高校教育に関する新しい指針 新年度作成へ作業本格化 〝3つの指針〟に基づき検討―道教委
(道・道教委 2017-01-04付)

 道教委はことし、高校教育に関する新しい指針の作成作業を本格化する。「活力と魅力のある高校づくり」「経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり」「地域とつながる高校づくり」の〝高校づくりの三つの視点〟に基づいて検討を進め、二月に骨子案、六月に素案、八月には案を作成。パブリックコメントなどを通して、道民から聴取した意見を踏まえ、二十九年度末には、新しい指針を作成する。

 道教委は十八年八月、「新たな高校教育に関する指針」を策定し、未来を担う人材を育むための高校教育の基本的な考え方と施策の方向性を提示。それに基づいて二十年度から、教育内容の改善・充実や教職員の資質能力向上、高校配置など、各種施策を進めている。

 しかし、人口減少社会への対応や地方創生の観点から、地域の教育機能を確保することが求められるとともに、高校教育を取り巻く状況に大きな変化がみられることから、指針に基づく施策の成果と課題を検討。二十八年十月に『検証結果報告書』をまとめ、新たな対応や改善が必要な内容が多いことから、「新しい指針を作成する」と結論づけた。

 ただちに、新しい指針作成に向けた検討に入り、同月に開かれた第四回道教育推進会議でも、指針作成にかかわり、本道における小規模校の在り方について、集中審議を行った。

 また、作成作業を進める上で、有識者から意見を聴取するため、同会議に高校教育専門部会を設置。この専門部会も、十二月から審議をスタートした。

 作成に向けた検討に当たって、視点に置いているのは、「活力と魅力のある高校づくり」「経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり」「地域とつながる高校づくり」の〝高校づくりの三つの視点〟。

 このうち、「活力と魅力のある高校づくり」に向けては、一学年四~八学級の学校規模を基本とし、総合学科や単位制、普通科フィールド制について、それぞれの設置・導入の趣旨や成果、課題を踏まえ、特色を生かしながら、その機能を一層発揮できるよう教育内容の充実を図るとともに、新たな設置・導入の考え方を検討する。

 また、中高一貫教育について、連携型中高一貫教育を行っている高校の小規模化が進む中、中学校との連携の在り方や、併設型の設置の可能性を含めた在り方を検討する。

 「経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり」に向けては、職業学科について、地域の関係機関、産業界などと連携を深め、望ましい教育環境のもと、実践的な教育活動を推進するとともに、産業技術の進展や地域産業の特性等を踏まえた学科構成を検討する。

 「地域とつながる高校づくり」に向けては、地域の教育機能の維持向上の観点や高校が地域で果たしている役割などを踏まえ、通学困難地域を抱え、地元からの進学率が高い地域キャンパス校について、ICTの活用など、教育環境の充実に向けた取組を推進するとともに、再編基準の緩和に向けた具体的人数要件を検討する。

 また、地域とともにある学校づくりを推進するため、コミュニティ・スクールの導入促進について検討する。

 道教委では、二十八年十二月に実施した「高校教育に関する意向調査」の分析を踏まえ、二月ころに新しい指針の骨子案を作成。道教育推進会議高校専門部会などで検討を重ねながら、六月に素案、八月に案を作成し、教育委員会に報告。

 パブリックコメントや道内十九会場での意見を聞く会で道民の意見を聴取後、案を修正し、三十年三月には、新しい指針を教育委員会決定する考え。

(道・道教委 2017-01-04付)

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