【解説】上半期いじめに起因する事件―警察庁
(解説 2016-09-12付)

 ことし上半期に全国の警察が摘発した少年非行事件のうち、いじめに起因する事件は前年同期に比べ三十三件減の六十六件と、二年連続して大幅に減少したことが、警察庁の統計で分かった。検挙・補導された少年も五十四人減の百二十六人と、三割減少した。

 上半期におけるいじめに起因する事件(いじめの仕返しを含む)は、二十四年から三年連続で増加。特に二十五年は滋賀県大津市の事件をきっかけに、二十四年の六十五件から二倍以上の百四十二件と急増。昨年は五十件減の九十九件と四年ぶりに減少に転じた。

 ことしは、いじめの仕返し一件を含め六十六件と、三割以上減り、検挙・補導された少年も、五十四人減の百二十六人と三割減少。学校種別では、小学生が五人減の二十人、中学生が二十七人減の八十六人、高校生が二十二人減の二十人となり、中学生が全体の約七割を占めた。

 罪種別件数は、多い順に「暴行」二十七件、「傷害」二十五件、「恐喝」五件など。「児童買春・児童ポルノ」は同数の一件だった。

 事件のうち、インターネットを利用した事案は、二件減の一件となっている。

 一方、罪種別検挙・補導人員は、「暴行」が五十二人で最も多く、以下、「傷害」三十八人、「強制わいせつ」と「恐喝」が同数の十二人で続いた。

 被害少年の相談相手(複数回答)は、「保護者」が七一・二%(前年同期七三・六%)で最も多く、以下、「教師」が五六・一%(同四一・八%)、「警察などの相談機関」が一八・二%(同二九・七%)と続き、教師が増加した反面、警察などの相談機関が大きく減少。「友人」はわずか一・五%(同六・六%)だった。「(誰にも)相談しなかった」との回答も九・一%(同八・八%)あった。

(解説 2016-09-12付)

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