特総研と特センがセミナー 国内外の動向や展開解説 インクルーシブ教育推進で(道・道教委 2017-02-02付)
初開催の普及セミナーに小・中学校教員など90人が参加した
国立特別支援教育総合研究所と道立特別支援教育センターは一月二十八日、札幌市内の同センターで二十八年度インクルーシブ教育システム普及セミナー北海道・東北地区を開いた。二部構成で、第一部では、国内外のインクルーシブ教育をめぐる動向や特別支援教育の新たな展開などについて解説。第二部では、道内の実践事例を説明した。
国立特別支援教育総合研究所(=特総研)は二十八年四月、インクルーシブ教育システム推進センターを新設し、地域実践研究や国内外の情報提供、相談支援などを行っている。その一環として、初の普及セミナーを道立特別支援教育センターとの共催で開いた。小・中学校教員など約九十人が参加した。
普及セミナーでは、特総研の勝野頼彦理事が開会あいさつ。「インクルーシブ教育は、世界的な動向であり、各国・各地域で現在進行中の課題となっている。幅広く国内外をとらえ、どのように進んでいるのかという大きな視点とともに、各地域、各学校で、どう進めていくのかという二つの視点が必要。セミナーでは、二部構成でそれらを紹介するので、ぜひ、学校現場にもち帰っていただきたい」と呼びかけた。
第一部では、インクルーシブ教育システム推進センターの原田公人センター長がミニ講座「インクルーシブ教育システムについて」を行った。
原田センター長は、「障害者の権利に関する条約」の内容にふれた上で、インクルーシブ教育システムについて、「障がい者が精神的および身体的な機能等を最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的のもと、障がいのある人と障がいのない人がともに学ぶ仕組み」と説明。諸外国のインクルーシブ教育は、異なるスタート地点と歴史をもっており、現在も、〝前に向かって〟いる状況にあると紹介した。
インクルーシブ教育システム構築に向けた国内の情勢も説明。特別支援教育の新たな展開として、教育再生実行会議が行った特別支援教育に関する提言「多様な学びの場」「学校間連携の推進」「交流および共同学習の推進」について解説した。
また、「それぞれの地域に応じたインクルーシブ教育システムの構築がある。地域に根ざしたインクルーシブ教育を確認したい。子どもを中心に、力を合わせて教育を進めていきたい」と述べた。
そのあと、インクルーシブ教育システム推進センターが取り組む「地域実践研究」「国際動向調査」「インクルDB」について、担当研究員が報告した。
第二部では、リレー講演を行った。
道教育大学函館校の北村博幸教授は「特別支援学校のセンター的機能とコーディネート」と題し、知内町インクルーシブ教育システム構築事業(スクールクラスター)の取組を紹介。名寄市立大学の矢口明准教授は「計画的・組織的な交流および共同学習の推進」と題し、交流および共同学習推進の経緯や考え方、稚内養護学校と釧路鶴野支援学校の実践内容を紹介した。
(道・道教委 2017-02-02付)
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