空知局が生徒指導研究協議会開く 子を見守る環境つくって 講演やシンポジウムなどで研鑚
(道・道教委 2016-07-05付)

空知局生徒指導研究協議会
教育関係者120人が参加

 【岩見沢発】空知教育局は六月中旬の二日間、空知合同庁舎で生徒指導研究協議会を開いた=写真=。教育関係者約百二十人が参加。講演やシンポジウム、実践交流を通して、生徒指導の一層の充実に向けて研鑚を積んだ。

 児童生徒の豊かな成長・発達を促すため、生徒指導上の諸問題に関する研究協議を行い、学校、家庭、地域社会が連携協力して生徒指導の充実を目指すとともに、教員の指導力の向上を図ることが目的。

 小・中学校、高校、特別支援学校の校長、副校長、教頭、教員や市町教委職員など約百二十人が参加した。

 はじめに、高校教育指導班の黒沼茂樹指導主事が、道内および管内における生徒指導上の現状と課題について説明。いじめ、不登校の認知件数などの調査結果を踏まえ、関係機関と連携して適切な指導を継続するよう呼びかけた。

 続いて、道医療大学心理科学部臨床心理学科の富家直明教授が「子どものストレス対処能力の向上を目指したアドバイス方法について」をテーマに講演。ストレスに起因する突発的な子どもの自殺が増えていることから、日常的なストレス対処の方法を学ぶこと、地域で子どもを見守る環境をつくる必要性を提示し、「挫折やつらい経験をしたとき、誰かに相談することで、問題を解決する経験をすることが大切」と述べた。

 また、認知と行動の連鎖を自己分析して問題解決的な技法を学び、実践する「認知行動療法」の効用を説き、自己、環境、将来に対する否定的思考を取り除く予防教育、柔軟な思考力を身に付けることの大切さを提示した。

 午後からは、岩見沢市教委教育支援センター教育支援コーディネーターの長尾孝男氏が司会を務め、パネルディスカッションを実施。学校関係者から家庭訪問による保護者との信頼関係の構築など様々事例が挙げられたほか、スクールソーシャルワーカーからは「学校から依頼が来たときには、すでに問題が深刻化しているケースが多いので、早めに相談を」との声が挙がった。

 二日目は、道教委学校教育局参事(生徒指導・学校安全)の岡本浩一主査が、児童生徒がより良い人間関係を築くための社会的スキルを身に付けさせる活動等に関して説明。いじめ未然防止モデルプログラム事業指定校である美唄市立峰延小学校、北竜町立北竜中学校、岩見沢西高校の教諭が各学校の実践内容を発表した。

 このほか、問題行動等に適切に対応するための学校種間の連携に関して実践交流。児童生徒一人ひとりの良さを伸ばし、自己指導能力を育てる生徒指導の取組について話し合った。

(道・道教委 2016-07-05付)

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