道教委が主幹教諭研究協議会開催 マネジメント機能向上へ 文科省・前川審議会の講演など
(道・道教委 2016-02-24付)

道教委主幹教諭研究協議会
約170人が参加

 道教委は十七日、札幌市内の道第二水産ビルで二十七年度道主幹教諭研究協議会を開催した=写真=。主幹教諭配置校および配置検討校の校長約百七十人が参加。学校改革に関する講演や小・中学校の主幹教諭の取組事例発表などを通して、校長のリーダーシップのもと、主幹教諭を効果的に活用する意識を高めていた。

 主幹教諭配置校における学校運営の在り方や主幹教諭の役割・業務の内容などについて、実践事例の紹介や意見交換などを行い、校長を中心としたマネジメント機能の一層の向上を図ることを目的に行っているもの。昨年度までは、主幹教諭と校長を対象としていたが、主幹教諭配置校の増加を受けて、本年度は、主幹教諭配置校および配置検討校の校長のみを対象とした。

 冒頭、杉本昭則学校教育監があいさつ。本年度の主幹教諭配置校は、札幌市立を含め百六十校であることを示し、「主幹教諭が管理職と教員のパイプ役となることによって、意思統一が図られ、学校全体が共通認識をもって一体となって取り組めるようになった」「教頭が教員の相談や助言に時間をかけることができた」「業務の効率化が図られ、一般教員の負担軽減につながり、子どもと向き合う時間が拡充した」と効果を報告。今後も主幹教諭の配置を続ける考えを示した。

 その上で、配置校および配置検討校の校長に対して、「主幹教諭には、将来の管理職候補として期待している。日々の業務の中で学校経営のノウハウを身に付けさせ、経営者としての意識を高めるよう指導してほしい」と要請した。

 このあと、「学校改革の先進事例」について、文部科学省文部科学審議官の前川喜平氏が講演した。

 日本の人口が将来的に減少傾向をたどり、移民政策を考える時代がくることを予想。海外の学者が示している、「子どもたちの六五%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」「今後十~二十年程度で約四七%の仕事が自動化される」などの私見を紹介し、「未知の課題に対する解決法を見いだす力を育てることが大切」と教育の力に期待を寄せた。

 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果や高校生の学力・学習意欲の状況のデータを示し、「生涯学び続ける礎をつくるべき。そのために大学入試のための学習から脱却し、卒業後の人生を見通して学習することが必要」と訴えた。

 また、主幹教諭と主任、指導教諭の違いにふれ、「全国的に主幹教諭の配置は進んでいる。指導教諭の配置も今後進めていく」と述べた。

 埼玉県と徳島県の主幹教諭配置にかかる成果と課題を報告し、「管理職と教諭とをつなぐパイプ役となることによって、スピード感をもった情報の共有化、教諭のマネジメントへの参画意識の醸成に効果がある」などと示した。

 さらに、通級指導を受ける子どもの増加、不登校の割合の増加、就学援助を受ける子どもの増加、教員が増えない中での授業時数の増加など、学校現場を取り巻く課題が複雑化・多様化していることを提示。今後は、教職員一人ひとりの良さや専門性を発揮し、チームとして学校が取り組むことや、コミュニティ・スクールを核とした地域とともにある学校づくりの必要性を強調した。

 講演後には、旭川市立愛宕東小学校と岩見沢市立光陵中学校の主幹教諭の取組事例を紹介。各校の取組に関する意見交換も行った。

(道・道教委 2016-02-24付)

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