地域の伝統を次世代へ 子ども民俗芸能振興事業―道教委
(道・道教委 2017-01-04付)

P1-1黒田・初刷カタ・小樽市「松前神楽」
小樽市「松前神楽」

 子どもたちに、地域に伝わる民俗芸能にふれる機会を提供し、その振興を図る。そのようなねらいのもとに、道教委が進める「ほっかいどう子ども民俗芸能振興事業」が二十九年度、三ヵ年事業の最終年度を迎える。二十七年度は道南、二十八年度は道央の二ブロック、七管内で実施。二十九年度は道北・道東ブロックの七管内で行い、地域で受け継がれてきた伝統や思いを若い世代に託す。

 同事業は、子どもたちに、地域に伝わる伝統芸能にふれる機会を提供することで、興味関心や郷土愛を育むとともに、次代を担う後継者の育成や民俗芸能の振興を図ることを目的に、二十七年度から三ヵ年計画でスタート。

 小・中学生を対象に講座を実施。地域に伝わる民俗芸能の初歩的な所作体験、道内での歴史や伝承元となった道外の民俗芸能に関する講話などを行い、子どもたちの民俗芸能への興味関心や郷土愛を育成する。

 その成果は発表会で披露するとともに、報告書にまとめる。

 二十七年度は、道南ブロックの渡島・桧山・胆振・日高管内で実施。渡島は松前町「江良八幡神社杵振舞」、桧山は江差町「江差追分踊り」、胆振は苫小牧市「勇払千人隊御会所太鼓」、日高はえりも町「襟裳神楽」に取り組んだ。

 講座や成果発表会を通じて、「子どもたちにとって、貴重な経験となったし、自信になった」「自らの芸能を披露したり、体験することで、保存伝承への意識が芽生えた」などの成果のほか、「今後は、活動の場を広げたい」「これからも事業を継続してほしい」などの抱負や意見も挙げられた。

 二十八年度は道央ブロックの石狩・空知・後志管内で実施。石狩は恵庭市「恵庭岳太鼓」、空知は美唄市「峰延獅子舞」、後志は小樽市「松前神楽」に取り組み、成果発表会で披露した。

 発表会は昨年十二月十八日、東京ドームホテル札幌で開催。子どもたちは、芸能の指導に当たった恵庭岳太鼓保存会、峰延獅子舞保存会、松前神楽小樽ブロック保存会の会員が見守る中、関係者や家族などに練習の成果を披露した。

 それぞれの地域の民俗芸能に挑む子どもたちに、司会進行を務めた道教委の鶴羽佳子委員は「発表に臨む姿がりりしく、大人に見えた」と感想を。

 中村隆信委員も、「美しく、迫力があり、完成度も高く、素晴らしい発表。地域の歴史や文化、伝統がよく現れていた」と講評。

 観客からの「迫力があった」「みんなの頑張りが伝わってきた」などの感想や、保存会会員からの「最高だった」という評価に、子どもたちは笑顔を見せた。

 柴田達夫教育長は「来年度も楽しみ。ぜひ応援していきたい」と期待を寄せた。

 二十九年度は道北・道東ブロックの上川・留萌・宗谷・オホーツク・十勝・釧路・根室管内で実施する。新年度に向け、管内ごとに子どもたちが取り組む芸能の選定に入る。

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P1-2黒田・初刷カタ・恵庭市「恵庭岳太鼓」
恵庭市「恵庭岳太鼓」
P1-3黒田・初刷カタ・美唄市「峰延獅子舞」
美唄市「峰延獅子舞」

(道・道教委 2017-01-04付)

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