【解説】不登校児童生徒への支援で最終報告
(解説 2016-08-04付)

 文部科学省の不登校に関する調査研究協力者会議は、「不登校児童生徒への支援に関する最終報告」をまとめ、公表した。不登校児童生徒に対する支援の目標は児童生徒の社会的自立であり、そのためには、不登校を生じさせない魅力ある学校づくりを目指すことが重要とした。

 昨年一月に設置された協力者会議は、これまで学校内外における不登校児童への支援の現状と改善方策などについて検討してきた。

 最終報告では、不登校児童生徒への支援の視点として、不登校の時期が、いじめによるストレスから回復するための休養時間としての意味や、進路選択を考える上で自分をみつめ直すなどの積極的な意味をもつ一方、学業の遅れや進路選択上のリスクも存在することから、不登校児童生徒一人ひとりの課題や立場に寄り添いつつ支援することが重要と指摘。

 不登校児童生徒への支援として、学校や関係機関が中心となり組織的・計画的に行うことが重要であり、その際には、学校の関係者、児童生徒および保護者などと支援策を話し合うなどして、「児童生徒理解・教育支援シート」を作成することが有効な手段とした。シートは、不登校の定義である三十日以上の欠席に至った時点で作成するのが望ましいとする一方、遅刻や早退などに着目し不登校が危惧される時点など、児童生徒状況に合わせて柔軟に作成するよう求めた。また、シートについては、そのひな形となる試案を示し、教育委員会や学校での活用に期待した。

 また、児童生徒の特性に合った一人ひとりの学び方を尊重し、多様な教育環境を提供するなど学習機会の確保、教育支援センターの設置促進とともに、不登校児童生徒個々に応じた支援や学習機会を確保する体制を整備することなどを提言している。

(解説 2016-08-04付)

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