未来切り拓く能力育もう　道社連が第７１回研究大会

（関係団体 2016-11-10付）

次期学習指導要領を見据えた授業実践の在り方を考えた

　【旭川発】道社会科教育連盟（＝道社連、山岸徹委員長）は十月二十八日、旭川市立神楽岡小学校（井上淳子校長）で第七十一回道社会科教育研究大会を開催した。道社連研究主題「自ら参画し、たくましく生き抜く北国の子の育成～未来を切り拓く資質・能力を育む社会科学習」のもと、公開授業や分科会を実施。約四百人の参加者は本道の社会科教育の充実に向け研鑚を積み、次期学習指導要領を見据えた授業実践の在り方について考えた。

　道社連では、本年度から三ヵ年計画で同研究主題を設定。次期学習指導要領においては、社会に開かれた教育課程が重視されていることから、「地域に誇りをもつ教材開発」「社会的事象の意味を明らかにする問題解決」「学びを支える知識・技能の定着」の三点を追究することを目指した。

　同大会を主管する旭川市教育研究会社会科研究部では、道社連研究主題を踏まえ、本年度から三ヵ年計画で、「子どもにとって学びがいがあり、未来につながる社会科学習の構築～進んで学び、ともに考え、社会とかかわる子どもの育成」を研究主題に掲げた。

　研究内容は、「子どもが社会とのかかわりを深める教材開発」「子どもが主体的・協働的に追究する学習展開」の二点とした。小・中七年間を見通した、身に付けるべき知識・技能の明確化をはじめ、単元構成、授業展開、資料の作成・提示などを工夫した。

　開会式では、山岸委員長と大会運営委員長を務める旭川市立緑が丘小学校の佐藤智昭校長があいさつ。山岸委員長は「小・中学校から高校、大学へと見据える中で、小中で身に付けるべき力を探り、そのために社会科があるべき姿を議論することが求められている。主体的に社会に参画する大人を育成していくため、大会で社会科の今後の方向性を探ってほしい」と呼びかけた。

　佐藤校長は「社会への関心を高め、学び合う子どもの育成に向けた研究実践を交流し、あすからの社会科教育の充実に役立ててほしい」と述べた。

　来賓あいさつでは、上川教育局の小野寺一郎局長と旭川市教委の小池語朗教育長が登壇。社会科が〝実社会での課題を解決する力を高める教科〟との認識を示し、大会が全道各地の社会科教育の充実・発展につながるよう期待を寄せた。

　つぎに、道社連の研究部長を務める札幌市立あいの里西小学校の日野澤佳史教諭、大会推進部長で旭川市立陵雲小学校の田村貴史教諭が研究発表した。

　全体会後、小学校で四授業、中学校で三授業を公開。また、授業検討や各分科会での提案発表を行い、参加者は研究の充実に努めた。

　このあと、文部科学省初等中等教育局の澤井陽介視学官が「次期改訂を視野に入れた社会科の授業づくり」と題して講演した。

(関係団体 2016-11-10付)