メンタルヘルスを高める職場のコミュニケーションづくり №22 職場の職務軽減を考える(メンタルヘルス 2017-03-24付)
今号は、メンタルヘルスを損ねる最大の要因である、職場の職務軽減策の実例を説明します。当然ですが、職務軽減とは子どもたちのためにやるべきことをしない、教育活動に手を抜くということではありません。効率的・効果的に様々な活動を進めることであり、学校のリーダーが学校運営上、最重点に取り組まなければならない課題と言えます。
◆会議はルールを確立し進めていく
▽生徒指導会議の進め方
過重労働を感じる場面を聞くと、生徒指導上の問題が発生したときの会議が深夜まで及び、心身ともに疲れる教職員が多くいます。
生徒指導会議は、起きた事例について子どもの安全・安心のために、どう対応をしていくかを検討する場です。そのため、該当の子どもたちのためにどうしていくことが良いのか目標を設定し、そのためにどのような役割分担でどう対応していくのかが話し合いの中心になります。しかし、話し合いに時間がかかる理由の多くは、目標を明確にされないまま感想を述べ合ったり、グチを言い合ったり、批判し合ったりしているからです。
会議を充実した内容で効率良く進めるために、司会は生徒指導部長が務めます。会の進め方を全体に確認したあと、担任(担当)は事故の概要(担任の思いや感想は必要ない)と今後考えられる状況を客観的に説明し、質疑応答を行います(質問者は感想を述べない)。そのあと、問題解決のための目標を協議します。
関係機関との連携は、生徒指導部長が学校リーダーと話し合いながら進めます。
▽年度末会議・年度始め会議の進め方
年度末会議は、次年度に向けて、各種の資料をもとに各分掌や学年が改善点を協議する場です。年度始めの会議は、年度末会議を受け、次年度の方向性について具体的な共通理解を図る場です。ともに持論を語ったり、感想を述べ合ったりする会議ではありません。
進め方は、学校リーダーが前もって説明し、それに基づき会議を進めます。
こうした方法で会議を進めることによって、平日の午後数日間かかっていた年度末会議や年度始め会議を、二日間で終えることができるようになった学校もあります。
◆居残りについて
ある教職員の方から、勤務時間が終了し、部活動の指導が終わっても多くの先生が帰宅せず、遅くまで仕事をしたり雑談をしたりして帰宅しづらい雰囲気がある、との相談を受けました。職場のピア・プレッシャー(同調圧力)を強く感じての相談です。どうして帰宅できないのですかと訪ねると、「仲間外れにされそうな気がして怖いからです」と話してくれました。
こうした光景は、仕事の有無にかかわらず遅くまで残ることが習慣化している職場でよくみられます。こうした状況を改善するためには、勤務時間中に効率よく仕事を進めることや、休めるときには休み、しっかりした体調でつぎの日に備えることの大切さを職場の共通認識としてもたせるなどの抜本的な改革を、学校リーダーが先頭に立ち、継続し指導していく必要があります。
(公立学校共済組合北海道支部学校支援アドバイザー・石垣則昭)
(メンタルヘルス 2017-03-24付)
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