29年度十勝管内教育推進の重点 社会の〝創り手〟育成を 十勝らしい学びの実現など重点に―十勝局が小・中校長会議
(道・道教委 2017-04-17付)

帯広管内教育推進の重点-2
十勝帯広管内教育推進の重点(クリックすると拡大表示されます)

 【帯広発】十勝教育局は十二日、十勝教育研修センターで二十九年度小・中学校長会議を開催した。竹林亨局長が本年度における管内教育推進の重点を説明。「確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた育成」「家庭や地域の協力を得た十勝らしい教育の充実」の二点を大きな柱に、「学力の向上」「豊かな心と健やかな体の育成」「信頼される学校づくり」「十勝らしい一人ひとりの学びの実現」の四点を教育推進の重点に設定した。竹林局長は、これに沿った教育活動を要請するとともに、一校を預かる校長として、教育の動向を注視し、高い志をもって、学校経営にまい進するよう呼びかけた。

 管内における教育推進の重点はつぎのとおり。

【国・道の教育施策の動向】

 現在、少子・高齢化や人口減少、グローバル化や高度情報化など、社会が大きく変化している。予測困難な時代を生きていく子どもたちに、未来の創り手となる力を育むことが教育に求められている。

 こうした中、本年三月、新しい学習指導要領が告示され社会とのつながりを大切にする「社会に開かれた教育課程」の実現が期待されている。

 また、本道においては、二十九年度は、「北海道教育推進計画」および「北海道総合教育大綱」の目標設定の最終年度となっている。

 こうした国や道の動向を踏まえ、「確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた育成」「家庭や地域の協力を得た十勝らしい教育の充実」を管内教育推進の二つの基本的な考え方として、各市町村教育委員会ならびに校長との連携を一層深め、教育施策を推進していく。

【十勝管内教育推進の重点】

▼学力の向上

 公教育を担う学校には、社会で活きる力の中核をなす「確かな学力」をすべての子どもたちに確実に身に付けさせるなど、全国同一水準の教育の質を保証していくことが求められている。

 このことから、学校全体で教育の質の向上が図られるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを三点申し上げる。

 一点目は、「検証改善サイクルに基づく組織的な学力向上の取組」について。

 子どもたちが教育活動を通して、自己肯定感や学習意欲を高め、自らの成長を実感するとともに、その姿を保護者と共有していくことが大切であり、そのためには、子ども一人ひとりの学習状況を適切に把握し、教育活動による成果を組織的に検証し、指導の改善に生かすというPDCAサイクルを計画的に実施する必要がある。

 教育局としては、「各学校における組織的な取組を促進するための〝組織力強化会議〟の開催」「義務教育指導監や義務教育指導班の学校訪問を通した指導助言」「学校力向上に関する実践事業の成果の普及」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては、「全国学力・学習状況調査やチャレンジテストにとどまらず、NRTやCRT調査をはじめ、定期テスト・単元テスト等を効果的に活用し、子どもの成長を確認する取組」「少人数指導やTTによる指導の改善、補充的な学習の充実や家庭学習など、学習内容を確実に身に付けさせるための個に応じた指導の徹底」「授業評価等を検証改善サイクルに位置付けた授業改善の取組」「学校の取組を家庭と共有し、学習習慣・生活習慣を確立する取組」を推進するようお願いする。

 二点目は、「言語活動の充実による 思考力、判断力、表現力等の育成」について。

 これからの社会においては、新たな課題を主体的・協働的に解決していく力を身に付けさせることが大切であり、そのためには、学びの質を高める授業改善に努める必要がある。

 教育局としては、指導主事の学校訪問や各種研修事業などを通して、新しい学習指導要領等の考え方を共有するための各学校の取組を支援していく。

 各学校においては、「校内外の研修を通して、主体的、対話的で深い学びの在り方について理解を深め、学びの質を高める授業改善を図る取組」「学校全体でICT機器を活用した分かる授業づくりの取組」を推進するようお願いする。

 三点目は、「学びの連続性を踏まえた校種間の円滑な接続」について。

 各学校段階ごとの特徴を踏まえつつ、目指す子どもの姿を共有することが大切であり、そのためには、各地域においては、中学校区での指導方法や検証方法等の共有を進めていく必要がある。

 教育局としては、「小中一貫教育推進事業や小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業などの成果や管内の実践例の普及」「地域の子どもたちを育成するという視点を重視し、道立学校と市町村教育委員会との連携の促進」などに取り組んでいく。

 各学校においては、「各市町村単位や中学校区で学習規律や学習過程等を統一し、系統性を踏まえた指導を徹底するとともに、保護者と共有する取組」「地域の子どもたちを育成するために、幼保小中高の円滑な接続ができるよう各学校段階における目指す子どもの姿を共有する取組」を推進するようお願いする。

▼豊かな心と健やかな体の育成

 子どもたちが、社会の一員として、よりよく生きていくためには、確かな学力を身に付けさせることはもとより、規範意識や社会性、思いやりの心とともに、生きる力の重要な源である健やかな体を育成することが求められている。

 このことから、子どもたちの豊かな人間性と社会性を育み、健康でたくましい体の育成が図られるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを二点申し上げる。

 一点目は、「豊かな人間性と社会性をはぐくむ」である。

 このことについて、二項目申し上げる。

 はじめに、「〝特別の教科 道徳〟の実施に向けた道徳教育の充実」について。

 「特別の教科 道徳」については、すでに移行措置期間となっており、三十年度の全面実施に向けた準備として、教育課程の編成を確実に進めることが大切であり、そのためには、道徳教育にかかわる諸計画の整備や、道徳の時間の授業改善などを進める必要がある。

 教育局としては、「推進体制の充実や道徳教育の諸計画の改善、授業改善など、教員の力量の向上を図る研修会の開催」「道徳教育推進校事業の成果の普及」「義務教育指導班による出前講座の実施」などに取り組んでいく。

 各学校においては、「〝全体計画の別葉〟や〝道徳の時間の年間指導計画〟を全教職員で見通し、作成する取組」「道徳の時間の授業を積極的に交流し授業改善を図るとともに、校内研修を通して評価の在り方について研修する取組」をお願いする。

 つぎに、「いじめや不登校の未然防止、早期発見・早期解消の取組」について。

 いじめのない安心して過ごせる学校にするためには、子どもたち一人ひとりの心の中に、「いじめをしない」という規範意識を育てることはもとより、「いじめを見過ごさない」行動ができるようにすることが大切であり、そのためには、学校・家庭・地域が思いを共有し、連携した取組を年間を通して推進する必要がある。

 教育局としては、「〝いじめを見過ごさない子どもを育てる〟をテーマとする〝十勝管内地域いじめ問題等対策連絡協議会〟の取組の周知と推進」「〝十勝教育を考えるつどい〟や〝十勝管内いじめ根絶強化月間(十~十一月)〟を市町村のいじめ防止の取組と連動させた取組の推進」「教育相談やネットトラブルの未然防止など生徒指導にかかる研修等の実施」「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣」などに取り組んでいく。

 各学校においては、「望ましい人間関係を醸成する学校経営・学級経営の取組」「各学校の〝いじめ防止基本方針〟の見直しや、十~十一月での〝十勝管内いじめ根絶強化月間〟の取組」「〝いじめについて考える〟道徳の授業や子どもたちが主体となった取組を位置付けたいじめ未然防止プログラムの充実に向けた取組」「関係機関と連携した不登校の子どもへの支援」「ネットトラブルを未然に防止するための取組」の充実をお願いする。

 二点目は、「健康でたくましい体をつくる」である。

 このことについて、二項目申し上げる。

 はじめに、「心身の健やかな成長を促す教育の充実」について。

 子どもたちが教育活動を通して、自己肯定感や達成感を高め、自分の体力の伸びを実感するとともに、その成果を保護者と共有していくことが大切であり、そのためには、組織的な体力向上の取組を推進する必要がある。

 教育局としては、「各市町村や研究団体等と連携し、十月の〝どさんこ体力アップ強調月間〟の取組」「体育専科教員活用事業等の成果や各学校の体力向上の取組の普及」「体力向上にかかる教員研修の充実」などを通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては、「学校が保護者や地域と体力向上への取組を共有し、家庭や社会教育と連携して、児童生徒が日常的に運動に親しむ機会を増やす取組」「目標を設定した継続的な体育活動や新体力テストの複数回実施など子どもたちが自分の体力の向上を実感できる機会の工夫」「子どもたちが〝できるようになった〟ことを実感できる体育(保健体育)の授業の推進」をお願いする。

 また、教育局としては、子どもたちの虫歯を予防するため、関係機関と連携し、フッ化物洗口の実施にかかわる支援を引き続き行っていく。

 つぎに、「地域と連携した安全教育の充実」について。

 八月に十勝を襲った自然災害や、交通事故、犯罪被害等の危険から、子どもたちが自らの身を守るための行動をとれるようにすることが大切であり、そのためには、子どもの安全を守る体制を整備するとともに、子どもに危機対応能力を育成する必要がある。

 教育局としては、「学校安全教室の開催」「北海道実践的安全教育モデル構築事業の成果の普及」「不審者等に関する情報の迅速な提供」に取り組んでいく。

 各学校においては、「学校安全計画や危機管理マニュアル等の諸計画の改善」

「安全マップの作成や防犯教室の実施など、子どもの危機対応能力を育成する指導の充実」「関係機関と連携した〝通学路交通安全プログラム〟に基づく取組の充実」をお願いする。

 また、「通学路交通安全プログラム」が策定途中の教育委員会においては、警察や道路管理者、首長部局と連携し、策定に向けた取組をお願いする。

▼信頼される学校づくり

 学校が保護者や地域社会から信頼されるためには、教育の質を保証することはもとより、教職員が信頼される存在となることが何より大切である。

 このことから、信頼される魅力ある学校づくりが推進されるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを四点申し上げる。

 一点目は、「信頼の基盤となる服務規律の保持・徹底」について。

 管内においては、昨年度、教員によるわいせつ事故、体罰、交通違反など学校教育の信頼を損う事案が数多く発生しており、不祥事をゼロにする取組が強く求められている。 

 このようなことから、一層の服務管理と服務規律の保持・徹底を図る必要がある。

 教育局としては、「管内コンプライアンス会議」を五月、早期に開催し、管内全体の重点目標の設定と年間を通した取組の立案を推進していく。

 各学校においては、「年間を通した定期的な職場研修の実施や、教育公務員としての自覚を促す指導の徹底、透明性の高い指導体制の確立など、不祥事の未然防止に向けた取組」「校内での教育活動の課題などについて常に情報共有を図るとともに、不祥事発生の兆候を見逃さないよう、管理職および教職員相互のチェック機能の強化」をお願いする。

 二点目は、「学校運営の組織的・継続的な改善を図る学校評価の工夫」について。

 学校運営に当たって、保護者や地域住民の思いを生かしながら、全教職員がチームとなって組織的に教育活動に取り組む魅力ある学校を創造することが大切であり、そのためには、学校評価を活用し、不断に学校運営を見直す学校改善を進める必要がある。

 教育局としては、学校と地域、各市町村教育委員会と教育局が課題を共有し、課題解決に向けた継続的・計画的な支援をしていく。

 各学校においては、「学校評価を複数回実施するなど、短いスパンとスピード感をもって学校運営を見直す取組」「学校評価の結果を保護者や地域に分かりやすく説明するなどして、保護者や地域と課題を共有した学校改善の取組」を推進するようお願いする。

 三点目は、「人材育成を進める取組の充実」について。

 教育の直接の担い手である教職員一人ひとりの資質・能力の向上を図ることはもとより、管理職の大幅交代期が間近に迫った中で、今後の十勝教育の発展に向け、将来、学校運営に携わる優れた人材を育成することが求められており、そのためには、主任層を学校運営に積極的に参画させるとともに、若手教員やミドルリーダーの育成に努める必要がある。

 教育局としては、「各市町村教育委員会や校長会と連携し、中堅教員やミドルリーダーに対する学校経営、学校運営にかかわる研修会の設定や女性管理職の育成と女性活躍を目指した研修会の計画的な開催」「教育課程や学校運営の理解を深めるため、若手教員やミドルリーダーなど、教職経験等に応じた研修会の開催」「学校力向上に関する総合実践事業の成果の普及」に取り組んでいく。

 各学校においては、「中堅教員に学校運営の中核的な役割を分担したり、校外研修への積極的な参加を促したりするなど、学校運営の参画意識を高める取組」「学校職員評価制度による面談やメンターチームを活用したOJTなど、経験等に応じた計画的な取組」などを推進するようお願いする。

 四点目は、「管内教育の活性化を図るブロック間異動の推進」について。

 管内教育の活性化を図る人事交流を適正に推進することが大切であり、そのためには、人事異動の趣旨をより周知し、それぞれの教職員が新しい所属においても高い使命感をもって職務に邁進できるよう働きかける必要がある。

 教育局としては、「〝十勝管内公立小中学校教職員人事推進会議〟を開催し、各市町村教育委員会と共通認識をもち、教職員人事の活性化に向けた方策等の協議」「〝公立小中学校管理職の他管交流の推進について(道教育長通知)〟による管理職の広域人事、〝北海道公立小中学校教職員広域人事実施要項〟および〝十勝管内公立小中学校教職員広域人事推進方針〟による教職員の広域人事の促進」に取り組んでいく。

 各学校においては、教職員のキャリアアップにつながる「十勝管内公立小中学校教職員人事異動実施要項」に基づく、人事交流を推進するとともに、人材育成の意識の醸成をお願いする。

▼十勝らしい一人ひとりの学びの実現

 子どもたち一人ひとりの健やかな成長を促すためには、十勝らしい学びを地域総ぐるみで実現することが求められていることから、「十勝らしい一人ひとり人の学びの実現」について、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを三点申し上げる。

 一点目は、「新しい時代を切り拓く力を身に付けさせる」である。

 このことについて、二項目申し上げる。 

 はじめに、「今日的な教育課題に対応する取組の充実」について。

 変化の激しい社会を生きる子どもたちには、ふるさとへの愛情や誇りを育み、新しい時代に必要な資質や能力を身に付けさせることが求められており、これまで以上に地域の未来を担う人材を育成するという観点を明確にし、系統的なふるさと教育やキャリア教育、グローバル化に対応する外国語の能力を育成する必要がある。

 教育局としては、「小中高一貫ふるさとキャリア教育の取組の視点を管内全体に広めるなど、学校間の連携と学びの接続への支援」「北海道ふるさと教育・観光教育推進事業の成果の普及」「グローバル化に対応した英語教育指導力向上研修など外国語教育にかかわる研修会の充実」「義務教育指導班による外国語教育にかかわる出前講座の実施」などに取り組んでいく。

 各学校においては、「小・中学校だけでなく地元の高校とも連携して、地域にかかわる学習の体系化や指導計画を見直す取組」「外国語活動および外国語の先行実施に向けた取組」「CAN―DOリストに基づく中学校、高校の外国語の学習活動の取組」を推進するようお願いする。

 つぎに、「子どものニーズに応じた特別支援教育の推進」について。 

 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の施行に伴い、障がいのある子どもたちも安心して学校生活を送り、一人ひとりの可能性を伸ばしていくことができるようにすることが求められており、そのためには、これまで以上に、子ども一人ひとりのニーズに応じた指導の一層の充実を図る必要がある。

 教育局としては、「幼保・小との連携や特別な教育的支援を必要とする子どもたちの円滑な引き継ぎのために、福祉と教育の連携の促進」「特別支援教育にかかわる各種研修会や巡回相談など学校の指導体制の充実への支援」「チーム学校での支援体制が構築できるよう〝校内研修プログラム〟の活用と普及」などに取り組んでいく。

 各学校においては、「〝個別の教育支援計画〟や〝個別の指導計画〟を特別支援学級に在籍している子どもはもとより、通常の学級に在籍している特別な教育的支援を必要とするすべての子どもについて作成する取組」「〝個別の教育支援計画〟に合理的配慮を明記し、全教職員が共通の指導方針で指導に当たる取組」「〝校内研修プログラム〟や〝実践事例集〟を活用した校内研修を実施し、全教職員が指導方針を共有するとともに、指導力の向上を図る取組」「幼稚園や保育所等と小学校、教育委員会、保健福祉部局が情報共有する引き継ぎの実施」を推進するようお願いする。

 二点目は、「家庭や地域の教育力を一層高める」である。

 このことについて、三項目申し上げる。

 はじめに、「地域ぐるみによる教育の推進」について。

 子どもたちの健やかな成長を支えるためには、学校、家庭、地域が連携し、地域ぐるみで子どもたちを守り育てる環境をつくることが大切であり、そのためには、地域住民が学校運営に参画し、学校の教育活動を支援する体制づくりを推進する必要がある。

 教育局としては、「コミュニティ・スクール導入を推進するために、先行市町村の取組を普及する校長・教頭等を対象にしたブロック研修会やコーディネーター養成のための研修会の開催」「土曜授業や土曜学習の導入を検討している市町村に対し、先進校の実践を紹介するなどのニーズに応じた支援」に取り組んでいく。

 各教育委員会や各学校においては、「市町村の教育行政執行方針や教育大綱にコミュニティ・スクールの推進を位置付けるとともに、首長部局と連携した取組の推進」「土曜授業や土曜学習における地域の教育力を活用した豊かな体験活動の充実」をお願いする。

 つぎに、「家庭の教育力の向上」について。

 子どもたちを守り育てる体制を推進するためには、学校はもとより、家庭の教育力を一層高めていくことが大切であり、そのためには、保護者が家庭教育や子育てについて学んだり、相談したりできる場を拡充する必要がある。

 教育局としては、「子どもの学力・生活習慣改善研修会の開催」「〝学びカフェ〟の取組や〝家庭教育ナビゲーター指導者研修会〟での家庭教育ナビゲーターの育成」「ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着に向けた〝どさんこアウトメディアプロジェクト〟の推進」「道立図書館と連携した学校図書館活用促進事業の実施」などに取り組んでいく。

 各教育委員会や学校においては、「ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着に向けた取組」「生活リズムチェックシートの継続的な活用」「子ども読書推進計画の策定や学校司書の配置など、子どもの読書環境の充実を図る取組」をお願いする。

 最後に、「活力ある地域づくりを目指す社会教育の推進」について。

 地域住民が生涯を通じて健やかに充実した生活を送ることができるよう、活力ある地域づくりが求められており、そのためには、地域住民に対し、多様な学習の機会を提供するとともに、学習成果を生かすことのできる環境を整備する必要がある。

 教育局としては、「地域人材や学習ボランティアの育成」「道民カレッジ連携講座への登録の促進」「地域に伝わる民俗芸能への興味・関心を高める〝ほっかいどう子ども民族芸能振興事業〟の実施」「イングリッシュミーティング(市町村主催)を開催する際に、道教委のプログラムの提供やALTの派遣などの取組」を行っていく。

 各教育委員会や学校においては、「道民カレッジへの登録や講座(ジュニア講座)の利用や〝ほっかいどう学検定(ジュニア検定)〟の受検の促進」「市町村主催のイングリッシュミーティング等の実施」をお願いする。

 三点目は、「十勝教育の日の趣旨を生かした取組の充実」について。

 十勝管内のすべての学校、家庭、地域、行政機関、教育団体等が連携して子どもたちを育てていくことが大切であり、そのためには、「十勝教育の日」の趣旨を生かした取組の充実を図り、「十勝はひとつ 子どもたちのために」の機運を一層高める必要がある。

 教育局としては、「〝十勝教育を考えるつどい〟における〝どさんこ☆子ども地区会議〟の充実」「家庭ふれいあいキャンペーン〝とかち家族だんらんノーテレビデー〟の取組」など、十勝教育の日の趣旨を生かした取組を教育委員会と連携して推進していく。

【むすびに】

 第四次産業革命ともいわれる時代の到来が社会や生活を大きく変えていくとの予測がされる今日、いかに時代が変わろうとも、子どもたちが自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが学校教育に課せられた責務であると考える。

 一校を預かる校長においては、教育の動向を注視し、高い志をもって、学校経営にまい進されることを期待申し上げる。

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小・中学校長会議竹林局長
竹林局長が管内教育推進の重点を説明した

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