異業種体験で成長実感! 札幌市教委の教員長期社会体験研修―参加者に聞く①
(市町村 2016-11-30付)

市教委長期社会体験・千葉教諭仕事風景
ドーレくんと幼稚園・学校などを訪問。子どもが楽しめるよう細かく気配りした

 札幌市教委が実施している教員長期社会体験研修。本年度は、澄川小学校の千葉珠紀教諭、緑丘小学校の香取晴子教諭の二人が約六ヵ月間にわたり、㈱コンサドーレのホームタウン事業部、札幌市円山動物園で研修してきた。教職では得られない経験を積んだ二人に、研修の成果などを聞いた。

◆情報収集への姿勢に感銘 コンサドーレ札幌J1昇格の裏で奮闘~澄川小・千葉教諭

 ことし五年ぶりにJリーグの一部昇格を果たした北海道コンサドーレ札幌。サッカーに関する活動にとどまらず、地域行事への参加、幼稚園・学校訪問、環境保護活動など子どもたちの健やかな成長や地域の活性化につながる取組を行っている。千葉教諭は、運営会社の㈱コンサドーレのホームタウン事業部で、裏方として様々な仕事に取り組んだ。

 千葉教諭は小学校に十数年間勤務。学校以外の接点がない中で、児童から保護者の仕事内容を聞き、「同事業に参加し、異業種の仕事を経験することで保護者の目線に立った教育ができるのではないか」と考えたという。

 研修では、主に幼稚園・学校訪問や、スポンサーのイベントに参加する選手・マスコットキャラクターのドーレくんの世話役のほか、ホームゲームの会場設営などを行った。

◇ドーレくんをお世話

 特に、研修の中心となった世話役では、幼稚園や保育園、小学校等の応募に基づいてスケジュール調整や連絡などを担当。事前の打ち合わせではドーレくんの動線確保や、プログラムについて確認した。

 また、ドーレくんは喋れないことから、その魅力・親しみやすさを伝えるため、好きな物や趣味といったドーレくんのプロフィールを覚えるなど事前の準備を徹底した。

 幼稚園・学校訪問の際には、小学校教員の経験を生かし、子どもの目線に立って応対。ドーレくんに親しみをもってもらえるよう、「ドーレくんと一緒に写真を撮ろうか」などと優しく声をかけたほか、ドーレくんを怖がって泣いてしまった子どもには、小さなドーレ君の人形を取り出し、安心させるなど細かい気配りをみせた。

 このほか、地域のお祭りスタッフとして会場設営、町内会の清掃活動などに参加。豊かな社会づくりに向けた活動に取り組んだ。

◇お客様目線の経営

 企業として、はっきりとした金額や観客動員数など結果が求められるシビアな面があるものの、「地域貢献活動などコンサドーレはサポーターのことを考える〝お客様目線〟で経営を行っている。私たち教職員も子どもたちを第一に考え、楽しく勉強できるよう、子どもの目線に立っている」と話すなど、あらためて子どもの目線に立つ大切さを実感したという。

 また、報道対応など会社の対応力・適応力の速さのほか、北海道コンサドーレ札幌として、魅力発信やサービスの向上のため、情報を収集する姿に目を見張った。「自分自身に足りない部分と感じた。目の前のことだけではなく、社会の情報をおろそかにしないようにしたい」と意気込む。

 また、元日本代表の稲本潤一選手の付き添い役を務めた際、子どもたちに向けて話した、「誰もが夢をかなえられるわけではないが、あきらめたら夢はかなわない。あきらめずに努力してほしい」という言葉が印象に残っているという。「夢をあきらめずに努力する大切さを子どもたちに伝えたい」と話している。

(市町村 2016-11-30付)

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