フィルタリング普及求める　道、道教委、道警が共同で電気通信事業者各社を訪問

（道・道教委 2017-01-31付）

北村学校教育局長（右）がＫＤＤＩの横山部長に要請書を手渡した

　道、道教委、道警は二十六日、札幌市内の電気通信事業者各社を訪問し、フィルタリングの普及促進等を要請した。「フィルタリング利用にかかる説明の徹底」「青少年への学習機会の積極的な提供」など四点を盛り込んだ要請書を各社の担当者に手渡し、協力を呼びかけた。

　青少年のフィルタリング利用率は、全国的に減少傾向にあり、コミュニティーサイトに起因する犯罪被害に遭った児童生徒の多くがフィルタリング未加入であった。このことから、道、道教委、道警の三者は、行政機関と電気通信事業者が連携し、保護者に対してフィルタリングの一層の普及啓発を図ることを目的に各社への要請訪問を行った。

　当日は、道教委の北村善春学校教育局長、道環境生活部くらし安全局道民生活課の宮岡孝博青少年担当課長、道警本部生活安全部少年課の山下貴司指導監が、札幌市内の㈱ＮＴＴドコモ北海道支社、ソフトバンク㈱、ＫＤＤＩ㈱北海道総支社を訪問した。

　うち、ＫＤＤＩ北海道総支社では、北村学校教育局長が同社の横山義博管理部長に要請書を手渡し、「進学などで契約者が増えるこの時期に、あらためてフィルタリング利用のさらなる普及促進が図られるよう協力いただきたい」と呼びかけた。

　横山管理部長は、スマホ・ケータイ安全教室の開催や、各市町村の消費者センターの訪問による実態把握など、同社の取組を紹介し、「こうした取組を継続して、犯罪被害の件数削減につながるよう貢献したい」と応えていた。

◆フィルタリング普及等要請概要

　道、道教委、道警によるフィルタリングの普及促進等に関する要請概要はつぎのとおり。

▼使用者の年齢確認とフィルタリング利用にかかる説明の徹底

　携帯電話インターネット接続役務を提供するに当たっては、青少年利用の有無を確認し、スマートフォン等機器に応じたフィルタリングの内容や必要性が理解されるよう十分説明するなど、携帯電話インターネット接続役務提供事業者としての義務を順守することについて、契約窓口（販売代理店等における契約窓口を含む）の担当職員に対してあらためて徹底していただくようお願いする。

　また、フィルタリングの説明や普及啓発に当たっては、行政機関が作成した資料の販売窓口への設置等に協力をお願いする。

▼フィルタリングを利用しない旨の申し出があった場合の危険性についての説明

　保護者がフィルタリングを利用しない旨を申し出た際には、インターネットの不適切な利用による青少年の犯罪被害が増加していることや、様々なトラブルに巻き込まれる危険性があることから、青少年のインターネット利用を適切に管理することが、保護者として子どもを守ることにつながることをあらためて説明するなど、保護者に対し特段の対応をお願いする。

▼青少年への学習機会の積極的な提供

　青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得するための学習機会の積極的な提供や、保護者が子どものインターネット利用状況を把握し、インターネット利用の適切な管理等が行えるよう、必要な知識や能力を習得する機会の提供等について、積極的な支援をお願いする。

▼フィルタリングサービスの性能の向上

　青少年にとって有害なサイトへのアクセス制限をはじめ、青少年の発達段階に応じて、きめ細かく閲覧制限の設定ができるよう、フィルタリングの性能および利便性の向上や、特に青少年の所持率が増加しているスマートフォンへのフィルタリングサービス等の充実について、一層努めていただくようお願いする。

(道・道教委 2017-01-31付)