道教委道徳教育パワーアップ研究協議会道東会場 〝考える道徳〟へ改善を 読み物指導は工夫が重要(道・道教委 2017-01-20付)
田邊氏は心で受け止める道徳授業の創造を呼びかけた
【釧路発】道教委は十三日、釧路センチュリーキャッスルホテルで二十八年度北海道道徳教育パワーアップ研究協議会(道東会場)を開催した。道東地域の小学校、中学校、特別支援学校の道徳教育の推進を主に担当する教諭等七十三人が参加。学習指導要領の一部改正や北海道の道徳教育推進上の課題などを理解するとともに、道徳教育に関する指導内容・方法等の改善に向けた協議・演習等を通して道徳教育の実践力を身に付けた。
本年度の道徳教育に関する研究協議会の参加については、道内すべての小・中学校の教員一人が、近隣地域で開催される授業公開・実践発表に参加するか、全道四会場で夏と冬に開催するパワーアップ研究協議会に参加するかを選択することとなっており、今回は冬のパワーアップ研究協議会に当たる。
はじめに、道教委学校教育局義務教育課の田口範人指導主事が「北海道の道徳教育の現状と課題」について説明。「道徳の教科化」に向けたこれまでの経過と今後のスケジュールを示すとともに、道徳性に関する本道の児童生徒の実態として、「自分の良さを伸ばしている」「より高い目標を立て、くじけずに努力してやりぬいている」「物事を深く考え、新しいものを生み出す努力をしている」などの点に弱さがあり、「自分自身に前向きでないことが課題」と指摘した。
また、北海道の道徳の授業について、「読み物資料の登場人物の心情の読み取りに終始したり、教師の一方的な指導や一問一答を繰り返すなど、児童生徒が自分自身についてより深く見つめたり、自己の生き方について深く考えたりすることができない授業がみられる」と述べ、「道徳の教科化」に向けて、「読み物道徳」から「考える道徳」、「押し付け道徳」から「考える道徳」に改善していく必要があると強調した。
続いて、高知大学大学院非常勤講師の田邊重任氏が「今、求められる道徳授業の在り方」と題して講話=写真=。田邊氏は、はじめに現学習指導要領の道徳の目標と新学習指導要領の、「特別の教科 道徳」の目標を比較し、「目標は改めているが、中身は変わっていない。これまでの指導方法をすべて否定する必要はない」と述べ、読み物指導を工夫し、自分とのかかわりで考えさせることの重要性を指摘した。
また、子どもの心を育てる授業には、「読み物の中の主人公と子どもとの距離を縮めるような能動的な問いをつくること」「置かれた状況やその状況でとった行為に共感させること」「子どもが生き方についての考えが深まる議論をさせること」などが大切であるとし、読む道徳から考える道徳、そして心で受け止める道徳授業の創造を呼びかけた。
午後からは部会に分かれ、新年度に向けた授業改善のポイントについて演習・協議し、道徳の時間の授業づくりについて考えを出し合った。
(道・道教委 2017-01-20付)
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