28年度道教育実践表彰受賞校・者の功績(道・道教委 2017-01-25付)
道教委が決定した二十八年度道教育実践表彰(二十日付1面既報)の学校表彰受賞校、教職員表彰受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
【学校表彰】
▼沼田町立沼田小学校(元木和芳校長)
長年にわたり、「ふるさと沼田を愛し、自ら進んでたくましく郷土の発展に寄与する子」の育成を目指し、保護者や地域の要請に応える信頼される学校づくりに取り組んでいる。
特に、「かしこく」「なかよく」「たくましく」を教育目標に掲げ、中学校、家庭、地域と連携・協働し、社会総がかりでこども園、小学校、中学校の一貫した教育を推進する体制を整備するとともに、道教委の「小中連携、一貫教育実践事業」の実践指定校として取組を広く発信するなど、本道の小中一貫・連携教育の充実に大きな成果を上げている。
また、子どもの生活習慣の改善を目指し、子どもの実態を踏まえた生活リズムを整える啓発活動に取り組んだり、独自に生活リズムに関する資料を作成し、小・中学校のPTAが主体となった取組を推進したりするなど、その実践は高く評価されている。
▼登別市立幌別小学校(中山重夫校長)
長年にわたり、「すすんで学び よく考える子」「互いに助けあい 思いやる子」「丈夫な体で たくましく生きぬく子」の育成を目指し、授業改善に視点を当てた研究の推進に努めている。
特に、二十四年度から「学校力向上に関する総合実践事業」のモデル校、二十五年度からは実践指定校として、学力向上、体力向上等に組織的に取り組み、メンター型研修によって教師の指導力向上を図ったり、ミドルリーダーを対象とした学校運営マネジメント研修を実施したりするなど、包括的な学校改善にかかわる取組を通した人材育成に大きな成果を上げている。
また、コミュニティ・スクールの取組や土曜授業の実施など、学校教育に求められている様々な今日的な課題の解決に先駆的に取り組み、管理職や指導主事等の優秀な人材を輩出するなど、その実践は高く評価されている。
▼初山別村立初山別小学校(菅藤正伸校長)
長年にわたり、「自分の〝よさ〟を実感し、互いの〝よさ〟を認め合い、磨き合い、共に高め合う子ども」の育成を目指し、学習指導の工夫やへき地・複式教育の充実に取り組んでいる。
特に、各学年の学習内容の系統性の明確化を図り、学びの連続性を明らかにした指導計画を作成し、高学年においては、中学校の学習内容との関連を明記するとともに、単元の指導計画のはじめと終わりには、「学びなおし」「学びおさめ」を位置付け、一単位時間の学習過程においては、適用問題に取り組む時間を終末に確保するなど、学習内容の確実な定着に大きな成果を上げている。
また、全校児童にタブレット端末を配布して、計算や漢字などの繰り返し学習で活用したり、考えをまとめたノートをタブレットで示して説明する場面を位置付けたりするなど、へき地・複式教育におけるICT機器の効果的な活用について実践を深めるなど、その実践は高く評価されている。
▼沼田町立沼田中学校(小川勉校長)
長年にわたり、「ふるさと沼田を愛し、自ら進んでたくましく郷土の発展に寄与する子」の育成を目指し、保護者や地域の要請に応える信頼される学校づくりに取り組んでいる。
特に、「心身たくましく」「知性を高める」「情操豊かに」を教育目標に掲げ、小学校、家庭、地域と連携・協働し、社会総がかりでこども園、小学校、中学校の一貫した教育を推進する体制を整備するとともに、道教委の「小中連携、一貫教育実践事業」の実践指定校として取組を広く発信するなど、本道の小中一貫・連携教育の充実に大きな成果を上げている。
また、子どもの生活習慣の改善を目指し、子どもの実態を踏まえた生活リズムを整える啓発活動に取り組んだり、独自に生活リズムに関する資料を作成し、小・中学校のPTAが主体となった取組を推進したりするなど、その実践は高く評価されている。
▼様似町立様似中学校(深堀美紀校長)
長年にわたり、「自ら考え、判断し、自己実現できる生徒」の育成を目指し、学習内容の確実な定着を図る指導の充実や地域資源を活用した教育活動の推進に取り組んでいる。
特に、二十五年度からは、「〝確かな学力〟の獲得をめざし、主体的に取り組む生徒の育成」を研究主題に掲げ、組織的な校内研究の推進、課題とまとめが正対した基本的な学習過程の統一、放課後等の補充学習の充実、家庭学習の習慣の定着、検証改善サイクルの確立などに取り組み、学力向上に大きな成果を上げている。
また、総合的な学習の時間において、世界ジオパークに認定されたアポイ岳を教材としたふるさと教育や環境教育、国際理解教育に取り組み、地域の実態に合った特色ある教育活動を推進するなど、その実践は高く評価されている。
▼中標津町立計根別学園(永谷隆夫校長)
長年にわたり、「〝自ら学ぶ力〟〝自他を大切にする心〟〝たくましく健やかな体〟をもつ子ども」の育成を目指し、一体的な組織体制のもとで、小中一貫教育に取り組んでいる。
特に、二十七年四月には施設一体型の小中一貫教育校、二十八年四月からは義務教育学校として、九年間の系統性を確保した教育課程の編成や指導方法の工夫改善を行うとともに、全校で共通理解を図った学習規律の徹底やノート指導の充実、家庭学習習慣の定着に向けた家庭学習ガイダンスの取組によって、児童生徒の学ぶ意欲を高め、学習内容の定着を図ることに大きな成果を上げている。
また、義務教育学校の特性を生かした道徳教育を目指し、教材活用の工夫や体験を生かした学習を展開することによって、多様な価値観を学ぶ取組や、学年を三期に区切った教育課程を編成することによって、中一ギャップの解消に向けた取組を推進するなど、その実践は高く評価されている。
▼更別農業高校(小池博志校長)
更別農業高校は、「地域社会の発展に寄与し得る農業人(産業人)の養成」を教育目標に掲げ、地域と連携した事業を推進し、地域に根ざし、農業と農村社会の発展に貢献できる人材育成に取り組んでいる。
特に、地域と連携した各種プロジェクト活動では、「すもも」を使った特産品の開発や、数々のレシピを開発し、さらべつ産うどんの普及活動を展開するなど、生徒の専門的な力量と社会的・職業的自立に必要な基礎的・汎用的能力の育成を図る観点において、大きな教育成果を上げている。
また、作物残さを活用した再生可能エネルギーの研究を地元企業や大学と連携して取り組んだり、地元の自治体や民間企業の事業を活用し、地元の食資源を活用した商品開発や流通、販売および食品残さ物の有効活用等の研究を多くの専門家や地域からの指導を受けたりしながら、生徒は主体的に活動し学ぶ意欲を高めている。
このような地域社会とのかかわりを通して、信頼される学校づくりへとつながり、地域関係者や各方面から高く評価されている。
▼登別明日中等教育学校(五十嵐晋校長)
創立から十年間、道立学校で初めての中等教育学校として、「高い知性、豊かな人間性、健康な心身、郷土愛と国際性を身に付けた、本道の将来を担う人材の育成を目指す」を教育目標に掲げ、創意工夫あふれる教育活動に取り組んでいる。
特に、二十六年度から文部科学省スーパーグローバルハイスクールの指定を受け、海外フィールドワークやテレビ会議システムを活用した海外との交流活動等を行っている。また、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成に向け、学力向上や進路実現に努め成果を上げている。
同校で取り組んでいる、コミュニケーション活動を生かした効果的な学習指導や授業改善に生かすための評価方法の研究の成果は、実践発表等で広く普及されている。
また、開校当初から国際理解教育や外国語教育を重視し、アメリカ・カナダなどへの海外見学旅行やCALLシステムの活用、オールイングリッシュで行う英会話の授業などを通し、国際的視野を広げ、系統的に語学力やコミュニケーション能力を育成するなど、その実践は高く評価されている。
【教職員表彰】
▼鈴木晴恵(幕別町立わかば幼稚園教諭)
長年にわたり、幼稚園教諭として、発達支援の取組の推進をはじめ、幼児の特性を踏まえた創意工夫ある教育活動を展開するとともに、教職員の保育の実践力を高める研修の充実などにも努めている。
特に、幕別町立わかば幼稚園は「二十七年度道国公立幼稚園・子ども園教育研究大会十勝プレ大会」「二十八年度道国公立幼稚園・子ども園教育研究大会十勝大会」の公開保育会場となり、研究主題「友達と環境を共有し、体を動かすことを喜びながら、遊びを楽しめる子どもの育成~身近な環境の中で、心と体を動かすことを喜び合えるための保育者の役割」のもと、その中心となって職員をけん引し、大会の成功に大きく貢献した。こうした公開保育の取組は、管内外の教職員から高く評価され、本道ならびに管内の幼稚園教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、小学校、発達支援センター、家庭との連携を図り、支援を要する幼児への指導を充実するとともに、各種研修会での発表を行うなど、その実践は高く評価されている。
▼伊藤聖子(苫小牧市立美園小学校教諭)
長年にわたり、管内および市内における授業研究のリーダー的存在として、小・中学校の研修を推進する立場の教員に対する指導的役割を果たすとともに、教職経験の浅い教員の指導力向上に尽力している。
特に、苫小牧市教育研究所や市内小・中学校の研究授業において、道教委や苫小牧市教委の学力向上施策を市内の教員に普及・啓発するとともに、授業改善の視点と指導方法を具体的に指導助言するなど、その実践は高く評価されている。
また、苫小牧市学力向上推進委員、市教育研究所の学力向上研究委員、学力向上推進チーム授業改善スーパーバイザーなどを務め、市内児童の学力向上をけん引するなど、管内および同市の教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
▼南正彦(登別市立富岸小学校主幹教諭)
長年にわたり、教務主任などを務め、教職員や児童に対する優れた指導力を発揮し、校務推進の実務的なリーダーとして、学力・体力向上のための学校改善に取り組み、現在は、主幹教諭として学校力向上のけん引役として大いに力量を発揮している。
特に、体力向上においては、管内および市内の教職員を対象とした体育実技にかかわる講習会等の講師を務め、教職員の指導力向上に向けた取組を中心的に推進するとともに、体育の授業における指導法の工夫改善に尽力し、本道ならびに管内の教育の振興と充実に大きく貢献している。
また、校務の推進において、外部機関との連携を密に行い、コミュニティ・スクールにおける特色ある教育活動の推進や土曜授業の充実などに中核的な役割を果たすとともに、教職員への指導助言をきめ細く行うなど、その実績は高く評価されている。
▼中舘景子(新ひだか町立高静小学校主幹教諭)
長年にわたり、小学校教諭として、学習指導において卓越した専門性を発揮し、指導内容や指導方法の工夫改善を図るとともに、管内の音楽科教育の中心的存在として、研修会における講話や実践発表を継続して行うなど、教員の指導力向上に向けた取組を行っている。
特に、二十五年度からは主幹教諭として、学力の向上、校内研修の推進、特別支援教育の充実をはじめ、校務全般にわたり積極的に教職員に指導助言を行い、学校運営の中核的な役割を果たすなど、その取組は他の学校の模範となっており、本道ならびに管内の小学校および中学校教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、二十七年度からは、校内研修において、学習課題とまとめが正対した基本的な学習過程の統一やICTを活用した言語活動の充実、習熟度別少人数指導によるすべての児童が分かる授業づくりを推進するなど、その実践は高く評価されている。
▼管野幸子(松前町立松城小学校教諭)
文部科学省教育課程特例校制度を活用して二十二年度から町内小学校でスタートした「書道科」の取組について、同校の書道科担当教諭として、また、町書道教育推進委員として、「書道科」の指導内容や指導計画、評価方法等の改善に取り組むなど、書道教育の充実・発展に尽力するとともに、「書の町」松前町における小中高の一貫した書道教育を推進し、指導方法の普及や書の日常化の推進に努めている。
特に、「書道科」の授業に関しては、TTによる二時間単位の指導過程の考案、児童生徒にとって分かりやすく、各担任にとって指導しやすい教材教具の開発、書道教育アドバイザーや松前町出身の著名な書家である金子鷗亭(かねこ・おうてい)の石碑群「北鷗碑林(ほくおうひりん)」といった地域の素材を活用するなど、他の模範となる実践を積み重ね、公開研究会や研究集録等を通して発信し、本道ならびに管内の書道教育の充実・発展に貢献している。
また、校内において確かな視点と大胆な発想を生かした研究活動を推進しているほか、創玄書道会、松前町の「文化の香り漂う書の町づくり協議会」、松前町立松前中学校、松前高校と連携し、松前町の書道教育の核として活躍するなど、その実践は高く評価されている。
▼神田秀樹(網走市立白鳥台小学校教諭)
長年にわたり、道徳教育推進役として、校長の方針のもと、道徳教育の推進体制の充実や指導計画の改善に尽力するとともに、道徳の時間の授業づくりにリーダーシップを発揮するなど、学校の教育活動全体で推進する道徳教育の改善充実に取り組んでいる。
特に、道道徳教育推進校事業の指定校の研修部長として、管内規模のプレ公開研究会および全道規模の公開研究会を開催し、授業公開や研究発表などを通して、推進校としての取組の成果を広く発信するとともに、道徳教育の情報提供や情報交換を行い、管内ならびに本道の道徳教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、二十八年度は、オホーツク管内道徳教育推進教師研修会実践発表者として、児童および保護者アンケートの集計結果を踏まえた重点内容項目の設定の仕方や、地域の教育資源を活用した道徳の時間の授業改善策を発表するなど、その取組は高く評価されている。
▼畠山和彦(釧路市立鳥取西小学校教諭)
長年にわたり、理科教育の中核的役割を担う教員として、授業改善に取り組み、理科教育の改善・充実に尽力するとともに、科学的な見方や考え方を養う指導計画や授業づくりを推進する中で、自らの実践の事例を提示するなど、創意工夫ある教育活動を展開している。
特に、「小学校理科教育ミドルリーダー活用事業」において、観察・実験の実習について講義をしたほか、「全国学力・学習状況調査の結果から見る理科の指導のポイント」を示すなど、現状の課題をよくとらえた取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の理科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、道理科教育研究大会釧路大会の大会事務局次長として、全道の理科教育研究会と連携を図り、研究大会の企画運営、研究推進を行っており、全道の理科教員と連携を図った理科の授業づくりに関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うなど、その実践は高く評価されている。
▼藤田秀樹(滝川高校教諭)
長年にわたり、高校の理科教諭として、授業実践の工夫改善に取り組み、現在まで勤務した学校での理科教育の充実に尽力するとともに、教材研究の深化を推進する中で、高校理科教育についての創意工夫ある教育活動を展開している。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取組においては、大学と連携した授業の企画立案を行うとともに、担当教授と協議を重ね、授業の工夫改善に努めている。
特に、地学に関する身近な教材の作成およびモデル実験を活用した授業の取組は、他教員の模範とするところであり、本道ならびに管内の理科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、道高校理科研究会、放射線利用振興協会、旭川市科学館主催サイパル理科研修会、授業実践セミナー、小学校理科校内研修支援事業と連携を図った学校理科教育に関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うなど、その実践は高く評価されている。
▼木村純一郎(札幌国際情報高校教諭)
長年にわたり、高校の英語科教諭として、生徒に英語によるコミュニケーション能力を養うため、指導法の研究開発および教育実践に真摯に取り組むとともに、道教委や日本英語検定協会の英語教育関連事業の講師を務めるなどして、本道における英語教育の改善・充実に貢献している。
特に、英語ディベートの指導に関しては、全国的な先駆者の一人であり、同校の英語部顧問として、同部を十九年度から九年連続、全国高校生英語ディベート大会出場に導くなど大きな成果を上げている。
また、道高校文化連盟国際交流専門部専門委員長として、英語ディベート全道大会やプレゼンテーションコンテストを新たに開催するとともに、指導者の育成を図るなど、本道における英語ディベートやプレゼンテーションの普及・発展に尽力している。
▼高橋あき(平取高校教諭)
長年にわたり、家庭科教諭として、「母校や郷土を愛し、北海道の将来を担う人材となる生徒」の育成に向けて、地域に根ざした創意ある教育活動を展開している。
特に、教科指導等において、平取町との連携のもと、地場産物を活用したレシピを生徒が考案し、「ふるさと給食試食会」として、町内の保育園、小学校および中学校に出向き、児童生徒に対して「地産地消」や「町内の特産品」などを説明する食育活動を実践している。
また、びらとり農業協同組合や平取商工会議所等と連携し、地場産物を活用したランチメニューを生徒が考案し、町内の飲食店に提供するなど地域に根ざした取組を実践している。
これらの取組は、郷土を愛し、地域産業の発展に寄与する心を育むことに成果を上げており、その実践は高く評価されている。
▼宮岡仁(旭川西高校教諭)
長年にわたり、芸術科書道教諭として、授業改善に努め、書道教育の充実に尽力し、創意工夫のある教育活動を展開している。
特に、教科指導において自己研鑚に励むことによって、書の技量を高め、道書道展において大賞を受賞するなど実績を重ねるとともに、道書写書道教育研究会において先進的な教材を発表するなど、生徒の情操教育に大いに貢献した取組は、他の模範となっており、本道ならびに管内の書道教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、書道部の指導においても精力的に活動し、書の甲子園と呼ばれる国際高校生選抜書展において道地区優勝を九度果たしているほか、二十七年度には全国優勝を果たしている。
さらに、生涯教育にも協力を惜しまず、学校開放講座として、生徒の保護者を主な対象に書道講座を継続的に開講するなど、地域住民の情操教育にも貢献し、その実践は高く評価されている。
▼髙井央(鷹栖高校教諭)
長年にわたり、家庭科教諭として、介護・福祉分野の教育に取り組み、福祉に携わる人材の育成に尽力するとともに、地域や企業と連携して生徒の感受性を豊かにする教育活動を展開している。
特に、課外活動における高大連携事業では、鷹栖町と企画した他に類をみない「介護職員初任者研修」の開設・運営を行い、適切な福祉マインドの養成とノーマライゼーションの育成に向けた段階的な学習や実習の工夫をするなど、地域の企業・人材を活用した取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の家庭科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、食の分野においても地域の教育力を利用し、地域の特産物の活用および創作レシピの指導、他教科と連携を図った地産地消に関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験と研究成果に基づいた提言を行うなど、その実践は高く評価されている。
▼名苗顕治(北見北斗高校教諭)
長年にわたり、理科教諭として、観察・実験を主体とした実感を伴った理解を深める授業づくりに尽力するとともに、常呂川における環境保全を主テーマにした探究活動に取り組ませるなど、地域素材の教材化を推進し、創意工夫ある教育活動を展開している。
特に、理科の授業において、実物投影機で大切な点を強調して説明したり、デジタルカメラで撮影した写真を活用しながら話し合い活動を行わせたりするなど、ICTの効果的な活用を図り、生徒の科学的思考力を向上させるための取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の理科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、サイエンスクラブの顧問として、観察・実験などの結果を分析し解釈して自らの考えを導き出す指導を重ね、全道高校理科研究発表大会において、最高位の総合賞を受賞させるなど、豊富な経験に基づいた活動を行い、全道ならびに管内の理科教育の裾野を広げており、これらの実践は高く評価されている。
▼浅見喜代美(更別農業高校養護教諭)
長年にわたり、養護教諭として特別支援教育に尽力し、二十二年度から現在まで同校の特別支援教育コーディネーターとして、特別支援教育の充実発展にリーダーシップを大いに発揮している。
特に、二十三年度「高校における発達障がい支援連携モデル事業」(研究指定校)や二十五年度からは、「高校における特別支援員配置事業」(支援員配置指定校)において、校内組織の立ち上げの中心となり、組織の機能強化や保護者・関係機関との連携を推進し、綿密な計画のもとで確実な実践に取り組むなど大きな成果を上げている。
また、各種研修会に積極的に参加するとともに、各種研究協議会・研修会での実践発表を行い、さらに、講師として管内はもとより、全道から依頼を受けるなど、確かな知見と豊富な経験に基づいた実践は高く評価されている。
▼齊藤健太郎(中札内高等養護学校教諭)
長年にわたり、養護学校教諭として、校内外のコーディネーター業務に取り組み、地域の幼小中高の連携にかかわる教育相談の充実に尽力するとともに、インクルーシブ教育の推進を図るため、各校との橋渡し役を務め、校内研修講師やアドバイザーとして創意工夫をもって教育活動を行っている。
特に、十勝教育局管内専門家チームにおいて、委員長として巡回相談を行い、他校の教員により具体的な相談や助言の方法を示すなど、十勝全域の特別支援教育の発展、充実を図った取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の特別支援教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、道立特別支援教育センターにおいても、「はじめての特別支援教育研修講座」「特別支援教育専門性向上研修講座」等の講師を務めるなど、北海道の特別支援教育の向上に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいて提言を行うなど、その実践は高く評価されている。
▼佐々木亘(釧路鶴野支援学校指導実習助手)
長年にわたり、指導実習助手として、就労につながる高度な技術を生徒に習得させるため、同校での作業学習の円滑な実施に貢献するとともに、備品等の整備など、教育活動の充実に向けて取り組んでいる。
特に、新学科設置前の教材研究や指導内容充実のための研修に自ら努め、専門性を生かした生徒への熱心な指導を行うとともに、近隣の製紙工場と連携を図った再生紙づくりなど、新たな取組も積極的に推進しており、同校の教育活動の一層の充実に向けた創意あふれる取組と献身的な姿勢は、同校の児童生徒の能力の向上に大きな成果を上げている。
また、教材の扱い方や円滑な授業の実施に向けた適切な準備など、これまでの豊かな経験を生かして、指導実習助手としての役割や心構え等について若手実習助手に対する指導助言を行うなど後進の育成にも力を入れており、その姿勢は高く評価されている。
▼山田妃呂美(別海町立別海中央小学校主幹教諭)
長年にわたり、小学校教諭として、学習指導はもとより、二十五年度から教務主任、二十七年度からは主幹教諭として、「学校力向上に関する総合実践事業」の推進に取り組み、学校がチームとして機能するための協働体制の構築など、実務的なリーダーとして創意工夫ある教育活動を展開している。
特に、学習規律を継続・徹底していくため、校内で統一して取り組む事項等を「中央っ子学びのポケット」として一冊のファイルにまとめ、全学年の「単元一覧シート」を作成し、学校全体が適切な教育課程を実施できるよう工夫するなど、教職員が一丸となって教育課程の改善・充実に向けた取組を推進したことは他の模範となっており、本道ならびに管内の学校力向上に向けた取組の充実に大きな成果を上げている。
また、初任者との日常的なチーム・ティーチングの授業を通じ、学級経営・教科指導等の基礎について指導を行うとともに、国や道の研修会等に参加し、その成果を各種研修会の講師や実践発表者として、自校のみならず町内外の若手教員に普及・還元するなど、その実践は高く評価されている。
▼長野喜美子(八雲高校養護教諭)
長年にわたり、養護教諭として不登校問題を学校保健の課題ととらえ、生徒の人間関係形成能力の向上に向け、予防的かつ開発的な教育相談体制や特別支援教育の推進体制の充実に優れた指導力を発揮してきた。
特に、生徒の心身の成長に応じて「ピア・サポート活動」や「ハイパーQ―U」などを活用した教育実践は、同校生徒の人間関係形成能力を高めるとともに、生徒が町内の中学校を訪れ、ピア・サポート活動を広める取組に発展させるなど、ピア・サポ-ト活動の振興はもとより、管内の特別支援教育の充実に大きな成果を上げている。
また、医療機関など関係機関と連携し、こうした人間関係形成能力の育成にかかわる指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、各種研修会等を通して豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うなど、その教育実践は高く評価されている。
▼十川光穂(浜頓別高校養護教諭)
長年にわたり、養護教諭として、他の教員、保護者、関係機関等と連携を図りながら、保健指導や保健管理、健康相談等の充実に創意工夫をもって意欲的に取り組み、高い専門性と情熱をもち、生徒が心身ともに健康であるよう学校保健活動の実践に努めている。
特に、同校においては、町の保健師、栄養士と連携した生徒への食生活や生活習慣についての指導を行うとともに、健康診断結果をもとにして、心と体の健康、家族や友人関係、進路等の悩みまでを含めた、健康相談活動を実践し、繊細な心のケアとなる教育相談の推進に大きく貢献している。
また、道高校養護教諭研究会宗谷地区幹事を務め、管内の学校保健や教育相談の中心的な存在として、研究大会での発表を行うとともに、近隣中学校において研修会等の講師を務めるなど、その実践は高く評価されている。
▼門馬則子(札幌視覚支援学校栄養教諭)
十九年四月から栄養教諭として勤め、前勤務校では、「食で学ぼう」をテーマに、函館市周辺地域の農家や漁協、調理師学校、五島軒などと連携し、子どもたちが本場の調理を体験し、地元の食材や食文化に対する理解や興味・関心を育む取組を行い、食に対する知識、技能、表現などの力を高めることに大きな成果を上げている。
特に、道南地区の栄養教諭と連携し、特別支援学校や小・中学校の特別支援学級の親子を対象として料理教室を開催し、パティシエも参加した創作ケーキづくりなどを行った。
また、韓国の盲学校との交流事業において、函館盲学校の給食の様子を紹介し、日本の食文化を海外に広めるなど食文化を通した視覚障がい教育への貢献は大である。
このような取組を通して、盲学校や視覚障がいに対する地域の理解が深まり、その実践は高く評価されている。
現在校に赴任してからは、視覚支援学校の視点から、子どもたち個々の実態に則した自立活動の内容を取り入れた授業を展開し、苦手意識をもたず、楽しく食べることを重点とした授業に取り組むなど、食に関する教育の改善・充実に尽力している。
▼阿部秀彦(洞爺湖町立洞爺中学校事務職員)
長年にわたり、事務職員としてコスト削減の意識をもって職務を行い、事務処理を正確かつ迅速に行うことはもとより、ICTの活用等によって、教育活動の円滑な遂行に多大な貢献を果たしている。
特に、ICT機器に精通し、教職員が授業等で使用する教材作成や、校務の軽減化を図るため、生徒の評定にかかる電算システム、出席簿や通知票のデータを指導要録に反映するシステムづくりなどを協働して行うとともに、同校のネットパトロール業務も担い、生徒や保護者向けの情報モラル教育の指導も行っている。
さらには、事務能力の向上のため、道公立小中学校事務職員協議会の研修において中核的な役割を果たし、全道の研究大会で実践発表を二度行うなど、本道ならびに管内の教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また、洞爺湖有珠火山マイスター資格を取得し、同校の防災教育の講師を務めるほか、洞爺湖町および近隣市町の小・中学生や教職員を対象とした有珠山のフィールドワーク等を行い防災意識の向上を図るなど、その実践は高く評価されている。
▼岩﨑英樹(札幌伏見支援学校事務長)
長年にわたり、事務職員、事務長として、不断の研究・研修活動によって研鑚を深め、全道からコーチングやマネジメント能力に関する研修や助言の依頼が数多くあり、継続して講師を務め、全道の事務職員の職能向上等に寄与している。
また、二十年前から他校の事務職員に向け週に一度配信している実務研修資料「事務だより(メールマガジン)」は、創刊から三百号を数え、実務内容はもとより仕事への姿勢や学校教育課題等を内容に盛り込み、事務職員が日常の困難性を乗り越え、意欲的な職務遂行の一助となるなど、各校のニーズに応えていることは高く評価されている。
このように深い識見や指導力を存分に発揮し、これまでにないOJT手法を積極的に推進し、全道の事務職員の職能および職務遂行意欲の向上、円滑な財務事務執行の推進に多大な貢献を果たしている。
(道・道教委 2017-01-25付)
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道教委は二十四日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度第二回全道生徒指導連絡協議会を開いた。各教育局、道立教育研究所、道特別支援教育センターや市町村教委の担当指導主事ら約五十人が参加。講演...(2017-01-26) 全て読む
道教委がSGH中間成果報告会 生徒が英語交え取組説明 人材育成について意見交流も
道教委は二十三日、道庁別館で二十八年度道スーパーグローバルハイスクール中間成果報告会を開いた。登別明日中等教育学校など道内指定校五校の生徒たちがポスターセッション形式で、これまでの取組を日...(2017-01-25) 全て読む
28年少年非行等の概況・暫定値 検挙・補導数過去最少に 刑法犯、中高生で53%占める―道警まとめ
昨年一年間に道内で検挙・補導された非行少年は、前年比一三・七%減の一千五百六人と、現行の統計を取り始めた昭和四十一年以降、最も少なかったことが、道警本部がまとめた「少年非行等の概況」(暫定...(2017-01-25) 全て読む
最終出願者数815人 知的障がい高等部入選―道教委発表
道教委は二十三日、公立知的障がい特別支援学校高等部の二十九年度入学者選考最終出願状況(十九日現在)を発表した。職業学科設置校(普通科含む)と普通科職業コース設置校を合わせ、定員九百三十六人...(2017-01-24) 全て読む
長期計画骨子案をもとに審議 本道の良さ生かす施策を 体力向上などで委員が意見―道教育推進会議
二十八年度第六回道教育推進会議が二十日、札幌市内の道第二水産ビルで開かれた。新しい道教育長期総合計画について、事務局が作成した骨子案に基づき審議した。体力・運動能力の向上にかかわり、「運動...(2017-01-24) 全て読む
道教委が第3回道教員育成連絡協議会 人材育成に貢献する力を 「求める教員像」作成へ検討
道教委は二十日、札幌市内の道第二水産ビルで第三回道教員育成連絡協議会を開き、「北海道における求める教員像」作成に向けた検討を行った。アンケート調査結果などを踏まえて取りまとめた〝キーとなる...(2017-01-24) 全て読む
道教委28年度教育実践表彰 沼田小など8校が受賞 教職員表彰は鈴木氏など22人
道教委は十八日、二十八年度道教育実践表彰の学校表彰受賞校、教職員表彰受賞者を決定した。学校表彰には沼田町立沼田小学校など八校、また、教職員表彰には鈴木晴恵氏(幕別町立わかば幼教諭)など二十...(2017-01-20) 全て読む