〝明日を創る〟子育む 29年度の学校教育指導の重点―帯広市教委(市町村 2017-05-31付)
【帯広発】帯広市教委は、二十九年度における学校教育指導の重点をまとめた。帯広市教育基本計画の理念「ふるさとの風土に学び 人がきらめき 人がつながる おびひろの教育」を掲げ、目指す学校教育の姿に「明日の帯広を創る児童生徒を育む~知・徳・体の調和のとれた学校教育の推進」を設定。「特色ある教育を展開し、生きる力を育む開かれた信頼される学校経営の推進」など、四つの柱をもとに、学校・家庭・地域および関係機関が連携・協力しながら地域に開かれた教育活動を展開していく。
本年度の学校教育指導の重点はつぎのとおり。
【特色ある教育を展開し、生きる力を育む開かれた信頼される学校経営の推進】
▼生きる力を育む、創意工夫を生かした教育課程の編成、実施、評価、改善
▽学習指導要領のねらいのより一層の実現を目指し、改訂の趣旨を踏まえ、必要な指導時間の確保や内容の充実を図り、自校の特色を生かした適切な年間指導計画を作成・実施し、評価と改善に努める。
▽自主的・自律的な学校経営に努め、様々な支援事業等を活用し、「おびひろっ子を育む九年教育プログラム」の実践を通して、ふるさとの自然の厳しさや豊かさ、先人の営みや英知に学ぶなど、地域や学校の特色を生かした多様で個性的な教育を展開する。
▽校務分掌や学年・学級経営を連動させ、重点教育目標の具現化に努める。
▽学校評価を適切に実施・公表・活用し、組織マネジメントを確立して、学校改善と活力ある学校経営に努めるとともに、教職員一人ひとりの意識改革を図り、経営参画意識を高める。
▼公教育に携わる専門職としての自覚と専門性の深化を図る研修の充実
▽教育の専門家として確かな力量を身に付け、人間力の向上を図るために、体系的な校内研修と主体性を重視した自己研修を組織的・計画的に推進する。
▽公開研究会・地域公開参観日等による研修成果の積極的な公開と、指導主事をはじめ様々な分野の専門家等、外部講師の活用を図り専門性の深化を図る。
▽教育研修センター、教育研究所等の各種研修会や、公開研究会・地域公開参観日等に積極的に参加し、実践的指導力の向上に努める。
▽学校職員人事評価制度を生かし、教育の専門職として力量の向上に努める。
▽エリアの日等を活用し、異校種の理解を深め、教育者としての専門性の深化に努める。
▼保護者や地域の信頼に応える開かれた学校づくりの推進
▽各学校の「学校いじめ防止基本方針」の点検と見直しを進め、いじめの根絶に向けた実効ある対策を推進し、子どもたちが安心して学校生活を送ることができるように努める。
▽ホームページや各種の通信を通して、学校の教育活動に関する情報を積極的に発信するとともに、学校支援ボランティアや「こども学校応援地域基金プロジェクト」等の活用を通して、学校と家庭や地域、関係機関および異校種間の連携・協働関係の強化に努める。
▽保護者・地域の意向を適切に把握し、学校運営の状況を適切に点検・評価し、自己評価の結果およびそれを踏まえた学校関係者評価の結果を改善の方策と合わせて公表するなど、点検・評価を生かした教育活動の充実を図る。
▽教職員一人ひとりが、全体の奉仕者として職務を遂行すべき責務を負っていることを自覚し、教育公務員として自らを厳しく律し、服務規律を順守する。また、今日求められるスクール・コンプライアンスを徹底するとともに、教職員も地域の一員であるという意識をもち、地域の活動への積極的な参加に努める。
▽体罰は決して行わず、暴言は厳に慎むことを校内で共通理解し、その意志を積極的に発信する。
【基礎・基本の確実な定着を図り、自ら学び自ら考える力を育てる指導の充実】
▼調和のとれた具体的な指導計画の作成と改善
▽全国学力・学習状況調査や標準学力検査等の結果の分析を通して、学校全体の傾向および一人ひとりの児童生徒の学力や学習の状況を把握して課題を明らかにするとともに、学校改善プランに基づいて指導計画の改善・充実を図る。
▽「確かな学力」の育成・向上のため、主体的・対話的で深い学びを目指す授業改善はもとより、放課後や長期休業中の学習支援の充実を図るなど学校の創意工夫を生かした取組とその検証・改善を図る。
▽各教科の関連を図った指導計画ならびに評価計画の作成を行うとともに、学年間・異校種間における系統的な指導につながるよう、その改善を図る。
▽総合的な学習の時間については、その趣旨を十分に受け止め、各教科、道徳、外国語活動および特別活動と相互に関連付けて、各学年の目標や内容などを含めた学校としての全体計画の改善・充実を図る。
▼指導方法や指導体制の工夫と改善
▽基礎的・基本的な知識や技能の確実な習得のために、基本的な学習内容の重点的な指導や繰り返し・反復指導等の充実を図る。
▽思考力・判断力・表現力等を育むために、観察や実験レポートの作成、論述といった知識や技能を活用する学習活動を充実させる指導の工夫に努める。
▽家庭や地域の幅広い人々の参画・協力のもと、ふるさと十勝・帯広を「教材」として効果的に活用しながら、遊びや体験、創造活動などを通じて主体的・対話的で深く学ぶ「帯広版アクティブ・ラーニング」などを意識した指導の工夫に努める。
▽児童生徒の自主的・自発的な学習が促されるよう少人数指導や習熟の程度に応じた指導、チームティーチングなど多様な学習スタイルに取り組む。さらに個別指導やグループ別指導、補充的な学習や発展的な学習を取り入れた指導等、児童生徒の実態に応じた指導体制の工夫改善を進め、個に応じた指導の充実に努める。
▽エリア・ファミリー構想を推進し、学校種間の連携を強化し、「おびひろっ子」を育む「九年教育プログラム」に基づき、義務教育九年間を通して、発達段階に応じた適切な指導の充実に取り組むとともに、高校・帯広畜産大学などとの連携や、様々な分野の専門家や関係機関・団体との連携による指導の充実に努める。
▽学校図書館の活用や帯広市図書館との連携による読書活動を推進し、各教科における指導はもとより、学校生活全体を通して言語に関する関心・能力を深めるための言語環境を整え、言語活動の充実を図り、児童生徒の読む力の向上に努める。
▼児童生徒のよさや指導の成果を把握する評価の工夫と改善
▽目標に準拠した評価計画の作成に当たっては、指導と評価の一体化を進め、評価規準や評価方法について工夫改善を図るとともに、児童生徒や保護者への十分な説明に努める。
▽児童生徒一人ひとりのよい点や可能性、学習の状況などを的確にとらえるために自己評価・相互評価の充実を図るとともに、児童生徒が課題意識をもって学習を進めていけるよう、学習の見通しを立てたり学習した内容を振り返ったりする活動を計画的に取り入れる。
▽的確に評価・評定を行うため、補助簿の日常的な活用および工夫改善に努める。
【人間的なふれあいを重視し、豊かな人間性や社会性を育てる指導の充実】
▼調和のとれた心の教育の充実
▽正義感や公正さを重んじる心、生命や人権を尊重するなどの倫理観、他人を思いやる心や美しいものに感動する心など、豊かな人間性を育み、わが国や郷土の伝統と文化に対する関心や理解を深め、未来への夢や目標を抱いて生きようとする態度を育てる。
▽道徳の時間を要とし、教育活動全体を通じて、道徳的価値およびそれに基づいた自己の生き方についての考えを深め、児童生徒の実態に応じて道徳的実践力を育成する。
▽集団宿泊活動やボランティア活動、職場体験活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して、児童生徒の内面に根ざした道徳性を育成する。
▼深い児童生徒理解と信頼関係に基づく生徒指導の充実
▽学校として、いじめの未然防止や不登校児童生徒へのかかわりなど積極的な生徒指導体制を築くとともに、学校間および家庭や地域社会、関係機関などとの連携・協力を図る。
▽教師と児童生徒との信頼関係を築き、日常的に生徒指導の機能を生かして、広い視野から共感的理解をもって児童生徒理解を深め、個に応じた迅速で適切な指導を行う。
▽好ましい人間関係を基礎に、「アセス」や「ほっと」を活用し、児童生徒の内面をとらえ、豊かな集団生活が営まれる学級や学校の教育的環境を形成する。
▽児童生徒理解・教育支援シートを活用し、不登校児童生徒への組織的・計画的な支援を積極的に推進する。
▼自主的、実践的な態度と自己を生かす能力を養う特別活動の充実
▽児童生徒一人ひとりが学校や学級の生活によりよく適応したり、目的意識をもち、人間としての生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養ったりすることができるよう、ガイダンスの機能の一層の充実を図る。
▽児童会・生徒会活動等、望ましい集団活動を通し、集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的で実践的な態度を育成する。
▽家庭や地域社会との連携を深めながら、自然体験活動、ボランティア活動などの社会体験活動を通し、社会奉仕の精神や生活上のルールの習得、モラルの育成などを図る。
▽国旗・国歌の指導に当たっては、教科等との関連を図り、国旗および国歌に対する正しい認識をもたせるとともに、それらを尊重する態度を育成する。
【自他の生命を尊重し、心身の調和的な発達を図る体育・健康に関する指導の充実】
▼体力の向上と、自ら進んで運動に親しむ資質や能力の育成
▽全国および本市で実施する体力・運動能力等の調査を通して児童生徒の実態把握を行い、体育・保健体育の授業の充実を図るとともに学校の教育活動全体を通じて運動の機会を拡充するため、一校一実践の取組を通して、児童生徒の体力・運動能力の向上を図る。
▽心と体をより一体としてとらえ、豊かな自然や季節等の地域の特色を生かしながら発達段階や興味・関心等に応じた運動の合理的な実践を通して、運動の楽しさや喜びを味わわせ、 積極的に運動に親しむ資質や能力を育てる。
▽家庭や地域と連携して各種の運動を適切に行うことによって、活力ある生活を支え、たくましく生きるための基礎的な体力の向上を図る。
▽自らの運動の課題を自ら解決するなどの学習を重視し、運動を継続的に行う習慣を育て、生涯にわたる豊かなスポーツライフの基礎を培う。
▼自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力の育成
▽家庭や関係機関と連携した喫煙、飲酒、薬物乱用防止に関する指導の一層の充実を図るとともに、心と体のバランスや発達段階に即した性教育の適切な指導に努める。
▽身近な生活における心身の健康・安全について理解を深めさせ、健康で安全な生活を自主的に実践することのできる資質や能力を育成する。
▽生活習慣病、食物アレルギーのある児童生徒への対応、栄養バランスの取れた食生活などの課題や口腔の衛生などの指導を重視し、望ましい生活習慣の定着を図る。
▼自他の生命を守る判断力と実践的な態度の育成
▽日常生活における安全、交通安全および衛生に配慮し、危険を予測できる力や回避できる力を高めるために、日ごろからの注意の喚起や具体的な対応についての指導に努める。
▽各教科等における安全指導はもとより、適切な応急手当の方法、ロールプレイング、必要な体験的活動等を積極的に取り入れ、自然災害や不審者との遭遇等に対する心構えや適切に行動できる力を育てる。
▽生涯にわたって健康で生き生きとした生活を送るために、「早寝早起き朝ごはん」運動等に基づく家庭や地域との連携・協力を一層推進し、調和のとれた食事、適切な運動、休養および睡眠が必要であることの理解の促進を図る。
(市町村 2017-05-31付)
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