標茶町の29年度教育行政執行方針=島田教育長(市町村 2017-03-22付)
標茶町教委・島田哲男教育長
【釧路発】標茶町教委の島田哲男教育長は三月上旬の町議会第一回定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。ALTを二人体制に増員し、外国語によるコミュニケーション能力の育成を充実するほか、実物投影機によってICT機器の有効な活用による授業改善を進めることを示した。また、特別支援教育支援員を標茶小学校に五人、標茶中学校に二人配置することや、標茶中とその校区の三校の小学校で、道教委による「中一ギャップ問題未然防止事業推進地域」の研究指定を活用し、スクールカウンセラーの活用や、校種間の連携強化による未然防止の取組を進めることを表明した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
◇
▼信頼に応える魅力ある学校づくりの推進
▽生きる力を育む教育課程の編成・実施・改善
次期学習指導要領への移行を見据え、新しい教育課程への接続を視野に入れた教育課程の編成・実施・改善に取り組んでいく。
特に、外国語活動拡充への対応として、外国語指導助手(ALT)を増員して二人体制とし、外国語によるコミュニケーション能力の育成の充実に向けた体制整備をしていく。
また、道徳の教科化に向けては、小学校では移行措置の最終年として、指導計画の立案や授業改善の取組を進めていく。
▽学校評価を活用した学校運営の改善
すべての学校において、自校の課題を的確に把握し、校長の経営方針・経営重点の共有化、共同化を図り、組織的・継続的な学校運営改善サイクルを確立するための学校の自己評価とともに、学校関係者評価を実施し、その結果を公表していく。
なお、「地域とともにある学校」の仕組みとして導入が進められている「コミュニティ・スクール」については、本町でのこれまでの学校、家庭、地域の連携を踏まえ、よりよい導入の在り方について検討していく。
▽教員の資質の向上
二十九年度は、研究指定校を二校とし、指導力向上に向けた研修活動を支援していく。
また、教員が積極的に自己研鑚を図り、意欲をもって教育活動に取り組めるよう、指導室の学校訪問や情報提供を充実させるとともに、各種研修会・講座の開催や、参加への呼びかけ等支援していく。
▼確かな学力の育成
▽基礎・基本の確実な習得と活用能力の育成
町標準学力調査の実施によって「基礎・基本」や「活用力」の定着の状況、「学習に対する意識」等を詳細に把握するとともに、全国学力・学習状況調査の調査結果の分析も加味しながら、実効性のある学校改善プランを策定し、指導の改善・充実に生かしていく。
小・中学校のすべての通常学級に配置した実物投影機によってICT機器の有効な活用による授業改善を進めていく。
▼豊かな心の育成
▽いじめや不登校への対応
子どもたち自らがいじめの問題について考え、よりよい人間関係づくりを実現するため、「児童生徒によるいじめ根絶に向けた一学校一運動」の取組を推進するとともに、「いじめ根絶子ども会議」を開催し、各学校の取組を交流し合い、いじめ根絶に対する意識を高める機会とする。さらに、その様子を紙面にて紹介し、積極的にアピールすることで、家庭や地域と連携した活動へ発展させる。
不登校への対応については、幼保、小、中の連携を一層深め、小一プロブレム、中一ギャップなど環境の変化による不適応状況の予防に努める。特に、標茶中学校とその校区の三校の小学校において、道教委による「中一ギャップ問題未然防止事業推進地域」の研究指定を活用し、スクールカウンセラーの活用や校種間の連携強化によって未然防止の取組を進めていく。
▼特別支援教育
特別支援教育支援員の配置については、よりきめ細かな支援の必要性から標茶小に五人、標茶中に二人配置する。
▼教育環境の整備
スクールバスの老朽化による車両更新を図る。
学校施設等整備については、標茶中校舎・講堂防音事業の実施に向けた、実施設計を進めていく。また、維持補修および衛生管理、教材・器具等の整備については、適切に対処していく。
(市町村 2017-03-22付)
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