メンター研修の取組紹介 道教委が啓発資料を作成(道・道教委 2017-04-25付)
『教員の学びへのサポート』
道教委は、啓発資料『教員の学びへのサポート~学校の実態に応じた〝メンター研修〟を中心として』を作成した。文部科学省委託「総合的な教師力向上のための調査研究事業~メンター制等による研修実施の調査研究」の一環。複数の先輩教員が若手教員を育成する「メンターチーム」による研修など、学校が組織的に初任段階教員の学びを支援する取組事例を紹介。全道の公立学校、市町村教委に配布し、活用を呼びかけている。
二十八年度に実施した同事業では、調査研究校十校(いずれも小学校)を指定。各校では、複数の先輩教員が助言者、支援者を意味する「メンター」となり、採用五年目以下の若手教員を育成する「メンターチーム」を設置。初任者の資質・能力の育成を図るとともに、初任者育成を通じて学校全体の教員の指導力向上を促進した。
調査研究校は、メンターチームによる研修など、学校が組織的に初任段階教員の学びを支援する取組が、その成長にとって効果的であることを確認。それらの報告を受け、道教委は、調査研究校の実践事例などをまとめた啓発資料を作成した。
資料では、調査研究校十校におけるメンター研修の取組を、校内体制や年間計画、事例、成果、課題の観点で整理し紹介している。
このうち、石狩市立花川小学校の実践事例では、若手教職員に共感的に接すること、先輩教員が経験談を伝え、相談しやすい環境をつくることなどのポイントを示している。
併せて、調査研究校以外の中学校、高校、特別支援学校、小規模校の取組例も掲載している。
また、巻末に同事業の講師が、「北海道における〝メンター研修〟の普及への期待」と題したコメントを寄せている。
横浜国立大学教育人間科学部附属教育デザインセンター講師の脇本健弘氏は「ポイントは、〝初任者が本音で話せる〟〝先輩教師の経験談がある〟〝参加者の主体的な企画がある〟ことで、管理職のかかわりが重要」と指摘。ハードルの高い課題に取り組む経験や、振り返りの大切さを挙げている。
北海道大学大学院教育学研究院準教授の姫野完治氏は、風通しの良い学校づくりにもつながるメンター研修の効果、若手とベテラン教員が感覚を共有することの大切さを指摘し、「メンター研修を学校改善へとつなげていくには、メンターチームが学校の中で浮いてしまわないための配慮が大切」などとアドバイスした。
道教委では、「各学校の実態に応じ、柔軟に活用して初任段階教員の学びを支援してほしい」と活用を呼びかけている。同資料は道教委ホームページの教員研修ページからダウンロードできる。
(道・道教委 2017-04-25付)
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