道教委高・特校長会議の道教委所管事項説明(1) 適切・確実な事務執行を 重大事故根絶など指導徹底(道・道教委 2016-05-17付)
説明する村上総務政策局長
道教委主催の二十八年度公立高校長・特別支援学校長会議(十日、ホテルライフォート札幌)では、村上明寛総務政策局長、北村善春学校教育局長、松浦英則生涯学習推進局長、土井寿彦新しい高校づくり推進室長、成田直彦教職員局長がそれぞれの所管事項を説明した。その概要を連載して紹介する。
◆村上総務政策局長
▼事務の適切な執行
昨年度、生徒の事故に伴い実施したアンケート調査の調査票が、道立学校文書管理規定等の関係規定に基づかずに廃棄されていたことが明らかになったほか、授業料の徴収事務において、「徴収すべき授業料を徴収していない」、あるいは、「徴収すべきでない授業料を徴収している」といった誤りが発生した。
いずれも、本来定められている手続きが適切に行われず、点検や内部牽制、進行管理を怠っているなど、事務の執行体制の課題が浮き彫りになった。
各学校においては、今一度、文書管理規定等の関係規定に基づく、公文書の適正管理の徹底、事務の進行管理や内部牽制の充実、職員の意識改革などに努め、事務の適切かつ確実な執行について、万全を期すようお願いする。
▼道立学校の施設整備等
本年度の実施事業は、新規設計、着工や継続工事が主であるが、二十八年度は、児童生徒の教育環境の改善を優先し、また、施設設備の耐久性の向上を図る観点から、校舎や体育館などの大規模改造事業の設計校を昨年度の十校から二十四校に拡充している。
また、昨年度から建造している実習船若竹丸の代船が本年度末に竣工する予定である。
▼学校施設の点検や安全管理
校長先生方は、学校施設の施設管理者として、道教委建築物保全規定に基づく定期点検のほか、校内体制の整備や日常点検などに取り組んでいただいているが、近年は、本道においても、台風などによる豪雨や暴風雪などによって、学校施設で多くの被害が発生していることから、学校施設の日常点検のほか、気象の状況にも十分留意され、警報などが発令されるような場合には、事前点検や事後点検を行い、被害の拡大防止に努めるなど、安全確保対策を徹底されるようお願いする。
▼教職員の人材育成
道教委では、これまでも、意欲ある若手や女性の管理職への登用に努めてきたが、教頭昇任候補者選考の受検者数の大幅な減少に加え、管理職の退職者数も、本年度にピークを迎える。
また、道教委では、ことし三月に「女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画」を策定しており、この計画では、二十八年度から五年間で、管理職員に占める女性職員の割合を、学校職員においては一五%と現行の約二倍にすることなどを目標として掲げている。
各学校においては、管理職候補となる人材の発掘・育成、特に、女性ミドルリーダー層の拡大など、これまで以上に、つぎの世代を担う管理職候補者の人材確保に尽力いただくようお願いする。
▼教職員人事
本年度の当初人事においては、特殊事情の考え方や学校経営上の留任の考え方などの取扱いをより徹底し、長年勤務者の解消、都市部から郡部への異動促進に重点を置いて取り組んできたが、依然として、都市部の同一校長年勤務の解消には至らず、教職員構成の適正化といった、人事異動の本来の目的を達成する上で、大きな支障となっている。
道教委としては、全道的な視野と長期的な展望に立った人事を進めるため、これらの取扱いのさらなる定着を図るとともに、人事異動実施要領の見直しについて、引き続き検討していくが、校長においては、所属職員に対して、人事異動要綱等の趣旨の徹底をさらに図るなど、引き続き、適切な人事異動の促進について、尽力いただくようお願いする。
▼主幹教諭の配置
二十七年度から道立学校においても配置を進めてきたが、本年度から、一定規模以上の道立学校に段階的に配置し、三十二年度には七十校程度に配置したいと考えているので、中堅の教員に対して、部長・主任への登用や関連研修への参加を促すなどして、計画的に候補者の育成を図っていただくようお願いする。
▼指導力不足教員への対応
今後とも、指導力不足教員の把握に努めるとともに、校内支援マニュアルのほか、道立教育研究所などで実施している助言業務を活用するなどして、指導力不足教員の早期改善に向けた取組をお願いする。
▼教職員の不祥事防止の取組
今月と来月は「コンプライアンス確立月間」であり、服務規律の徹底を確実に行う強化月間となっている。
この期間中、各学校では、服務規律にかかわる全体研修の実施はもとより、校長が職員一人ひとりとコミュニケーションを図りながら、コンプライアンスの徹底を意識付けする個人研修の実施をお願いする。
また、昨年度の重大事故や飲酒運転などの事例に加えて、管理職員の処分者が多数にのぼっている。
これらを踏まえて、特に、①わいせつ事故や窃盗などの重大事故の根絶②交通違反・事故の防止③体罰の防止―の三点については、管理職自らが自覚するとともに、職員一人ひとりに確実に指導を徹底していただくようお願いする。交通違反・事故の防止については、新たに、いわゆる飲酒運転根絶条例が施行されているので、職員に再度周知をお願いする。
本年度は、参議院議員の選挙も予定されているので、政治的中立性の確保についても、併せて指導をお願いする。
▼教育職員の時間外勤務等の縮減
ことし三月に実践事例集を作成し、効果的な取組事例を紹介するとともに、資料も掲載し、時間外勤務等の縮減のための手引としても活用できるものとした。
また、同じくことし三月に、変形労働時間制について、一部手続の簡素化を行っており、各学校においては、先般通知した「時間外縮減に向けた重点取組」を踏まえ、勤務時間の振替等の制度の効果的な活用をはじめ、管理職による業務管理や部活動にかかる取組による時間外勤務縮減の一層の推進をお願いする。
▼学校職員人事評価制度
地方公務員法の改正に伴い、道教委では、二十年度から実施してきた「学校職員評価制度」を見直し、ことし四月から新たな人事評価制度を導入した。
この新たな制度は、これまでの「目標管理型」の評価手法など基本的な枠組みは変わらないが、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力や挙げた業績を把握した上で評価を行うこと、評価結果を任用や給与、分限その他の人事管理の基礎として活用することなどの変更点がある。
新制度への移行に伴い、校長先生方においては、要綱・要領等の内容を十分理解いただき、適切な評価の実施をよろしくお願いする。
▼教育の情報化
ICTの活用は、子どもたちの興味や関心を高め、分かりやすく、効率的な授業の実現など、教育の質の向上を図る上で有効であり、広域分散型の本道においては、遠隔授業や遠隔研修などは、大きな効果が期待できると認識しており、一層の活用を図る必要があると考えている。
道教委では、本年度から、教育の情報化を担当するセクションを設けるとともに、全国的な状況やこれまでの道内における取組などを踏まえて、本道における教育の情報化にかかる指針を作成することとしており、ICTを活用した教育の一層の充実に取り組んでいく。
説明は以上だが、各学校においては、様々な取組を通して、職員の意識改革や自覚を促し、なお一層、危機管理や教職員の不祥事の未然防止などに向けて、取り組んでいただくようお願いする。
(道・道教委 2016-05-17付)
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