館では、二十四年度から、学芸員が作品を学校に持参し、児童・生徒に実物を見せながら、分かりやすく鑑賞の手ほどきを行う「出張アート教室」を実施している。
また、市町村立小・中学校に対して、美術館を活用した授業実施に向けた課題などについて、アンケート調査を実施したところ、特に、美術館から遠距離の学校からは、鑑賞授業のために来館することが難しいとの回答がみられた。
このため、道教委では、本年度から、授業で活用できる「鑑賞学習用支援ツール」として、収蔵作品の写真や解説などをコンパクトにまとめた「アートカード」の作成や、実際にふれることのできる木工作品等の貸出などの取組を進めることとしており、今後も、学校での鑑賞教育を支援できるよう、美術館や学校と連携し、取り組んでいく考えである。
阿知良委員 道立美術館は、それぞれがテーマに沿って収集した作品を展示する所蔵品展や、道内外や海外の美術館の所蔵作品を展示する特別展などを開催し、たくさんの客が訪れている。しかし、もっと多くの方々に美術館に来ていただくためにも、展示室だけではなく、ロビーなどを活用したイベントを実施するなど、美術館施設を積極的に活用した取組を進めるべきと考えるが、所見を伺う。
成田生涯学習推進局長 美術館施設の活用について。道立美術館では、これまでも各種展覧会のほか、児童生徒が作品づくりを体験するワークショップや、中学生・高校生の職場体験の受入れ、さらには、学芸員が講師を務める大学連携講座や、地域の方々を対象に、ロビーを活用したミュージアムコンサートなどを実施している。
また、二十五年からは教員を対象に、美術館活動を体験し、収蔵作品を用いた鑑賞教育を実践する、「美術館活用学習のための研修講座」を実施している。
今後も、地域やボランティア団体などと連携し、あらゆる世代の方々に道立美術館に足を運んでいただけるよう、地域イベントとのタイアップ事業を実施するなど、さらに創意工夫して、美術館施設を活用した様々な取組の一層の充実に努めていく考えである。
阿知良委員 道立美術館は、優れた美術品を収集し、展覧会や教育普及事業に取り組んでいるが、道立美術館は、本道の美術振興の中心となるべきと考える。
今後の道立美術館の役割をどのように考えているのか伺う。
山本教育部長 道立美術館の役割について。道立美術館は、道内における美術の振興を目的としており、国内外の美術に関する研究成果を展示や企画に生かすとともに、本道にゆかりのある作家や作品の収蔵、研究を行う役割を担っている。
また、本道の美術振興に当たっては、児童生徒の美術への興味・関心を高めることが重要であることから、収蔵作品の鑑賞教育への活用をさらに進めるなど、学校教育と連携した取組を強化していくことが求められている。
こうしたことから、道教委としては、道立美術館が今後も本道の美術文化の拠点としての機能を果たしていくため、国内外の美術館との連携をさらに深めて、質の高い展覧会を開催するとともに、道内各地で展開する「移動美術館」、小・中学校等の授業に美術品を活用する「出張アート教室」、各美術館における地域おこしなどと連携した取組を一層進めて、より多くの道民が美術に親しむことができる環境づくりに努めていきたいと考えている。
阿知良委員 道立美術館等の老朽化対策について。札幌市やその近郊には、本道の美術の振興や道民の教育と文化の発展に寄与することを目的とした、道立近代美術館および道立図書館が設置されている。
また、同じく札幌市近郊には、児童生徒の成長に大きな影響を与える教職員の資質能力の向上を図るため、道立教育研究所も設置されている。
こうした施設は、道教委が所管していると承知しているが、建築されてから相当の年数を経過しており、建物の老朽化から利用する方々の利便性などが懸念される。
施設設置の目的を考えると、道民が、快適な環境の中で、文化的な教養などを身に付けるために利用したいと思えるような施設であることが望まれ、また、効果的な教職員の研修等を実施するためにも、施設の適切な維持・管理は重要と考える。
こうしたことを踏まえ、以下、伺う。
道立美術館等は、建築されてから相当の年数が経過し、建物の修繕要望の声も多数寄せられていると考えるが、こうした要望に対し、道教委として、どのように対応することとしているのか伺う。
加賀施設課長 道立施設の修繕について。道教委では、十九年に道立の学校や美術館、図書館などの施設の点検、保守、修繕などに関する事項を定めた「道教委建築物等保全規程」を策定し、適切な保全と長期にわたる機能の維持に努めてきた。
この規程では、施設を管理する校長や美術館長等が劣化度のほか、利用状況や利便性なども踏まえ、修繕が必要と判断した場合、その概要や所要額、必要性などを記載した「施設整備計画書」を作成し、道教委へ提出することとしており、道教委では、その計画書によって要望を把握するとともに、必要に応じて現地調査を行い、修繕工事を行っている。
なお、各施設の床や壁の一部張替など小規模な修繕については、臨時・応急的に対策を講じている。
阿知良委員 道立美術館等において、ここ数年の主なものとして、具体的にどのような修繕工事を行ってきたのか伺う。また、設置者として、どのような考えのもと、修繕工事を実施しているのか、併せて伺う。
加賀施設課長 修繕工事の実施状況などについて。二十六年度に、近代美術館展示室の照明器具の改修工事、本年度は、図書館の暖房用ボイラー設備の改修工事を行っているほか、本年度から来年度にかけては、教育研究所研修棟の屋上防水や外壁改修工事を行うこととしている。
こうした工事に当たっては、各施設の管理者が作成する「施設整備計画書」を踏まえるとともに、劣化度や危険度、機能上の影響など、専門職員による検討を行い、修繕の必要性および妥当性を判断している。
阿知良委員 道民が利用しやすく、また、利用したいと思うような施設として、長く活用していくためにも、設置者として、中・長期的な視点に立って、計画的に修繕することが必要と考える。所見を伺う。
加賀施設課長 今後の対応について。道立美術館などの教育文化施設を適切に保全し、長期にわたり多くの道民に利用していただくためには、劣化度や危険度、緊急度といった観点に加え、利用者の安全性や利便性、快適性なども考慮して計画的に修繕を行うことが必要と考えている。
こうしたことから、二十七年八月に大規模修繕の計画的な実施などについて幅広く協議を行うため、各施設を所管する庁内関係課によるワーキンググループを設置した。
道教委としては、今後、このワーキンググループを中心に、道立の学校をはじめ、美術館、図書館などについて、道民が、快適な環境の中で利用していただけるよう、適切な保全と長期にわたる機能の維持に向けて、しっかりと情報の共有や意見交換などを行い、中・長期的な視点に立った計画的な修繕に努めていく。
◆特別支援学校について
阿知良委員 現在、本道では、高等支援学校への進学希望者が年々増加している状況にあり、道央圏では、ここ五年間で、札幌市内やその近郊において、新たに二校を開校するなどして、進学希望者の増加に対応していると承知している。
このような高等支援学校における在籍者数の増加は、全国的・全道的な傾向として理解しているが、特に、札幌市を中心とした道央圏において、増加傾向が顕著であることから、学校整備の緊急性は高いものと考える。
この状況を踏まえ、以下、伺う。
まず、道央圏の中でも、札幌市内および近郊に設置されている高等支援学校の在籍者数の推移はどのようになっているのか、ここ五年間の状況について伺う。
小原特別支援教育課長 高等支援学校の在籍生徒数について。札幌市内および近郊には、札幌市立を含め高等支援学校が七校あり、在籍生徒数は、二十二年度の七百五十六人から二十七年度の一千七十六人へと、五年間で三百二十人、約四二%増加している。
阿知良委員 札幌市内および近郊の高等支援学校の在籍生徒数が急増する中、これまで、道教委では、どのように必要な間口を確保してきたのか伺う。
また、高等支援学校の受入体制整備の予算総額はどのようになっているのか、併せて伺う。
小原特別支援教育課長 高等支援学校等の整備について。道教委では、道内六圏域における、それぞれの高等支援学校の配置状況を踏まえつつ、中学校の特別支援学級等の卒業予定者のうち、進学希望者の状況を勘案し、既存の学校の間口増や新設校の設置などによって、受入体制を整備してきた。
こうした中、札幌市内および近郊における高等支援学校等の整備については、二十二年度以降では、二十三年度に札幌稲穂高等支援学校を、二十五年度に千歳高等支援学校を新設したほか、必要に応じて、既設校の学級増を行うなどして、二十二年度の「三十八間口・定員三百四人」から、二十七年度は「四十六間口・定員三百六十八人」としており、これらの整備事業費の総額は、約七億円となっている。
阿知良委員 特別支援学校に関する予算としては、実際に建物を整備するのに要する経費のほか、学校の運営が始まったあとのランニングコストである教職員の人件費や維持経費等、さらに多額の予算が必要となってくるものと承知している。
札幌市内やその近郊で、こうした学校への進学希望者、あるいは、在籍者数の増加に対応するため、道教委が必要な整備を進めてきたことは一定の理解をするが、財政状況が厳しい中にあっても、引き続き、高等支援学校への進学を希望する生徒や、その保護者の思いに応えていくことが、何よりも重要なことであり、その取組をしっかりと進めていく必要があると考える。
そうしたことを踏まえ、今後の道央圏における高等支援学校の間口確保の見通しはどのようになっているのか伺う。
佐藤学校教育局特別支援教育担当局長 今後の高等支援学校の間口について。道央圏においては、二十八年度には閉校した札幌拓北高校を活用して新設校を設置し、六間口を確保するほか、二十九年度には十二間口の確保を検討する必要があるため、既設校で五間口を確保することに加え、札幌市が市南部に新設校を設置し、七間口を確保することとしている。
また、三十年度以降も、札幌市を中心に出願者数の大幅な増加が見込まれることから、さらなる間口の確保について、進学希望者や保護者などの要望等をお聞きしながら対応策を検討する必要があると考えている。
阿知良委員 三十年度以降も、札幌市を中心に出願者数の大幅な増加が見込まれることから、さらなる間口の確保を検討する必要があるということなので、できるだけ早く、その方向性を決めることが生徒、あるいは保護者の安心感につながるものと考える。
その意味では、本年度、道教委が示した、「二十八年度公立特別支援学校配置計画」において、生徒や保護者などによる進学先の検討が早期から可能となるよう、翌々年度の配置の見通しに加え、さらに三年後の配置の見通しを示したことは、一定の評価ができる取組と考える。
この進学希望者の増加への対応については、道も札幌市もそれぞれ財政状況が厳しい中で、なかなか意見の折り合いがつかない状況となっているが、先ほど申し上げたように、生徒あるいは保護者のニーズこそ、最も重視しなければならないことである。
そのためにも、道と札幌市がなお一層の連携を図ることが必要と考えるが、道央圏における高等支援学校の整備に向け、どのように取り組むのか伺う。
柴田教育長 札幌市と連携した今後の整備の考え方について。二十七年度の入学者選考では、札幌市内に居住する高等支援学校出願者数が、市内に所在する高等支援学校の定員を約百人上回っており、今後も、進学希望者の急増傾向が続くものと見込まれている。
このため、道教委では、急増する札幌市内の進学希望者の受入体制の確保については、札幌市の協力が不可欠であると考えており、政令指定都市の役割にかんがみ、市南部の学校新設はもとより、豊明高等養護学校の七間口の維持など市内の受入体制の確保について、引き続き、市に働きかけていく考えである。
また、道教委としては、今後も、道立学校の空き校舎や空き教室などの既存施設を活用した整備に努めるとともに、高等支援学校への進学を希望する生徒が、できるだけ身近な地域において、教育を受ける機会を確保できるよう、道央圏においては、札幌市との連携をより一層密にし、計画的な受入体制の整備を進めていきたいと考えている。
(道議会 2016-02-04付)
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