道性教育研究会が函館・渡島大会　意図的・計画的な指導を　かかわり重視した授業構築へ

（関係団体 2016-11-21付）

児童生徒同士のつながりをキーワードに、生きる力を培う性教育の在り方について理解を深めた

　【函館発】道性教育研究会（蛯名嘉津夫会長）は十一日、函館市立柏野小学校で第四十五回研究大会函館・渡島大会を開催した。約百人が参加。児童生徒同士のつながりをキーワードに、生きる力を培う性教育の在り方について理解を深めた。

　大会主題は、「生きる力を育む性教育を目指して～友だちとのかかわりを大切にした授業の構築を目指して」。函館市性教育研究会と渡島性教育研究会が主管。

　道性教育研究会では、情報化社会の進展に伴う過剰な性情報の氾濫や価値観の多様化といった性に関する現状を受け、児童生徒の性意識や性行動に歯止めがきかないまでにエスカレートする事態を危惧。学校においては生理的な側面から生命の尊さに気づかせるとともに、「人間尊重に根ざした異性尊重の意識と感情」「明るく楽しい家庭生活・社会創造の精神」を養うことをねらい、「生きる力」育成の一翼としての性教育推進を図ってきた。

　また、函館市性教育研究会は、「男性、女性としての自己の認識を明らかにする」「人間尊重・男女平等の精神に基づく男女の人間関係を築くようにする」「家庭や社会の一員として必要な性に関する基礎的・基本的な事項を習得する」との基本目標に沿って研究を進めてきた。

　当日、会場では柏野小三年生のほか、湯川小学校六年生、赤川中学校二年生の計三授業を公開するとともに、研究協議を実施した。

＝公開授業の様子は後日掲載＝

　開会式であいさつに立った蛯名会長は、性に関する課題が山積している現状にふれながら、学校における性教育の重要性を強調。「学校教育全体を通して、教科、道徳の時間、総合的な学習の時間、特別活動との関連を図り、意図的・計画的に指導・実践することが大切」と呼びかけた。

　また、渡島教育局の辻俊行局長、函館市教委の山本真也教育長が祝辞を述べた。

　このあと、函館短期大学の藤井壽夫教授が「性とネット～子どもたちを性被害から守るために」、東京学芸大学教育学部の渡邉正樹教授が「次期学習指導要領とこれからの性教育」と題して講演を行った。

(関係団体 2016-11-21付)