メンタルヘルスを高める職場のコミュニケーションづくり №15 保護者との信頼関係を築くかかわり②
(メンタルヘルス 2016-12-06付)

メンタルヘルス15
保護者の気持ちを理解するため、事前打ち合わせを行い、安易な言動で誤解を招かないことが大切

 保護者と信頼関係を深めるためには、日常どのようなことに留意し、準備するべきかを説明します。

◆電話は内容の把握と会う日時を決める

 電話対応はお互いの顔や態度が見えず、言葉だけのやり取りとなります。その結果、やりとりが感情的になりやすく、苦し紛れに不適切な言葉を発するなどして、解決を困難にさせてしまうことがあります。極力、電話は避け、直接お会いすることが、誤解を招くこともなく相手の側に立った対応が可能となります。

 また、電話では、余裕をもって適切な対応を図るため、どのようなことについて、どう感じているかを聞くだけにし、その後、面談する日時と場所を決めます。

 場所については謝罪しなければならない場合を除き、学校で話をすることを原則とします。その場合、母親一人で来校するのか、父親を伴うのか確認します。保護者によっては、近所の保護者や友人を応援団として伴って来校する場合もありますので、その可能性がある場合は「お話は息子さんのことですので、ご両親の範囲で来校してください」などと前もって話しておくことが重要です。

◆保護者と面談をする前に必要な内容

 子どもが教職員にしかられると、子どものためと考える保護者がいる反面、教師に怒りを感じる方もいます。このように、出来事に対する反応は人によって様々です。保護者対応で最も重要なことは、保護者をクレーマーとしてのレッテルを貼り批判するのではなく、信頼関係を築くため、教職員と保護者の感じていることの違いを正確に分析し理解することです。この違いが理解できると、対応の方法や言葉のかけ方がより確かなものとなります。

 また、保護者との面談の際、教職員の対応者は保護者の人数プラス一人が原則です。保護者が一人の場合は対応する教職員は二人となります。プラス一人の教職員は、「言った、言わない」などの混乱を避けるため面談の内容をメモし、必要に応じて意見を述べるようにします。

 また、面談は、該当の教職員のメンタルヘルスの保持のためにも、個別対応をさせることがないよう学年や関係の教職員、場合によっては管理職も交え、学校内の協力関係を高めながら対応を進めるようにします。

◆二次的な怒りを防ぐ

 子どもへの指導を巡る問題のはずが、話し合いを進めていくうちに、保護者は教職員の不誠実な言動や対応に怒りを感じ、そのことが当初の問題よりも、大きな問題になってしまうことがあります。

 保護者との面談では、保護者の気持ちを理解し安易な言動に十分に注意をしながら話し合いを進めることが大切です。安易な言動で保護者の誤解を招かないためには、行き当たりばったりの対応をするのではなく、事前打ち合わせを行うことです。

 事前打ち合わせの内容は、事実とその経緯に対する保護者の考えを把握し、学校と保護者の考え方の相違点や今後に向けての同意点などです。

 さらに、態度や言い方を問題にされないようにするため話の聴き方や、説明の仕方なども事前に確認する必要があります。

(公立学校共済組合北海道支部学校支援アドバイザー・石垣則昭)

(メンタルヘルス 2016-12-06付)

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