【解説】虐待通告、上半期初の2万人超え
(解説 2016-09-21付)

 全国の警察がことし上半期(一~六月)、虐待を受けている疑いがあるとして児童相談所に通告した十八歳未満の子どもは、前年同期比四二・三%増の二万四千五百十一人と、上半期の統計が残る平成二十三年以降、初めて二万人を超え過去最多となったことが警察庁のまとめで分かった。摘発件数は百三十六件増の五百十二件、摘発人数は百四十一人増の五百二十八人、被害児童は百三十七人増の五百二十三人で、いずれも十二年の統計開始以降、最多だった。

 虐待の内訳は、暴言などの「心理的虐待」が五〇・一%増の一万六千六百六十九人と全体の七割近くを占め、うち、子どもの前で配偶者や親族らに暴力をふるう「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」が五九・九%増の一万二千六百二十七人だった。ほかに、「身体的虐待」が二九・四%増の五千二十五人、「ネグレクト(育児拒否)」が二五・四%増の二千六百八十八人、「性的虐待」が三七・二%増の百二十九人。

 加害者が検挙された事件では、五百十二件のうち、「身体的虐待」が三五・二%増の四百十五件で最も多く、「性的虐待」が二〇・七%増の七十件で続いた。

 容疑別では、「傷害」が二百二十一件で最も多く、「暴行」が百五十九件、「殺人(未遂を含む)」が二十六件、「児童福祉法違反」が二十五件など。殺人などで六人多い十九人の子どもが死亡した。

 加害者と被害者の関係をみると、「実父」が二百二十三人で最多。以下、「実母」が百三十七人、「養・継父」七十九人、「内縁の父」が五十七人など。

 一方、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の送致件数は一千四百二十二件、送致人数は一千八十一人で、いずれも過去最多となった。被害児童も過去最多の一千九十八人にのぼった。

(解説 2016-09-21付)

その他の記事( 解説)

【解説】メールなど独特の〝打ち言葉〟浸透

 電子メールで絵文字を使ったことがある人は五六・一%にのぼり、男性(四三・七%)より女性(六七・六%)が多いことが、文化庁の二十七年度「国語に関する世論調査」で分かった。(笑)(汗)(怒)な...

(2016-09-29)  全て読む

【解説】 子どもに対する前兆事案―8月末

 道警本部は、「子どもに対する前兆事案の届出受理状況」をまとめた。八月末時点で、前年同期に比べ百六件少ない六百十六件を受理した。  前兆事案とは、子ども(十三歳未満)を対象とする性犯罪など...

(2016-09-28)  全て読む

【解説】「ら抜き」初の多数派―国語世論調査

 いわゆる「ら抜き言葉」のうち、「見れた」「出れる」を使う人の割合が、正しい使い方である「見られた」「出られた」を上回ったことが、文化庁の二十七年度「国語に関する世論調査」で分かった。  ...

(2016-09-27)  全て読む

【解説】 8月末の少年非行等概況―道警

 道警本部少年課は、ことし八月末における「少年非行等の概況」をまとめた。  検挙・補導された非行少年は七百九十九人(うち女子百三十五人)で、前年同期に比べ二百三十人、二二・四%減少した。 ...

(2016-09-26)  全て読む

【解説】虐待死6割超がゼロ歳児

 二十六年度に虐待(心中を除く)によって死亡した十八歳未満の子どもは、前年度より八人多い四十四人だったことが、虐待による死亡事例等を分析・検証する厚生労働省の専門委員会の第十二次報告で明らか...

(2016-09-23)  全て読む

【解説】大卒就活、来年も3年生3月―経団連

 現在大学三年生で三十年春に卒業する学生の就職活動について、経団連は、現在選考活動が進められている二十九年春入社と同じ日程にすることを正式に決定した。相次ぐ日程変更による学生の混乱を避けるこ...

(2016-09-16)  全て読む

【解説】高卒者の求人倍率6年連続上昇

 厚生労働省は、就職活動があす十六日に解禁される来春卒業予定の高校生の求人・求職状況(七月末現在)を取りまとめた。求人倍率は、前年同期を〇・二一ポイント上回る一・七五倍と、六年連続で上昇した...

(2016-09-15)  全て読む

【解説】ひきこもり、全国に54万人

 学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている十五~三十九歳の「ひきこもり」の人が、全国で推計五十四万一千人にのぼることが、内閣府が行った調査で分かった。二十二年の前回調査から十五万人...

(2016-09-14)  全て読む

【解説】学童保育の利用児童数過去最高に

 共働きやひとり親家庭などの小学生を放課後に校内施設などで預かる学童保育(国の施策名は放課後児童クラブ)の利用児童数がことし五月一日時点で、前年比五万九千百四十二人増の百七万六千五百七十一人...

(2016-09-13)  全て読む

【解説】上半期いじめに起因する事件―警察庁

 ことし上半期に全国の警察が摘発した少年非行事件のうち、いじめに起因する事件は前年同期に比べ三十三件減の六十六件と、二年連続して大幅に減少したことが、警察庁の統計で分かった。検挙・補導された...

(2016-09-12)  全て読む