倶知安小、余市紅志高に栄誉 28年度後志管内教育実践表彰―後志局(道・道教委 2017-02-20付)
【倶知安発】後志教育局は、二十八年度後志管内教育実践表彰の受賞者を決定した。選考の結果、管内教育の推進に寄与した三団体、二個人を選出。表彰式はきょう二十日午後二時五十分から後志合同庁舎二階講堂で執り行う。
受賞団体、個人の功績等はつぎのとおり。
【団体】
▼倶知安町立倶知安小学校(梶野祐樹校長、児童数二六〇人)
「夢や希望に向かって挑戦し、成長し続けようとする姿を求めて」を教育目標に掲げ、「ねばりづよい子」「助け合う子」「すすんで学ぶ子」の育成に取り組んでいる。
特に、二十六年度から「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、管理職のリーダーシップの下、全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進し、「学び続ける学校」のモデルを提示するとともに、近隣実践校や特別連携校と連携した「ミニ研修」を開催するなど、将来のスクールリーダーを継続的に輩出する仕組みを構築し、大きな成果を上げている。
また、「体育専科教員活用事業」の本務校として、新体力テストを全学年で実施し、その結果をもとにした授業改善に取り組むとともに、休み時間にマラソンや縄跳びなどを行う「パワーアップタイム」を継続し、児童の体力向上に取り組むなど、その実績は高く評価されている。
このほか、「道徳性をはぐくみ、豊かな心をもち未来を拓く子どもたちの育成」を道徳教育の重点目標とし、道徳教育推進教師を中心に、各教科、特別活動、総合的な学習の時間等と相互の関連性を考慮した意図的・計画的な指導を重視するとともに、児童一人ひとりに道徳的価値の自覚を深めさせる道徳の授業を積極的に公開するなど、管内教育の充実に大きく貢献している。
▼余市紅志高校(永井道博校長、生徒数一三一人)
「学ぶ意欲を持ち、個性を磨く人を育てる」「心の触れ合いを大切にし、社会に貢献できる人を育てる」「自分の夢に向かい、努力できる人を育てる」などを教育目標に掲げ、自ら目標をもち、主体的に学び行動するとともに、自らを律する態度を養い、豊かな心をもつ生徒の育成に努めている。
特に、教育課程に関する校内研修会や授業改善週間、全校体制で公開授業を行う「余市紅志GLIP」など、教員の指導力の向上と家庭、地域に開かれた教育活動の実施に努め、生徒の学習意欲の喚起・家庭学習の習慣化に大きな成果を上げている。
また、学校設定科目「キャリアスタディ」を設定し、ICT教材を活用しながら、少人数制で個に応じたきめ細かな指導を充実させ、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るとともに、総合的な学習の時間等において、自ら課題を見いだし、考え、発表を行う主体的な学習を進め、生徒の進路実現につながる資質・能力の向上に取り組むなど、その実績は高く評価されている。
このほか、農業・水産業などの地域の産業を生かし、水産試験場や農協と連携した加工品の開発に取り組むとともに、花・野菜・食について地域住民を対象に講義等を行う「町民開放講座」を開講したり、生産物の販売実習や公共施設の花壇造成に積極的に参加したりするなど、町内外での体験的な学習活動やボランティア活動を数多く取り入れ、管内教育の充実に大きく貢献している。
▼きもべつ歴史プロジェクトの会(齊藤久会長、会員数二九人)
喜茂別町を中心とする歴史的地域資源を調査・研究し、まちづくりや地域づくり、歴史・文化の発展・振興に寄与することを目的として平成二十一年に設立。以来、町内外の地域資源から収集した情報をもとに、組織的・継続的な学習活動を行っている。
特に、近年は、今も地域に残る史跡等を踏査する史跡や建造物の視察・調査、長く町内に生活する人への聞き取りなどを行い、歴史的地域資源について学習を深めるとともに、学習成果を集録した郷土史研究誌「ヌプリ」を定期的に発行し、地域文化の伝承活動を行うなど、大きな成果をあげている。
また、喜茂別町最初の入植者である阿部嘉左衛門没後百周年を記念したシンポジウムや旧真狩村からの分村百年(喜茂別町開町百周年)を記念した「阿部嘉左衛門の駅逓に関する新たな史実の発見を学ぶ講演会」の開催等、地域住民に多岐にわたる学習機会を提供するなど、その実績は高く評価されている。
このほか、喜茂別町立喜茂別小学校における郷土学習の講師をはじめ、京極町生涯学習センター湧学館と協同で国策紙芝居の上演会や学習会を行うなど、管内教育の充実に大きく貢献している。
【個人】
▼小竹理恵氏(小樽市立稲穂小学校教諭)
管内のミドルリーダーとして、学校の自己改革力の向上を推進するための取組を中核となって率先して実践するとともに、若手教員への助言を積極的に行ったり、道教委の講師を務めたりするなど、管内の学校力の向上に取り組んでいる。
特に、近年は教務主任として、校長・教頭を助け、学級経営、学力向上、校内研究をはじめ、校務全般にわたって積極的に教職員に指導助言を行い、学校運営の中核として尽力し、教職員の指導力向上に大きな成果を上げている。
また、二十五年度から「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校における校内の中核的存在として、「ゴールの明確化」「共通実践の徹底」「協働体制の構築」「学校改善サイクルの実質化」の四つの重点に沿い、教職員に対し的確に助言し、重点の具現化に結び付けるなど、その実績は高く評価されている。
このほか、道教委「公立小・中学校学校運営研修会」や「後志管内小・中学校学校運営研究協議会」の講師、「学校力向上に関する総合実践事業推進協議会」の実践発表を務めるなど、道内・管内教育の充実に大きく貢献している。
▼川尻祥子氏(小樽市立朝里中学校教諭)
管内のミドルリーダーとして、自校の校内研修で中心的な役割を果たすとともに、後志管内専門家チーム委員・巡回相談員として、「相談支援マップ」の作成に携わるなど、管内の特別支援教育の充実に取り組んでいる。
特に、近年は研究部長として、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえた授業改善を推進するとともに、巡回相談員として他校を巡回し、障がいの特性に応じた支援や校内体制の在り方等について助言するなど、特別支援教育における体制整備に大きな成果を上げている。
また、二十八年に創部三十周年を迎えた吹奏楽部の主顧問として、「社会を明るくする運動」街頭パレード、朝里神社祭やリバーフェスティバル等の地域行事における演奏会を開催するとともに、地域貢献活動に積極的にかかわるなど、その実績は高く評価されている。
このほか、道立特別支援教育センターや後志教育研修センターの研修講座の講師、「小樽市福祉のひろば」(民間団体)が主催する定例学習会の講師を務めるなど、道内・管内教育の充実に大きく貢献している。
(道・道教委 2017-02-20付)
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