29年度石狩管内教育推進の重点 使命感もって経営を キーワードは「信頼と発展」―石狩管内小・中学校長会議(道・道教委 2017-04-14付)
石狩教育局は十二日、道庁別館で二十九年度管内小・中学校長会議を開催した。馬橋功局長が本年度管内教育推進の重点を説明。重点目標として、「やさしさとたくましさをもち、未来に向かって学び続ける子ども」「学ぶ楽しさや喜びがあふれ、人と人とのつながりを広げる学校」「学んだ成果を生かせる活力と潤いのある地域社会」の三点を挙げ、「揺るぎない信念と情熱、使命感をもった学校経営に尽力いただきたい」と呼びかけた。
管内における教育推進の重点はつぎのとおり。
【はじめに】
昨年度、管内教育推進の重点に基づき、学校経営の改善・充実に取り組んでいただくとともに、道教委の施策に対しても理解と協力をいただき、
▽一単位時間における見通す・振り返る活動の充実
▽次期学習指導要領改訂を見据えた取組の推進
▽「考え、議論する道徳」に向けた授業改善
▽「校内研修プログラム」等を活用した特別支援教育の充実
―などの成果がみられており、あらためてお礼を申し上げる。
教育局としては、こうした各学校の取組による成果やことし三月に公示された学習指導要領の改訂を踏まえ、情報化・グローバル化といった社会の変化が加速度を増す中、複雑で予測困難となっている時代を生きる子どもたちが、変化を前向きに受け止め、自らの人生をより豊かなものにできるよう、各学校との信頼関係のもと、これまでの取組を充実・発展し、各学校の個々の課題の解決に向け、総力を挙げて支援していきたいと考えている。
校長の皆さんには、リーダーシップを存分に発揮し、柔軟な発想で積極果敢に学校改革を進め、その取組や成果を保護者・地域住民に広く発信することを通して、学校への信頼を確かなものとし、学校・家庭・地域が一体となった教育活動の充実に全力で取り組んでいただくよう、大きな期待を寄せている。
それでは、二十九年度管内教育推進の重点について説明する。本年度も、皆さんの理解と協力をいただきながら、管内教育のより一層の充実・発展に努めていきたいと考えているので、よろしくお願いする。
「基本コンセプト」については本年度も変更せず、「知識と教養を身に付け 心豊かでたくましい人をつくる 石狩の教育」とし、キーワードの部分を、本年度は「信頼と発展」としている。
それぞれの取組内容については、管内教育推進計画の進捗状況について、昨年度、皆さんに評価していただいた内容をもとに、二十九年度に重点的に取り組んでいただきたい内容を精選した。
【重点Ⅰ やさしさとたくましさをもち、未来に向かって学び続ける子ども】
重点の一つ目は、管内教育推進計画の目指す姿である「やさしさとたくましさをもち、未来に向かって学び続ける子ども」について。
このことにかかわって重視していただきたい取組の観点を申し上げる。
▼学校全体で取り組む確かな学力の育成
一点目の「学校全体で取り組む確かな学力の育成」では、学校の重点的な取組を、「学校改善プランに基づく課題・目標・具体策の教職員間での共通理解および家庭等との連携と、分析ツールを活用した多面的・多角的な分析による指導計画や指導方法等の工夫改善」とし、校長の皆さんには、
▽授業評価等を活用した日常の授業改善
▽家庭や地域との学力に関する課題の共有
▽家庭学習の充実
▽チャレンジテストの活用
―など、これまで行ってきた子どもの学力向上に向けた取組を継続・徹底・強化していただくようお願いする。
▼道徳教育を基軸とした豊かな心の育成
二点目の、「道徳教育を基軸とした豊かな心の育成」では、学校の重点的取組を、「学習指導要領改正の趣旨を踏まえた校長の明確な方針に基づく道徳教育の諸計画および評価資料の作成・整備と道徳科の〝質と量〟の確保」とし、校長の皆さんには、
▽「道徳教育の全体計画(別葉)」の改善
▽道徳授業の量的確保と質的転換
▽評価資料の作成の準備
―など、道徳科への移行を見据えた取組を推進していただくようお願いする。
▼家庭や関係機関等と連携した健やかな体の育成
三点目の、「家庭や関係機関等と連携した健やかな体の育成」では、学校の重点的な取組を、「学校における体力・運動能力の向上に向けた取組の検証と改善、生活リズム・チェックシートの活用による家庭と連携した取組の充実」とし、校長の皆さんには、
▽新体力テストの全学年実施と分析を通した全体計画の改善や家庭や地域との体力に関する課題の共有
▽どさん子元気アップチャレンジへの参加
▽どさん子体力アップ強化月間の取組
▽家庭・地域と連携した望ましい生活習慣の定着に向けた取組の充実
▽フッ化物洗口の導入に向けた体制整備
―など、子どもの体力や生活習慣の状況を把握し、学校・家庭・地域が一体となった体力向上や望ましい生活習慣の定着に向けた取組の充実に努めていただくようお願いする。
【重点Ⅱ 学ぶ楽しさや喜びがあふれ、人と人とのつながりを広げる学校】
重点の二つ目は、「学ぶ楽しさや喜びがあふれ、人と人とのつながりを広げる学校」について。
このことにかかわって重視していただきたい取組の観点を申し上げる。
▼着実な成果を上げる学校経営の充実
一点目の、「着実な成果を上げる学校経営の充実」では、学校の重点的な取組を、「学校力向上に向けた学校の組織体制の整備と、保護者や地域住民の学校経営への理解を図る取組の充実」とし、校長の皆さんには、
▽校務分掌の見直し
▽小中連携などの学校間連携
▽スタートカリキュラムの作成など幼保・小の連携の充実
▽学校評価項目の工夫
▽学校運営等の状況の積極的な情報提供
―など、各中学校区において、義務教育修了時の目標とする子どもの姿を共有し、九年間を見通した教育活動を推進するための組織体制の構築に取り組んでいただくようお願いする。
▼教職員が一体となって取り組む教育課程の編成・実施
二点目の、「教職員が一体となって取り組む教育課程の編成・実施」では、学校の重点的な取組を、「教育課程の管理および適切な編成・実施・評価・改善、学習指導要領の趣旨やねらいおよび北海道の特色を生かした教育活動の充実」とし、校長の皆さんには、
▽教育課程の適切な管理
▽国旗・国歌の指導の充実
▽アイヌの人たちの歴史・文化等と北方領土に関する学習、本道の自然や文化、観光等に関する学習、安全・防災教育およびキャリア教育の充実
―など、教職員の共通理解に基づき、法令や学習指導要領等に基づいた適切な教育課程の管理および編成・実施、市町村教委や教育局と連携した北海道の特色を生かした教育活動の充実に取り組んでいただくようお願いする。
▼専門職としての力量を高める校内研究・研修の充実
三点目の、「専門職としての力量を高める校内研究・研修の充実」では、学校の重点的な取組を、「日常の授業改善に結び付く組織的・計画的な校内研究と、飲酒運転の根絶、服務規律の徹底を図る校内研修の推進」とし、校長の皆さんには、
▽学習指導、ICTの活用、生徒指導、特別支援教育および体罰等の根絶に向けたOJTの充実
―など、授業実践を中核に据え、日常の授業改善に直結する校内研究の推進や、教職員の飲酒運転の根絶、服務規律の徹底や体罰等の未然防止に向けた教職員研修の工夫などに努めていただくようお願いする。
【重点Ⅲ 学んだ成果を生かせる活力と潤いのある地域社会】
重点の三つ目は、「学んだ成果を生かせる活力と潤いのある地域社会」について。
このことにかかわって重視していただきたい取組の観点を申し上げる。
▼地域人材や団体の育成・活用による地域の教育力の向上
一点目の「地域人材や団体の育成・活用による地域の教育力向上」では、学校の重点的な取組を、「地域との連携の場や機会の拡充による地域人材や団体の活用の促進」とし、校長の皆さんには、
▽地域学校協働活動推進事業等の活用
▽学校サポーター派遣事業の活用
▽地域ぐるみの学校安全体制の整備
▽放課後子供教室等との連携
―など、地域との連携の機会をより一層拡充し、地域とともに進める教育活動の推進に努めていただきたいと考えている。
▼望ましい生活習慣の定着を基軸とした家庭教育支援の充実
二点目の「望ましい生活習慣の定着を基軸とした家庭教育支援の充実」では、学校の重点的な取組を、「望ましい生活習慣の定着に向けた保護者との連携の促進」とし、校長の皆さんには、
▽生活リズムチェックシート・「時間の目安」等の活用
▽朝読や家読の推進
▽就学時健診や参観日等の機会を活用した学習や情報提供の推進
▽PTA活動の活性化
―など、望ましい生活習慣の定着を一つの柱としながら、家庭教育支援の充実に努めていただきたいと考えている。
▼いじめや不登校の未然防止等に向けた子どもの健全育成の取組の充実
三点目の「いじめや不登校の未然防止等に向けた子どもの健全育成の取組の充実」では、学校の重点的な取組を「PDCAサイクルに基づく〝学校いじめ防止基本方針〟の改善充実、全教職員が一体となった取組の充実」「不登校が生じない学校づくり、組織的・計画的な不登校児童生徒への支援の推進」とし、校長の皆さんには、いじめ防止の具体の取組内容として、
▽いじめアンケートや教育相談、子どもが主体となった取組、情報モラルに関する指導の充実
―など、不登校防止の具体の取組内容として、
▽「早期発見支援プランシート」「個別指導プログラム」などの効果的な活用の充実
―など、いじめ根絶に向け、子ども同士がより良い人間関係を構築するための取組を進めるとともに、不登校の子どもをなくすため、家庭や関係機関との連携を強化していただきたいと考えている。
【むすび】
二十五年度に策定した管内教育推進計画について、本年度が計画の最終期となる。校長の皆さんには、管内教育推進計画ならびに、それぞれの年度に示した推進の重点を踏まえ、これまで学校経営を行ってきたことと思う。本年度も、学力・体力の向上、豊かな心の育成、いじめ未然防止、早期発見・早期解消など、様々な教育課題に対して、揺るぎない信念と情熱、使命感をもった学校経営に尽力いただくようお願い申し上げる。
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