28年少年非行等の概況・暫定値 検挙・補導数過去最少に 刑法犯、中高生で53%占める―道警まとめ
(道・道教委 2017-01-25付)

過去5年間の非行少年の推移
過去5年間の非行少年の推移(単位・人)(クリックすると拡大表示されます)

 昨年一年間に道内で検挙・補導された非行少年は、前年比一三・七%減の一千五百六人と、現行の統計を取り始めた昭和四十一年以降、最も少なかったことが、道警本部がまとめた「少年非行等の概況」(暫定値)で分かった。刑法犯で検挙・補導された少年は、高校生が三百八十五人で最も多く、中学生が三百二十八人で続き、中・高校生で全体の五三・六%を占めた。福祉犯の被害少年は百七十九人で、そのうち、前年より三人多い七十四人が出会い系サイトなどを利用して性的被害を受けた。

 本道の非行少年は、平成十六年(六千六百九十六人)をピークに減少傾向にある。昨年一年間に道内で検挙・補導された非行少年は一千五百六人(うち女子二百四十一人)と、現行の統計を取り始めた昭和四十一年以降、最少だった二十七年(一千七百四十六人)から一三・七%、二百四十人減少し、過去最少を更新した。

 刑法上の罪、または刑罰法令にふれる行為を行った刑法犯も一千三百三十一人(うち女子二百六人)と、一五・四%、二百四十二人減少した。

 罪種別にみると、窃盗犯が一三・六%、百二十七人減の八百十人で、刑法犯検挙・補導人員全体の六〇・九%を占め、その手口では万引きが八・五%、五十二人減の五百六十二人と、窃盗犯全体の六九・四%を占めた。

 また、暴行・傷害・脅迫など暴力によって他人に損害を与えた粗暴犯は百三十三人で、二四・〇%、四十二人減少、殺人・強盗・強姦など残忍な犯罪を行った凶悪犯は三六・四%、八人減の十四人だった。

 学職別では、高校生が一一・五%、五十人減の三百八十五人で最も多く、中学生が二九・六%、百三十八人減の三百二十八人で続き、中・高校生で全体の五三・六%を占めた。ほかに小学生が五・七%、十五人減の二百四十八人、その他の学生が一六・八%、十九人減の九十四人。また、有職少年は一一・六%、二十三人減の百七十五人、無職少年は四・一%、四人増の百一人が検挙・補導された。

 一方、刑法以外の法令に違反、またはふれる行為を行った特別法犯の検挙・補導人員は百七十四人(うち女子三十五人)で、二十七年に比べ六・一%、十人増加。法令別内訳は、児童買春・児童ポルノ法が十八人増の五十八人で最も多く、軽犯罪法が十一人減の十五人、道育成条例が同数の十四人、売春防止法が二人増の八人など。

 大麻や覚せい剤、麻薬等を所持するなどして大麻取締法、覚せい剤取締法などで検挙・補導された薬物乱用少年は、高校生一人を含む六人で、四人減少した。

 飲酒、喫煙、深夜はいかい(夜遊び)など非行に該当しない不良行為で補導された少年は、三・七%、五百五十二人減の一万四千三百七十四人(うち女子三千五百五十三人)。

 一方、児童買春や道青少年健全育成条例違反など少年の福祉を害する犯罪、福祉犯の検挙人員は二百九十七人と、前年に比べ一〇・八%、三十六人減少。一〇・九%、二十二人少ない百七十九人の少年が被害を受けた。そのうち、高校生が十九人減の七十七人、中学生が四人増の五十九人、小学生が同数の四人と、児童・生徒・学生は百四十人となり、被害者全体の七八・二%を占めた。

 また、出会い系サイトなど(出会い系サイトとコミュニティサイト)を利用して福祉犯被害を受けた少年は百四十人中七十四人で、三人増加した。

※「コミュニティサイト」は、SNS、プロフィールサイト、ゲームサイトなど、ウェブサイト内で多数人とコミュニケーションがとれるウェブサイトのうち、出会い系サイトを除いたものの総称で、統計上、無料通話アプリも含む。

(道・道教委 2017-01-25付)

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