28年度全国体力等調査結果―スポーツ庁 小中・男女ともに改善 「握力」などは全国以上に(道・道教委 2016-12-16付)
本道の児童生徒の体力・運動能力は、小中・男女ともに、依然として全国平均を下回っているものの、前年度に比べて全国との差が縮まっている。スポーツ庁が十五日に公表した「二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果から、こうした状況が明らかになった。実技では、小学校男女の「握力」「ソフトボール投げ」、中学校男子の「握力」で全国を上回ったほか、小学校八種目中の男女五種目、中学校九種目中の男子四種目、女子七種目で、全国との差を縮めた。道教委は、市町村教委や学校の取組の成果が現れているとみており、学校・家庭・地域・行政が一体となった取組を一層推進する考え。=表参照=
同調査は、児童生徒の体力・運動能力の向上にかかる施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることなどが目的。
小学校・特別支援学校小学部・義務教育学校前期課程の五年生、中学校・中等教育学校・特別支援学校中学部・義務教育学校後期課程の二年生を対象に、ことし四月から七月までの期間、悉皆で実施した。
本道では、小学校一千八十二校に在籍する四万二百四十四人、中学校六百三十二校に在籍する四万一千二百七十一人が参加。
①握力②上体起こし③長座体前屈④反復横とび⑤二〇㍍シャトルラン(中学校は持久走との選択)⑥五〇㍍走⑦立ち幅とび⑧ソフトボール投げ(中学校はハンドボール投げ)―の実技に関する調査のほか、質問紙調査(児童生徒、学校、教育委員会)を行った。
実技調査結果から、各種目の得点を合計した体力合計点(八〇点満点)をみると、小学校の男子が五三・〇一点、女子が五四・〇四点、中学校の男子が四〇・四九点、女子が四五・七二点。
小中・男女のいずれも、全国平均を下回った。しかし、昨年度と比較すると、小学校の男子で〇・二二ポイント、女子で〇・一二ポイント、中学校の男子で〇・一五ポイント、女子で〇・四一ポイント改善し、全国との差を縮めた。
種目別では、小学校男女の「握力」「ソフトボール投げ」、中学校男子の「握力」で全国を上回った。
小学校の八種目中、男女ともに五種目、また、中学校九種目中、男子が四種目、女子が七種目で、全国との差を縮めた。
児童生徒質問紙調査では、「運動やスポーツをすることが好き」と回答した児童生徒が、小中・男女ともに全国を上回った。
一方、「運動部(部活動)やスポーツクラブに入っている(所属している)」「家の人から運動やスポーツを積極的に行うことを勧められることがよくある」「授業の最後に、きょう学んだ内容を振り返る活動を行っている」と回答した児童生徒は、小中・男女ともに全国を下回った。
「授業の始めに授業の目標(めあて・ねらい)が示されている」も、全国より低いが、前年度から伸びをみせた。
学校質問紙調査では、「児童生徒の体力・運動能力の向上のための学校全体の目標を、学年としての目標と別に設定している学校」「児童生徒の家庭に対して、子どもの体力向上にかかる説明・呼びかけ等を行っている学校」が、小中ともに全国を上回った。
「新体力テストを調査対象の学年以外でも実施している学校」は、全国より低いものの、前年度よりも改善された。
◆関係者一体で取組推進―道教委・柴田教育長コメント
二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の本道の状況は、依然として、各種目の得点を合計した体力合計点が小中・男女いずれも全国平均を下回っているが、昨年度に引き続き、体力合計点が小中・男女いずれも上昇し、多くの種目で全国との差が縮まっており、市町村教委や学校における体力向上の取組の成果が、改善の傾向として表れてきているものと受け止めている。
道教委では、本道の子どもたち一人ひとりに、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、体力の向上を図るため、二十九年度までに「全国調査における本道の子どもたちの体力合計点が全国平均を上回ること」を目標としているところであり、今後は、来年二月を目途に管内別の状況や総合評価の割合など、同調査結果を分析し、明らかとなった課題を踏まえながら、学校・家庭・地域・行政が一体となった体力向上に向けた取組を一層推進し、目標の実現に向けて取り組んでいく。
教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんの理解と支援をいただくよう、よろしくお願い申し上げる。
(道・道教委 2016-12-16付)
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