道立教育研究所運営協議会開催 遠隔研修の活用拡大を キャリアに応じた講座開設(道・道教委 2016-09-02付)
本年度運営計画について、説明・協議を行った
道立教育研究所は八月二十六日、同所で二十八年度第一回道立教育研究所運営協議会を開催した=写真=。本年度運営計画などについて説明。本年度から導入した「ワークショップ型遠隔研修」について、「地理的な状況を踏まえて、小学校の教員が研修に参加しやすい環境を整備していく必要がある」とし、来年度以降については、「ワークショップ型研修やオンデマンド研修などの遠隔研修を様々な場面で活用していきたい」との考えを示した。
冒頭、秋山雅行所長があいさつ。「本年度から、スクールネットの回線を活用し、道研と研修会場の学校が、画面越しに研修を進める“ワークショップ型遠隔研修”を導入するなど、新たな取組も開始したところであり、引き続き、学校全体の教育力や、教員の実践的指導力の向上に向け、全力を挙げて取り組んでいきたい」との考えを示した。
議事に移り、二十七年度事業実施状況の報告に続いて、渡辺俊之総務部長が本年度運営計画について、事業の重点に、①本道の子どもたちに確かな学力を育成するための授業改善に向けた支援②いじめの未然防止を図る取組の充実③校務の情報化、各教科等におけるICT活用、情報モラル教育等、教育の情報化の推進―の三点を示し、その主な方策について説明した。
①では、研修講座の重点の一つ「キャリアステージに応じた研修の充実」について、経験五~十年の教員を対象とした研修から、校長を対象とした研修まで、キャリアステージに応じたマネジメント能力が高まるよう、系統的に講座を開設した。
また、「理科教育にかかる事業」について、昨年度で終了した「理科パワーUPプロジェクト」研修講座の成果を踏まえ、小学校教員を対象とした観察・実験の基礎的な知識・技能について実習を通して理解を深める研修講座を、全道六管内の高校を会場に実施する。
②では、いじめの未然防止を図る取組について、昨年度末、道教委と道研が連携してまとめた「いじめ未然防止モデルプログラム」の普及を目的として、「校内研修パッケージ」「基礎知識集」を作成し、Webページに掲載。本年度も引き続き、同プログラムを活用するために作成した校内研修資料の改善・充実を図るため、研究指定校からの情報収集に努めていく。
③では、「各種研修講座におけるICT活用の内容の充実」に向け、各研修講座において、授業改善につながるICTの活用を図るため、具体的な事例を示して研修を行う。
続いて、中澤美明企画・研修部長が本年度導入した「ワークショップ型遠隔研修」について説明。広域分散型の北海道に対応した教員研修の質の向上と研修機会の拡充に向けて、本年度から道研と道立高校の遠隔授業システム設置校とを接続して、双方向によるワークショップ型の研修を可能にする遠隔研修を導入。
導入のメリットとして、「身近なところで専門性の高い研修が受けられる」「遠距離にある学校の教員が同時に研修に参加できる」「リアルタイムで授業観察ができるなど、研修の形態が広がる」などを提示。
今後、「遠隔研修を本格的に実施していくため、遠隔授業システムが未整備となっている管内はもとより、地理的な状況を踏まえて、小学校の教員が研修に参加しやすい環境を整備していく必要がある」との考えを示し、二十九年度以降については、「ワークショップ型研修やオンデマンド研修などの遠隔研修を様々な場面で活用していきたい」と述べた。
また、附属理科教育センターの金澤昭良次長が新しいサイエンスカーと移動理科教室について説明。移動理科教室は本年度、六管内二十校で計画し、すでに、四管内で実施。今後、九月に二管内での開催を予定しており、「サイエンスカーを活用した理科の観察実験を精力的に実施し、児童生徒の自然科学に対する関心をより一層高め、科学的な能力の育成を図っていきたい」と述べた。
委員からは、「ワークショップ型遠隔研修」の積極的な開催や拡大を望む声などが挙がった。
(道・道教委 2016-09-02付)
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