道教委AL研究PJ第2回推進地域連絡協 喜び感じる仕かけを 2年間の成果や課題共有(道・道教委 2017-02-20付)
プロジェクトの取組や成果を発表する朝日小の櫻井教諭
【旭川発】道教委は一月三十一日、「課題解決型授業(アクティブ・ラーニング)に関する調査研究プロジェクト」二十八年度第二回推進地域連携協議会を、実践推進校の旭川市立朝日小学校(中山雅文校長)で開催した。プロジェクトアドバイザーの笠井稔雄道教育大学旭川校教授ら計二十六人が参加。二年間のプロジェクトのまとめとして、研究に携わった調査担当教諭等がそれぞれの実践を紹介し、さらなるALの推進に向け成果と課題、今後の取り組むべき視点を参加者で共有した。
同プロジェクトは、主体的・対話的で深い学びなど、アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善の研究が目的。
二十七年度から旭川市を推進地域とし、実践推進校の朝日小を中心に、市内の連携協力校五校で調査研究チーム「ALPS(アクティブ・ラーニング・プロジェクト・スタッフ、=アルプス)」を立ち上げ、指導計画や授業の在り方を検討してきた。
はじめに、学校教育局義務教育課の神守一志主幹があいさつ。協議会の趣旨や推進地域のこれまでの取組に感謝を述べた
つぎに、朝日小と、研究に協力している道教育大附属旭川中学校、「教科等の本質的な学びを踏まえたアクティブ・ラーニングの視点からの学習・指導方法改善のための実践研究(SCRUM)」の指定を受けている旭川東高校の担当者が本年度の実践を発表した。
朝日小の櫻井啓子教諭は「アクティブ・ラーニングは行動ではなく、思考が活性化していることが大事なので、そのことを踏まえた学習過程や指導方法を研究していった」と振り返った。
また、昨年十月中旬に札幌市で開かれた教員研修センター主催の「次世代型教育推進セミナー」の内容を参考に、同校の公開研究会で参加型のグループ協議を行うなど、教員研修の充実に努めたことを報告。
「この二年間で、様々な教科で授業研究を行うことができ、本校の先生方の授業改善に対する意識も高くなるなど、実りのある調査研究となった」と述べた。
道教大附属旭川中の嶋田善行教諭は「生徒の問題把握、個人思考、練り合いのプロセスを重視した授業展開を意識することで、生徒の思考が深まった」と成果を紹介。
旭川東高の尾村晃治教諭は「校内でプロジェクトチームを組織し、アクティブ・ラーニングの視点を重視した授業を各教科で展開した結果、生徒の考えが深まる姿がみられた」と話した。
その後の意見交流では、ALPSのメンバーから、「学級経営と授業での振り返りを大事にして取り組み、成果があった」「授業の中で教師が、子どもたちにどこまでかかわるかがポイント」「必然性のある学習形態でなければ、子どもの学習意欲は高まらない」などの声が上がっていた。
朝日小の中山校長は「じっくり考えて分かったとき、子どもは学ぶ喜びを感じる。そのためのしかけをどうするか、学級の実態を一番知っている学級担任の力量にかかっている」と指摘した。
まとめとして、プロジェクトアドバイザーの笠井教授は「旭川市として組織的な研究を推進してきたこと」「今後の授業改善の基盤となる一つのモデルが示されたこと」の二点を成果として挙げた。
また、今後の授業改善について、「自校の実態に即して、児童生徒の育てたい資質・能力を明確にすること」などを推奨。「多くの学校を巻き込み、小中高が連携して研究を推進してほしい」と呼びかけた。
最後に、上川教育局の佐藤潤一教育支援課長があいさつ。「本調査研究は、子どもたちを深い学びに導く指導の工夫を実践していただいたもの。今後、これらの先進事例を発信していきたい」と結んだ。
(道・道教委 2017-02-20付)
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