メンタルヘルスを高める職場のコミュニケーションづくり №7 円滑なコミュニケーションは日常のストロークづくり(メンタルヘルス 2016-07-29付)
肯定的なストロークが多く交わされる職場では、人間関係が安定し、メンタルヘルスを高めることができる
ストロークとは、コミュニケーションの基本であり、「人とのやりとり」や「交流」を言います。また、ストロークは心の病を予防し、心を元気にするエネルギー源とも言われています。
例えば、相手への「おはようございます」の笑顔のあいさつは、「おはようございます」の言葉と笑顔のストロークを送ったことになります。それを受け、相手が穏やかな笑顔で返してくれると、言葉と穏やかな笑顔のストロークを受け取ったことになります。このようにストロークは、「送るストローク」「受けるストローク」から成り立っています。
「ありがとう」や「感謝しているよ」「〇〇さんのお陰です」など、互いに肯定的なストロークを送ることができるようになると人間関係は安定し、メンタルヘルスは高まります。
◆人はストロークを求めている
人は、心の安定のためストロークを求め合います。しかし、自分にストロークが向けられていないと感じると、自分がないがしろにされていると思い、反発するなど歪んだかたちでストロークを相手に送り注目を引こうとします。
また、人に嫌なことを言われると、自分を否定したと思い、その人とのストロークを途切れさせたり拒否したりします。しかし、相手は振り向いてもらいたくて、嫌なストロークを投げかけているのかもしれません。嫌わずに、肯定的なプラスのストロークを投げかけ、相手の心を満たすことで、あらためて円滑な人間関係を築くことができるようになります。
◆ストロークはストロークを呼ぶ
「何をやっているのか」「また失敗したのか」「何度言ったら分かるのか」など、否定的でマイナスのストロークを送ると、相手は自分はだめな人間だというストロークを受け取ることになり、メンタルヘルスを低下させ、やがてマイナスのストロークを送り返すようになります。
また、無視をするなどの態度も同様です。結果的に相手との関係が悪化し、職場全体の雰囲気にも影響を及ぼすことがあります。
逆に、職場全体が「いつもありがとう」「うれしいね」など、肯定的なプラスのストロークを送り合うことができると、職場の人間関係は融和的、協力的となり、メンタルヘルスを損なう人はみられなくなります。
職場のリーダーにありがちですが、「きついことを言うのは、自分のクセだから」とか、「優しい言葉は、自分のガラではないから」などと言いながら、マイナスのストロークの投げかけが多い人は、周りを不愉快にし自分のメンタルヘルスも傷つけてしまうことになります。
「よくやっているね」「いい仕事ありがとう」「君のお陰だよ」など、プラスのストロークを多く送ることができる職場のリーダーは、自分や他人の心のエネルギーを蓄えながらメンタルヘルスを高め、職場の人間関係を安定させることができます。
(公立学校共済組合北海道支部学校支援アドバイザー・石垣則昭)
(メンタルヘルス 2016-07-29付)
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