4校5個人、栄に浴する 27年度渡島管内教育実践表彰受賞者(道・道教委 2016-02-18付)
函館市立桔梗中学校
【函館発】渡島教育局は、二十七年度における管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育部門では、団体において、函館市立桔梗中学校、福島町立福島中学校、七飯町立峠下小学校、函館西高校の四校を選出。個人での受賞者は三人で、七飯町立七飯中学校の石橋典幸教諭、鹿部町立鹿部中学校の中尾由美教諭、八雲高校の長野喜美子養護教諭を選んだ。
社会教育部門の受賞者は二人。木古内バレーボールスポーツ少年団の小笠原正之監督と、東京理科大学基礎工学部の榎本一之教養教授を選出した。
表彰式は、二十三日午後一時三十分から道立函館美術館で執り行われる。
受賞団体および個人の功績はつぎのとおり。=敬称略=
【学校教育】
◆団体
▼函館市立桔梗中学校(中村吉秀校長、生徒数四九二人)
▽「学び合い」を中核とした授業改善の実践
長年にわたり、「自ら考える、礼儀正しく責任をもつ、命を尊び健康に努める」を目標に、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。
特に、各教科の指導においては、全教職員が一体となって基礎・基本の定着を図り、思考力・判断力・表現力等を高める指導方法の工夫・改善に取り組むとともに、渡島教育局および函館市教委研究指定校として研究成果を広く発信するなど、確かな学力の育成に大きな成果を上げている。
また、授業では、生徒同士の「学び合い」を中核とした授業改善に取り組むなど、生徒に協働して学ぶ意欲や態度を育む実践は高く評価されている。
▼福島町立福島中学校(信田博之校長、生徒数九九人)
▽武道「相撲」を柱にした体力向上の実践
長年にわたり、「自ら学び、自信を持ち行動できる生徒の育成」を目標に、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。
特に、保健体育科の指導においては、「子どもの体力向上支援事業」実践指定校として、安全に配慮した武道「相撲」の指導の充実に取り組むとともに、部活動では相撲部が二年連続で道中学校体育大会で団体優勝し、全国大会ではベスト16に進出するなど、体力向上に大きな成果を上げている。
また、地域の相撲協会と連携を深め、地域指導者を積極的に活用して指導の充実を図るなど、生徒の体力向上に向けた実践は高く評価されている。
▼七飯町立峠下小学校(白石眞嗣校長、児童数二五人)
▽体力向上と運動習慣の形成を目指す実践
長年にわたり、「明るく個性的な子、自分で考え進んで実行する子、よく見、よく聞き、創造する子、強いからだと心の子」を目標に、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。
特に、体育科の指導においては、新体力テストを活用して児童の体力・運動能力を分析し取組の重点化を図るとともに、「放課後運動活動」を週二回実施し、ミニバレーボールやフットサルを通して児童の運動時間を確保するなど、スポーツに親しむ態度の育成に大きな成果を上げている。
また、学校支援ボランティアによる「土曜子ども運動教室」を開催し、様々な運動を体験する機会の充実を図るなど、児童に運動することの楽しさを味わわせる実践は高く評価されている。
▼函館西高校(堂下則昭校長、生徒数四七七人)
▽地域の教育力を活用したキャリア教育の実践
長年にわたり、「志高く」の校訓の下、理想を求め、真理を探究し、情操(こころ)豊かに生きる生徒の育成を目指し、地域の教育力を活用した特色ある学校づくりに取り組んでいる。
特に、生徒の社会的・職業的自立を図ることをねらいとした「社会人とのワールドカフェ形式対話集会」などのキャリア教育の実践は、相手の意見を聞いて自分の考えを正確に伝えるコミュニケーション能力や情報を取捨選択・活用し主体的に判断するキャリアプラニング能力の育成に大きな成果を上げている。
また、生徒が企画・運営するウエストヒルズプロジェクトや、国際交流センターと連携した留学生参加の授業など、地域とかかわり主体的に行動する態度やグローバル社会において多様な人々と協働する態度を育む実践は高く評価されている。
◆個人
▼石橋典幸(七飯町立七飯中学校教諭)
▽主体的に自己実現を目指す進路指導の充実に貢献
長年にわたり、中学校教諭として、学習指導はもとより、進路指導の理論・実践に関する研究を推進するなど優れた指導力を発揮し、生徒の主体的な進路選択の能力や態度の育成に尽力してきた。
特に、渡島進路指導研究会において、将来に対する目的意識をもたせる進路指導の充実に向け、管内の高校や特別支援学校の特色をまとめた「進路指導ガイド~明るい未来を訪ねて」を編集し、すべての中学校へ配布するなど、進路指導の充実に多大な貢献をしている。
また、総合的な学習の時間を中核としたすべての教育活動を通して、生徒一人ひとりの自己実現に必要な能力を育成するなど、進路指導の充実に向けた実践は高く評価されている。
▼中尾由美(鹿部町立鹿部中学校教諭)
▽特別支援教育の充実・発展に貢献
長年にわたり、小・中・特別支援学校の教諭として、学習指導はもとより、障がいのある子どもが主体的に社会参加することができるよう自立に向けたきめ細かな支援に尽力してきた。
特に、渡島教育局特別支援専門家チームの一員として、一人ひとりに応じた望ましい教育的支援の在り方を助言するとともに、特別支援学校教員および地域住民を対象とした研修会や、高校教員を対象とした教育相談会を通して適切な支援の在り方を広く普及させるなど、特別支援教育の充実に多大な貢献をしている。
また、特別支援教育コーディネーターとして校内研修を推進するとともに、保護者や関係機関との円滑な連携を図るなど、学校での特別支援教育の充実に向けた実践は高く評価されている。
▼長野喜美子(八雲高校養護教諭)
▽教育相談活動の充実
長年にわたり、養護教諭として、保健指導はもとより、様々な心の悩みを抱える生徒の支援のため、教育相談や特別支援教育の充実に向けた校内委員会において中核的な役割を果たすなど、校内の協働体制の確立に尽力してきた。
特に、不登校問題の解決に向け、生徒理解ツールを活用して生徒の実態把握に取り組むとともに、ピア・サポート活動の手法を取り入れて不登校の未然防止に努めるなど、生徒の望ましい人間関係を構築する態度や能力の育成に多大な貢献をしている。
また、各種研修会における講師として、教員の資質・能力の向上に貢献するなど、管内はもとより全道の教育相談活動の充実に向けた取組は高く評価されている。
【社会教育】
◆個人
▼小笠原正之(木古内バレーボールスポーツ少年団監督)
▽バレーボールの指導を通した地域の教育力の向上に貢献
平成十五年の木古内バレーボールスポーツ少年団の設立時から指導に当たり、昨年八月に開催された第三十五回ファミリーマートカップ全日本バレーボール小学生大会男女混合の部で準優勝に導くなど優れた指導力を発揮し、数々の輝かしい成績を残している。
特に、指導に当たっては、技術の向上のみならず、バレーボールを通して挨拶や礼儀などの社会性や活動を支える方々への感謝の気持ちを育むなど、子どもたちの心身の健全な育成に尽力してきた。
また、大会の企画・運営や後進の指導者の育成を通して、青少年の健全育成にかかわる活動に取り組むなど、地域の教育力の向上に貢献する取組は高く評価されている。
▼榎本一之(東京理科大学基礎工学部教養教授)
▽学習支援を通して地域の教育力の向上に貢献
平成三年に、地域の子どもたちが算数・数学を学ぶことができるよう、勉強サークル「ピタゴラス」を主宰し、現在は、小学生から高校生までを対象に週二回、算数・数学はもとより、参加者のニーズに応じた学習支援に取り組んでいる。
特に、指導に当たっては、成績の向上のみならず、数学の楽しさや面白さ、知る喜びを味わわせることができるよう、子どもが主体的に学習に取り組む姿勢の育成に尽力してきた。
また、学習文化センター運営委員会委員長をはじめとして、社会教育・社会体育施設運営委員長や青少年健全育成推進協議会長を歴任するなど、青少年の健全育成や地域の教育力の向上に貢献する取組は高く評価されている。
この記事の他の写真
福島町立福島中学校
七飯町立峠下小学校
函館西高校
石橋典幸氏(七飯中教諭)
中尾由美氏(鹿部中教諭)
長野喜美子氏(八雲高養護教諭)
小笠原正之氏(木古内バレー少年団監督)
榎本一之氏(東京理科大教養教授)
(道・道教委 2016-02-18付)
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