道公立学校教頭会創立50周年記念式典 一体感大切に活動展開 難局乗り越え新たな一歩(関係団体 2016-02-24付)
教育課程の円滑実施へ一層の努力を求める吉田会長
道公立学校教頭会の創立五十周年記念式典が二十日、札幌サンプラザで挙行された。吉田信興会長は「今後も、どんな厳しい場面を迎えても全会員の力で乗り越え、六十年七十年と新たな歴史をつくっていく」と、つぎの一歩を踏み出す決意を新たにした。式典に続き、記念講演や祝賀会が行われ、会員らは、半世紀の歩みを振り返るとともに、さらなる発展を誓い合った。
道公立学校教頭会は、昭和四十一年二月十八日に結成。身分の確立と待遇の改善要求ばかりではなく、教頭としての研究活動を活発化し、翌四十二年には第一回研究大会を開いた。四十三年度には、未組織であった地区も加盟して道内全教頭が会員となり、全国公立学校教頭会にも加盟。当時は二千三百人という大世帯の加盟であり、全国でも強力な教頭会として組織発展の一翼を担ってきた。
本年度は、全国統一研究主題「豊かな人間性と創造性を育む学校教育」、サブテーマ「たくましく生きる子どもを育む信頼される学校づくりの推進」のもと、第十三次三ヵ年継続研究の二年目として精力的に研究を進めている。
記念式典には、関係者や来賓など約百七十人が臨席。国歌斉唱に続き吉田会長があいさつ。五十年の歩みを振り返り、「常に〝北海道は一つ〟〝みんな仲間〟という北海道の教頭の一体感を大切にした研修活動と要請活動を続けてきている道公教は、今後も、どんな厳しい場面を迎えても全会員の力で乗り越え、六十年、七十年と新たな歴史をつくっていく」と約束した。
学力や体力の向上、いじめ・不登校の問題への対応、教職員の服務違反、新たな学習指導要領を見据えた二十一世紀型能力の育成と教育課程の見直し、組織の活性化など教育課題が山積していることにもふれ、「教頭は課題を真摯に受け止め、子どもたちのために、学校としてどのように取り組み、何を具体的に進めていくべきか十分検討しながら、教育課程の円滑な実施に向けて一層の努力をしなければならない」と強調。
そのことが、北海道の教育の充実・発展や、保護者・地域から信頼される学校につながることを示唆し、「創立五十年という大きな節目の年を迎えた今、決意を新たに、つぎへの力強い一歩を踏み出す機会にする」と誓った。
次いで、道教委の柴田達夫教育長、全国公立学校教頭会の吉田一義会長が祝辞。柴田教育長は、教頭が担う業務の多忙さにふれ、仕事を改善し、子どもと向き合う時間を充実させようと検討している国の動向を説明。「厳しい社会で子どもたちが育つための力を学校で養うために必要な時間を確保することは大切」「次世代の学校を創るため、様々な課題に対応するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、事務職員、主幹教諭の充実など学校組織運営力を強化していく動き」と話し、道教委として、教頭会とともに努力していく考えを示した。
さらに、教頭が学校現場や保護者、地域との連携の核になるよう期待を寄せた。
吉田一義会長は、教頭が各校の教育課題に対し、教職員の先頭に立って獅子奮迅の活躍をしていることを話し、「各都道府県の教頭会が相互の緊密な協調を保ち、資質を高めるための研修を推進し、会員の地位向上を図り、教育の理想を求めて政策提言能力を備えた職能団体としての組織の活性化と発展を目指したい」と強調。「学校には感動があり、教職は子どものために涙を流すことのできる仕事。つらいこともあるがその倍の喜びがある」とし、「子どもたちや学校教育のためにともに、手を携え力強く前へ進もう」と求めた。
このあと、歴代の会長・事務局長など同会の発展に尽力した十六人に感謝状を贈呈したほか、記念講演も実施。「いま、なぜ教員の学びあいと協働が求められているのか」と題して、東大大学院教育学研究科の勝野正章教授が講演した。
勝野教授は、様々な教育課題への対応のため、教職員の同僚性の構築と子どもの学び合いを充実させることの大切さを訴えた。
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約170人が参集し、さらなる発展を誓った
(関係団体 2016-02-24付)
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