メンタルヘルスを高める職場のコミュニケーションづくり №6 教職員のメンタルヘルスを高めるリーダーのコミュニケーション③(メンタルヘルス 2016-07-13付)
人材育成には、褒めるだけではなく、ときには指摘し、叱る必要がある。感情的にならず、状況を把握し、的確な指導とすることが大切である
学校のリーダーの役割は、言うまでもなく次代の北海道の教育を担う人材育成にあります。人材育成のためには、ほめて認めることばかりではなく、指摘し叱ることも当然必要です。しかしここで大切なのは、ほめて認めることと叱ることのねらいは、自信をもって教育活動を進めることができるようになるためにあります。今号では、「ほめて喜ばれ、叱って感謝され」のため、特に難しいといわれる叱り方について説明します。
◆教職員を育てる叱り方
①感情をコントロールする
叱り方で一番大切なことは、感情的にならないことです。しかし、なかなか改善できない教職員に対して、つい言葉を荒げ感情的になってしまいやすいのですが、面談をする前に「相手を育てるため」と自分に言い聞かせ心をコントロールすることです。つぎに、「相手が理解し改善できるようにする」ことが目的であり、それを相手の立場に立ってどう伝えるかを考えます。
また、カーッと感情的になると、相手の嫌な感情につかまりやすくなりますので、間髪入れず叱るのではなく、「一呼吸置き」冷静さを取り戻してから話すようにします。感情的になると正しい理屈も通りませんし、押されれば押し返そうとするのが感情です。もしも相手が感情的なってしまった場合は、自分も感情的になるのではなく、「なぜそう考えるのだろう」などと考えながら話を聴くようにします。
◆マナー、ルール違反を叱る
マナー、ルール違反は本人の性格ではなく、「行動や事実」を具体的に指摘することです。本来、マナー、ルール違反は教職員の規律順守の手前、全体の場で叱るようにしますが、相手の能力や性格を考慮し、別室に呼んで叱ることも必要です。叱り方は、「よい点を認める」⇒「違反を具体的に指摘する」⇒「今後に向けての期待を話す」形が基本です。
◆間違いを叱る
間違いを叱る場合は、相手がなぜそのような行動をとったのか、その状況を把握しなければなりません。状況を把握しないまま叱ると、決めつけや一方的であるととらえられ、感情的になることがあります。
叱り方の基本は、①どこを改めるか具体的に指摘する②正しいやり方やそうすることの大切さを説明する③今後に向けて励ましフォローする。
また、これ以外に主体性や自律性を高めるためつぎのような叱り方もあります。
ア 何があったのですか(今回のことで報告を受けましたが、どんなことがあったのですか)
イ 何を考えてそう行動したのですか
ウ あらためて考えてみると、どう考えどう行動すればよかったと思いますか
エ このことで誰に心配や迷惑をかけましたか
オ 問題の解決に向けて何をする必要がありますか
(公立学校共済組合北海道支部学校支援アドバイザー・石垣則昭)
(メンタルヘルス 2016-07-13付)
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