3校1団体1個人が受賞 釧路局28年度管内教育実践表彰(道・道教委 2017-02-21付)
鶴居村立鶴居小学校
【釧路発】釧路教育局は二十八年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では、鶴居村立鶴居小学校、浜中町立茶内中学校、白糠高校の三校を選出。社会教育では、寿子ども蝦夷太鼓同好会と、個人で阿寒地区の貴重な文化財の保存に努める伊東智氏が受賞した。
表彰式は行わず、石川忠博局長が二月下旬から受賞者を訪問し表彰状を授与する。
受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
【学校教育】
◆団体
▼鶴居村立鶴居小学校(沢田恵美子校長、児童数九五人)
▽「道徳教育推進校事業」の実践(学校全体による組織的な道徳の授業改善)
二十七年度から、学校全体による組織的な道徳教育の改善・充実を目指し、「道徳教育推進校事業」に取り組み、道徳教育の全体計画や年間指導計画の改善および別葉の作成など、学校全体で組織的に進める道徳の時間の改善・充実の取組に努めている。
特に、校内研修において、他者とのかかわり合いを重視した学習指導過程の改善・充実に取り組むとともに、全学級における授業公開の実施を通して、発問の工夫を中核とした指導の工夫改善を図るなど、子どもの問いを生み、学びが連続する授業を目指した道徳の時間の充実に大きな成果を上げている。
また、教員の授業力の向上を図るため、研究協議において、マトリックス法などを活用して、学習指導過程の段階ごとに成果と課題を明確にし、改善方策を協議するなど、校内研修の質の向上を図った実践は、高く評価されている。
▼浜中町立茶内中学校(梅内宏校長、生徒数五八人)
▽「道徳教育推進校事業」の実践(豊かな心を育む道徳の時間の授業改善の取組)
二十八年度から、豊かな人間性で主体的に行動できる力を育む道徳教育の充実を目指し、「道徳教育推進校事業」に取り組み、指導計画の見直しや生徒一人ひとりに道徳的価値の内面化を促す道徳の時間の授業改善に向けた取組に努めている。
特に、道徳の全体計画や別葉、年間指導計画の見直しを行うとともに、基本的な学習指導過程をもとに「話し合い活動の充実」や「書く活動の設定」、「補助資料の工夫」を通した指導の工夫改善を図るなど、道徳の時間の授業改善を中核とした道徳教育の充実を図る校内研修の推進に大きな成果を上げている。
また、三十一年度から全面実施される道徳科を見据え、日常生活への実践意欲の喚起につなげるため、生徒が自らの成長を実感したり、意欲が向上したりするよう、道徳性の変容をとらえる評価の実践は、高く評価されている。
▼白糠高校(倉内慶一校長、生徒数一〇七人)
▽学校経営全般における優れた実践(地域に根ざしたボランティア活動と交通安全活動)
地域の町内会との交流会や花壇整備などのボランティア活動や交通安全活動を通して、地域社会への貢献を目指すとともに、生徒の心身の成長や愛校心の育成、コミュニケーション能力の向上等を図る取組に努めている。
特に、ボランティア活動においては、地域の関係機関やソロプチミスト、赤十字、各種ボランティア団体と連携を図った活動を継続的に行うとともに、本年度から新たに、生徒が難民の子どもたちに服を届ける活動や古着のリサイクルを開始し、地域社会だけにとどまらず、国際社会や環境問題に主体的にかかわる態度を育成する上で大きな成果を上げている。
また、交通安全運動については昭和六十三年度から二十九年間にわたり実施している「旗の波作戦」や、八年度から二十年間にわたり実施している「街頭啓発運動」は、「二十六年度管内交通安全協会賞」、「二十七年度全道交通安全協会賞」を受賞するなど、その実践は高く評価されている。
【社会教育】
◆団体
▼寿子ども蝦夷太鼓同好会(金澤義一会長、会員数一九人)
▽地域に根ざした和太鼓の伝承活動を通して、郷土芸能の振興に貢献
和太鼓の伝承活動を通じた地域の文化向上を目指し、昭和五十四年に釧路市立寿小学校で結成されてから今日に至るまで、寿という名と伝統を引き継ぎながら地域のイベントや祭りなどに出演し、郷土芸能の振興と文化の継承に努めている。
特に、各地区への出前演奏は年間二十回を超えるなど、地域に根ざした活動を展開するとともに、本年度を含め過去にも数回にわたり、日本太鼓ジュニアコンクールに北海道道東支部代表として出場を果たすなど、管内の社会教育の振興に大きな成果を上げている。
また、現在では釧路市立中央小学校を拠点にした同好会でありながら、市内にある十の小学校から十九人がメンバーとして参加しており、広域の児童が郷土芸能を通して相互に交流し、ふるさとへの愛着心や誇りを育む実践は高く評価されている。
◆個人
▼伊東智
▽文化財の保存と文化財情報の発信に尽力
阿寒地区の貴重な文化財の保存に努め、文化財情報の発信により、その価値や魅力を次代に伝え継承するため、郷土資料の整理・分類および郷土収蔵室における展示の整備を行い、十八年から地域住民に文化財に親しむ機会の提供に努めている。
特に、文化財の保存については、「郷土資料は保管だけでは次代に守り伝えていくことはできない」との信念をもち、約二千点の資料について、整理・分類を行うとともに、現在の阿寒町郷土資料収蔵室において、手づくりで内装を整備し、約三百点の資料をコーナーごとに分類する展示整備を行うなど、地域文化の振興に大きな成果を上げている。
また、文化財情報の発信については、十年間にわたりボランティア解説員として、地元小学校で郷土の歴史や文化を子どもたちに伝えるなど、多くの人々が文化財の素晴らしさを知り、文化財を継承していく機運を高める実践として高く評価されている。
この記事の他の写真
浜中町立茶内中学校
白糠高校
寿子ども蝦夷太鼓同好会
伊東智氏
(道・道教委 2017-02-21付)
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