子ども民俗芸能振興事業 神楽や獅子舞など披露 道教委が道央ブロック発表会
(道・道教委 2016-12-21付)

民俗芸能恵庭岳太鼓
恵庭市「恵庭岳太鼓」

 道教委は十八日、東京ドームホテル札幌クレストホールで「ほっかいどう子ども民俗芸能振興事業」道央ブロック成果発表会を開いた。石狩・空知・後志管内の子どもたちが、神楽や獅子舞、太鼓といった地域の伝統芸能を披露した。

 同事業は、子どもたちに、地域に伝わる民俗芸能にふれる機会を提供することで、興味関心や郷土愛を育むとともに、次代を担う後継者の育成や民俗芸能の振興を図ることが目的。

 道内を三ブロックに分け、二十七年度から三ヵ年で行っている。各ブロックでは、管内ごとに、民俗芸能の初歩的な所作体験、道内での歴史や伝承元となった道外の民俗芸能にかかわる講話などを行う小・中学生対象の講座を開講。子どもたちは、芸能団体会員から指導を受け、民俗芸能の練習を重ねた。

 本年度は、石狩・空知・後志管内の道央ブロックで実施。後志管内は小樽市「松前神楽」、空知管内は美唄市「峰延獅子舞」、石狩管内は恵庭市「恵庭岳太鼓」にそれぞれ取り組んだ。

 「松前神楽」は、能楽・舞楽で構成された神事芸能。「湯立の儀式」と舞楽を合わせ三十三神事にわたる大神事で、歴代の松前藩主は、松前神楽を神職の必修科目として奨励したと言われる。起源は定かではないが、延宝二(一六七四)年ころ、松前藩の公式行事として執り行われたという。

 「峰延獅子舞」は、明治三十(一八九七)年、富山県から美唄市峰延町峰樺に移住した宮浦喜太郎氏が、ふるさとの獅子舞を再現しようと地域の人々に教えたのが始まり。現在は、美唄市の無形文化財に指定されている。

 「恵庭岳太鼓」は、恵庭市内のどこからでも見ることができる恵庭岳にちなんで命名。昭和五十九(一九八四)年、青少年の健全育成や文化の振興、商工業の発展を願い、恵庭を象徴する郷土芸能として創設された。現代的で躍動感あふれる振り付けとなっている。

 この日の発表会では、柴田達夫教育長が開会あいさつ。「きょうは、三市の小・中学生に、それぞれの伝統芸能を披露してもらう。皆さんは、それぞれの伝統芸能の歴史を学んだ上で、この数ヵ月、たくさんの練習をして、この舞台を迎えたと聞く。きょうは、皆さんの大好きな家族や友達が幸せであるようにという願いを込めて、今までの練習の成果を出せば、きっとうまくいく。最高の演技を期待している」と子どもたちにエールを送った。

 そのあと、鶴羽佳子委員の司会進行で、それぞれの伝統芸能の成り立ちや見どころなどを紹介しながら、子どもたちが舞や太鼓などを披露した。

 会場には、関係者や保護者など二百人以上が来場。子どもたちの発表に、「迫力があった」「みんなの頑張りが伝わってきた」などと感想を話していた。

 発表後は、それぞれの芸能の保存会会員の指導で、お互いの芸能を体験し合い、交流を深めた。

 閉会式では、中村隆信委員が講評。「美しく、迫力があり、完成度も高く、素晴らしい発表。地域の歴史や文化、伝統がよく現れていた」と述べた。

 発表会終了後、柴田教育長は「子どもたちが地域の伝統を引き継いでいくことで、これからの地域を支えていくことにもつながる。来年度も楽しみ。ぜひ応援していきたい」と話していた。

(道・道教委 2016-12-21付)

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