【解説】がん患者、ことし初の100万人超(解説 2016-07-21付)
一年間に新たにがんと診断される患者が、ことし初めて百万人を超えるという予測を、国立がん研究センターが発表した。高齢者人口の増加による影響が大きく、死亡数は過去最高となる三十七万四千人と予測した。
実際の統計がまとまるまでに数年かかることから、同センターが毎年、その年の患者数と死亡者数の予測を公表。人口動態統計や全国罹患モニタリング集計などをもとに算出し、二十六年から公開している。
短期予測を活用することで、がん対策の目標設定、評価を行うことに役立ち、また、予測値はこれまでの傾向が続いた場合を前提に算出するため、後に公開される実測値と突き合わせることによって、がん対策でどれだけ罹患、死亡を減らせたかの評価、分析を行うことも可能となる。
ことし新たに、がんと診断される人は、前年予測に比べ約二万八千人多い百一万二百人となり、初めて百万人を超える見通しとなった。男性が約一万五千八百人多い五十七万六千百人、女性が約一万二千三百人多い四十三万四千百人。
部位別では、大腸がんが十四万七千二百人で最も多く、胃十三万三千九百人、肺十三万三千八百人、前立腺九万二千六百人、乳房九万人と続く。昨年の予測と比較すると、上位五位のがんに変化はなかった。男性は前立腺、胃、肺、女性は乳房、大腸、肺の順に多かった。
一方、がんで死亡する人の数は前年の予測値より約三千人多い三十七万四千人と、過去最多となると予測。男性が約一千百人多い二十二万三千人、女性が約二千人多い十五万三千七百人。部位別では、肺が七万七千三百人で最も多く、大腸五万一千六百人、胃四万八千五百人、膵臓三万三千七百人、肝臓二万八千百人の順となった。
(解説 2016-07-21付)
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