自ら学び考える子を育成 道教大附属旭川小が教育研究大会(学校 2016-06-24付)
3年1組の英語授業
【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(伊藤一男校長)は十七日、二十八年度教育研究大会を開催した。研究主題は「自ら学び、考え、行動する子どもを育てる教育活動の創造」。国語や算数などに加え、文部科学省の研究開発学校の指定を受けて取り組んだ小学校英語など十三授業を公開。また、授業後のワークショップ形式の部会、道教育大学附属旭川中学校との合同による教育講演会を通し、参加者は研鑚を積んだ。
同校は、三年計画の研究主題のもと、「子どもが学びの主体となる学習づくり」「学び合う意識を高める学習づくり」について研究を進めてきた。最終年次に当たることしは、「自ら学び、考え、行動する学習づくり」を副主題に掲げた。
児童が主体的な学習活動、問題解決的な学習過程における児童の学び合いを重視し、指導内容・方法、評価の在り方を工夫。学習活動と指導内容の具体化と関連の明確化、見通しのもてる単元構成、児童が自分の学びの状況をとらえ、成長を実感することができる教師のかかわりなどを追究してきた。
当日、開会式と研究発表のあと、国語や算数、文部科学省の研究開発学校指定を受けて取り組んだ小学校英語など、十三授業を公開した。授業後は、各教科・領域等でワークショップ形式の部会を行い、参加者同士で活発な意見交換を行った。
また、道教大附属旭川中との合同による教育講演会を中学校で実施。京都大学教育学研究科の石井英真准教授が「今求められる学力・学習と授業の在り方」と題し、最新の教育事情を交えながら講演した。
◆主体的に伝え合う授業を―上野教諭が3年英語指導
公開授業のうち、三年一組英語「Lesson5 すしは好きですか」を上野健太教諭が指導した。「Do you like~?」の表現を用いて、児童同士で質問し合い、「好きなものポスター」について発表する授業を行った。
同校は、二十五年度から文部科学省の研究開発学校指定を受け、今後の教科化に向けた独自のカリキュラムを編成している。
同校では、本年度のテーマに「主体的に伝え合おうとする英語の学習」を設定。①小学校英語科の目標設定と単元構成②自分の思いや考えを主体的に伝え合う活動の工夫③小学校英語科に向けた評価の在り方―の三点を研究の視点に位置付けている。
うち、②では表現の技能を身に付ける練習や活動形態、成果がみえるコミュニケーション活動を工夫。③では、「Can―doリスト」を活用した評価の在り方と、自分の成長を実感するための自己評価の充実に努めている。
単元「Lesson5 すしは好きですか」は全三時間扱いで、本時は三時間目となる。「好きなものポスター」をつくるため、前二時間で「Do you like~?」の構文を使った学習を展開。本時は、好きかどうかを尋ねる表現を使って、友達と積極的にコミュニケーションを図ることを目標とした。
はじめに、絵本の読み聞かせなどを通してウォーミングアップしてから、前時の学習内容を振り返った。その上で、上野教諭は「〝Do you like ~〟を使って、友達に好きかどうか尋ねてみよう!」と学習課題を示した。
これまで学んだ言葉を用い、本時の表現を全体で確認。つぎに、児童はペア、グループで尋ね合ったほか、教室内を歩き回り友達と質問し合った。
このあと、「好きなものポスター」の発表を行い、最後に本時の学習を振り返って授業を終えた。
◆正しい行動を考える―小野教諭が4年道徳指導
四年一組道徳「正しい行動~善悪の判断、自立、自由と責任A―(1)」を小野晴子教諭が指導した。東京書籍の資料「ドッジボール」を教材に、自分の判断に自信をもち、正しく行動することを考える授業を行った。
同校では本年度の道徳の研究テーマに、「道徳的な課題を自分ごととして考え、議論し、自己の生活へつなぐ学習」を掲げている。
道徳教育全体計画の改善、各教科や日常生活との関連を明確にした道徳科の位置付け、考え議論する道徳科へ向けた授業改善、道徳ノート等を活用した評価などを視点に研究を進めてきた。
本時の資料は、東京書籍『ゆたかな心で どうとく』の「ドッジボール」。あらすじは、「昼休みにドッジボールをしていたとき、一郎の足にボールが当たり、明は一郎に当たったことを思いきって伝えるが、一郎は最後まで当たっていないと主張し、ほかの児童も一郎を擁護。その後の反省会で、おとなしい登がクラスに反省を促す」という内容。
本時は、正しいと判断したことは自信をもって行おうとする態度の育成をねらいとしている。
はじめに、小野教諭は事前に行った道徳調査アンケートを紹介した上で、学習課題「正しい行動について考えよう」を提起。資料を読み、「みんなはなぜ一郎に反対しなかったのか」と問いかけた。児童は一郎に反対できないクラスの気持ちを考えた。
続いて、小野教諭は「どうして明は思いきって発言したのか」と発問。児童は明の気持ちを踏まえた上で、「正しいことを言わないといけない」などと述べた。また、小野教諭は反省会での登の発言を聞いた明の気持ちを考えさせてから、「正しい行動をとったのは誰か。なぜそう思うか」と尋ねた。
小野教諭は児童の意見をもとに、本時のまとめとして、「正しい行動とは本当にあったことをはっきり言うこと」と提示。おわりに、道徳ノートを使って、日常生活において正しいと判断して行動したことを児童に振り返らせた。
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4年1組の道徳授業
(学校 2016-06-24付)
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