道教委が28年度教育予算案を発表 1.4%増の4785億円 新規にグローバル人材育成事業(道・道教委 2016-02-22付)
道教委は十九日、二十八年度道教育予算案を発表した。予算総額は、前年度肉付補正後と比較し一・四%増の四千七百八十五億二千二百十三万円。一般事業関係では、新たに「北の未来を担うグローバル人材育成事業」を推進。国際的な視野を備えた人材を育てるため、道内と海外の高校生が相互討論や意見交換する「U―18未来フォーラム」を開くほか、道独自の英語検定を開発するために、中学校十四校を実施協力校に指定する。また、人口減少による小規模校の増加に対応するため、ICTを活用した遠隔授業を行う「ほっかいどうICT活用教育加速化事業」に着手。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも拡充する。
二十八年度の教育予算案の総額は、前年度肉付補正後と比較して、六十七億三千二百七十八万円増の四千七百八十五億二千二百十三万円となった。道独自の給与縮減が解除されたこととと、公立高校等就学支援事業・高校生等奨学給付金事業の対象が学年進行によって三年生までとなることなどが増額の要因。
歳出を費目別にみると、施設建設事業費が七十三億三千四百五十四万円で、前年度比十一億五千二百五十九万円の減。うち、学校建設費は六十三億二千九百万円となっている。
一般事業費は、四百六十九億八千三百九十二万円と、前年度と比べて八・一%、三十五億一千八百四十六万円の増。
主な事業をみると、道学力・体力向上対策推進事業に四億九千百四十二万円を計上。ほっかいどう学力向上推進事業として、新たにほっかいどう学力向上セミナーと小中連携・一貫教育説明会を十四管内で開催する。また、重点地域に拠点校を指定し、現状分析と授業改善のコンサルティングを行うほか、小中連携推進地域・小中一貫パイロットモデル地域を指定。学力向上推進研修会、北海道の子どもたちの学力について考える会も開く。
学校力向上に関する総合実践事業では、実践指定校を前年度の十九校から二十二校に、近隣校を五十校から五十九校に拡充する。
高校学力向上実践事業では、指定校七十七校で実践教材や学力評価テストを開発。また、学習支援員による生徒の学び直しを支援するため、十四校で年間六十日程度、外部講師による特別講座を計画している。
子どもの体力向上パワーアップ事業では、新たに体力向上に向けた強調月間を設定するとともに、体力向上課題解決セミナーを行う。
子どもの生活習慣づくり推進事業では、学校・家庭・地域の連携促進のためガイドブックを作成。全道研修会を実施する。
小規模学校等教育活動支援事業は、前年度の六倍に当たる二千三十万円を充てる。
新規として、ほっかいどうICT活用教育加速化事業を盛り込み、人口減少による小規模校の増加に対応するため、ICTを活用した遠隔授業を行うことで、教育水準の維持を目指す。小・中学校八校を実践指定校とし、高校では地域キャンパス校に対してハイレベルな内容の遠隔授業を行う。ICTを活用した教育を推進する教員を育成するため、研修会を開く計画。
グローバル人材育成推進事業では、北の未来を担うグローバル人材育成事業に着手。国際的な視野を備えたチャレンジ精神あふれる人材を育てるため、U―18未来フォーラムを開催。道内と海外の高校生によるICTを活用した相互討論や意見交換などを行う。
さらに、道独自の英語検定を開発するため、中学校十四校を実施協力校に指定する。小学校教員の英語力強化のための夏季集中セミナーを企画する。
いじめ・不登校等対策推進事業は、前年度と比べて一千百五十六万円増の二億五千四百十六万円を計上。子ども相談支援センター事業を継続するほか、いじめ等対策総合推進事業では、スクールカウンセラー百十八人を小中学校二百四十三校に通年配置する。その他の中学校等二百六十七校にも派遣する。道立高校六十校にも通年配置し、その他の百四十一校にも派遣を予定している。
スクールソーシャルワーカーは、前年度の二十六市町村三十二人から、二十八市町村三十四人に拡充する。
不登校児童生徒指導対策事業では、新たに教育支援センター等設置を促進していく。
道立高校移管関連経費として、新たに九千七十八万九千円を措置。奥尻高校の町立移管後における円滑な学校運営に向けて支援する。中高一貫教育の円滑な導入のための教員三人の派遣、教材・施設整備への補助、職員住宅の無償譲渡を盛り込んでいる。
コミュニティ・スクール(CS)導入等促進事業については、新たにCS導入促進研修を実施する。全市町村の学校職員等を対象とし、全国フォーラムへの参加を促すとともに、研修会等の成果報告書を作成し配布する。
放課後子ども教室事業、学校支援地域本部事業、土曜日の教育支援体制構築事業、家庭教育支援活動事業、ほっかいどう子ども民俗芸能振興事業も継続する。継続の防災教育推進事業では、四市町村で防災キャンプを行い、全道フォーラムの開催、防災パンフレットの配布を予定している。
学校建設関係では、高校大規模改造費に十七億六百十二万円を計上。二年次目の芽室のほか、北広島、千歳北陽、中標津、旭川工業、北見商業で着工するとともに、十五校の設計費を措置した。水産高校実習船(若竹丸)の代船を建造するため、十三億八千六百四十九万円を充てる。
特別支援学校大規模改造費は七億八千百二十八万円で、七飯養護、平取養護、帯広盲で着工するほか、九校の設計費を計上。知的障がい高等養護学校校舎等整備では、道南圏の新設高等支援学校に着工する。札幌あいの里高等支援、旭川高等支援、新得高等支援の整備を継続する。
知的障がい特別支援学校の狭隘化に対応するため、札幌伏見支援、釧路養護の校舎等を整備する。
(道・道教委 2016-02-22付)
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