帯広市啓西小が公開研究会 問題解決する力の定着を 15授業で「わかる」「できる」算数(学校 2016-07-08付)
分数の除法の求め方を理解―6年1組の授業
【帯広発】帯広市立啓西小学校(小林寛佳校長)は一日、同校で第十四回公開研究会を開催した。算数科十五授業を公開。うち、六年一組「分数のわり算を考えよう」(前田広美教諭)では、穴あき問題や数直線を活用して、分数の除法の求め方について理解を深めさせる学習を展開した。
同校は、研究主題に「見通しをもち、自ら学ぶ子どもの育成~〝わかる〟〝できる〟算数授業を目指して」を設定し、全教職員で学校教育の成果を子どもの成長の姿で示す「可視化」を推進している。
研究の視点に、「既習事項の振り返りや見通しの工夫」「本時の学びを生かし問題を解決する力の定着」を掲げ、既習事項の想起を工夫することによって「できそう」と思える導入と、まとめのあとに「一人ひとりのゴール」を設定し、学習活動の確実な定着を図ることに取り組んできた。
また、本年度からは、道教委「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、さらなる学校力の向上を模索してきた。
この日は、算数科十五授業を公開。うち、六年一組「分数のわり算を考えよう」は、十一時間扱いの六時間目。本時では、分数の問題を数直線に表して立式することを通して、何を基準に求めているのか明確にしながら、分数の除法について理解を深めさせることをねらった。
前田教諭ははじめに、既習事項を振り返らせたあと、「○㍍の重さが△㌔㌘のホースがある。①このホースの一㍍の重さは何㌔㌘か②このホースの一㌔㌘の長さは何㍍か」といった数字を抜いた穴あき問題を提示。児童たちに穴があいているところに数字を入れて問題をつくらせ、その問題から式をつくるよう指導した。
その上で、課題「数直線に表して、どのような式になるのか考えよう」を提示。①か②のどちらを求めるか児童たちに決めさせ、同じ問題を選んだ友達と数直線の表し方や考え方を交流させた。
つぎに、全体で問題を数直線で表し、立式の根拠を確認。前田教諭は、何を基準に求めるかで式が変わることを児童たちにとらえさせた。
おわりに、前田教諭は「数直線で表すと、数量の関係が分かり、式がつくりやすい」とまとめた。
このあと、同様の問題を示し、学習の定着を図った。
公開授業後、全体会を実施。はじめに、小林校長があいさつに立ち、「本校の教育の成果を発表するものではなく、皆さんからいただいた意見をもとに、一層の授業改善と学校力の向上に結び付けようとするもの。これからも皆さんからきたんのない意見をいただければ」と呼びかけた。
続いて、十勝教育局の竹林亨局長、帯広市教委の橋場仁学校指導担当部長が来賓あいさつ。竹林局長は、同校が本年度から学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校として活動していることについてふれ、「研究指定一年目のこの時期に学校外の方々に授業や学校の取組を見てもらうことは大きな意味がある。同校の研究をもとに、十勝全体の学校力向上につなげていただきたい」と述べた。
橋場学校指導担当部長は「公開研究会を通して、同校の学校教育に対する情熱や具体的な実践例が、多くの学校に浸透していけば」と期待を寄せた。
このあと、同校研究部長の前田教諭が研究概要を説明。このほか、低学年部会、高学年部会、特別支援部会の三部会に分かれて分科会を行い、より良い授業づくりや学校力向上に向けて交流した。
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授業後には全体会を開いた
(学校 2016-07-08付)
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