メンタルヘルスを高める職場のコミュニケーションづくり №11 児童生徒との信頼関係を深めるかかわり①(メンタルヘルス 2016-09-28付)
児童生徒との信頼関係構築へ、時代に即した対応を学び続ける必要がある(写真はある学校の校内研修会)
変わりゆく子どもたちの様子と、そのかかわりの難しさについてよく聞かされます。また、そのような子どもたちを目の当たりにし、過去から積み上げられた指導が否定されたかのような戸惑いが、教育活動を進める上での不安や悩みとなりメンタルヘルスに影響を与えています。
そのようなときは、教師の指導そのものが否定されているわけではなく、時代とともに変わりゆく子どもたちに適応しなければならない課題ととらえ、様々な研修の機会をもち、自己啓発的に学びを進めることが大切です。
教育は言うまでもなく、人と人が織りなす活動であり、すべてがコミュニケーションを通して行われます。今号と次号では、自身の教育力を高め、メンタルヘルスを損なわないための児童生徒とのかかわり方を説明します。
◇ ◇ ◇
①子どもの良さに日ごろから目を向ける
日ごろから肯定的に子どもを観察し事実を励ます
②共感し具体的なメッセージを与える
何処がどのようによいのか共感しながら励ます
③「できる・できない」にこだわらない
自主性や自律性などの社会性を励ます
④目標をもたせ、その努力の過程を励ます
他と比べることなく、目標達成のための努力の過程を励ます
◇ ◇ ◇
◆ほめて認め、励ますことの大切さ
日本の学校は諸外国に比べ、「よくできたね」「すばらしいね」など、子どもたちが教師から、ほめられたり励まされたりする機会が少ないという残念なデータがあります。
ほめられ、励まされたことがあったとしても、体育大会、学校祭、テストなどの行事や部活動でのことが多く、それも特定の児童や生徒に限られているという結果になっています。
さらに、一部の教師には、「ほめることは甘やかしであり、子どもは、厳しく指導するべきである」という思い込みがあります。
ほめて認めることも、厳しく指導することも、子どもたちへの励ましでなければなりません。厳しく指導することが、子どもたちを服従させる手段となり、教師側の指導のしやすさのためであれば、本当の意味で子どもたちとの信頼関係を築くことはできません。そればかりか、教師に対する反発も増えてしまいます。
ほめて認め励ますことは、子どもたちを前向きにさせる心のエネルギーを送ることです。子どもたちのやる気につながるメッセージのため、つぎのような内容に留意する必要があります。
教職員の中には、自身がこれまで育った経験によって、叱咤(しった)し続けることが子どもたちを育てるために必要であると言われる方がいます。特に、部活動の指導にこの傾向がみられますが、行き過ぎた指導は子どもたちを沈黙させ、萎縮させてしまいます。
教職員の子どもたちへの言動は、重大で大きな影響を与えることを自覚しなければなりません。
(公立学校共済組合北海道支部学校支援アドバイザー・石垣則昭)
(メンタルヘルス 2016-09-28付)
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