28年度札幌市優良PTA表彰―17校1園の取組(市町村 2017-05-31付)
札幌市PTA協議会(土田修会長)の二十九年度定期総会(三十日付8面既報)で、二十八年度優良PTA表彰が行われた。十七校一園のPTAが受賞。児童生徒の安全確保など、教育活動の充実に大きな役割を果たしてきたPTAの取組をたたえた。
受賞PTAおよび取組の概要はつぎのとおり。
▼あつべつきた幼稚園父母と先生の会
「夢.Com」のテーマのもと、親睦を兼ねた学級茶話会、園長が講師の合同茶話会、園行事のゲームコーナー担当など、子どもたちの生活を豊かにする活動をしている。また、PTA図書の貸し出し、通園路の植樹ますへの花植えなどの活動も活発に行っている。
園行事の日に、フリーマーケットを開催し、販売の収益を鑑賞会費に還元したほか、家庭教育学級との共催で研修会も開催している。
▼開成小学校父母と先生の会
PTAが主体となり、保護者と教職員、消防署、町内会などの協力によって、「防災シミュレーション」を行っている。災害時に避難所となる学校の体育館で、災害時の状況に近い形で、約二百人の児童と付き添いの教職員、保護者、地域住民が寝袋で一晩過ごす避難体験。十三年間継続しているこの取組は、「どんな危機にも対応できる生きる力を高めよう」をねらいとしている。地震や災害に遭遇したとき、正しい知識をもって、自分を守るという意識が芽生え、自分で判断して行動ができるようになる取組となっている。
▼札苗小学校保護者と先生の会
PTA主催の「もちつき体験会」は、児童・保護者・地域ボランティアなど百八十二人参加の本格的なもので、「臼と杵」を町内会から借用し、子どもたちと保護者が順番につき、子どもたちが自ら丸めて食べることとしている。
昔ながらのもちつきを子どもたちに体験させる催しであり、「古き良き慣習を次世代へつなげていこう」との強い思いが伺える。
▼西小学校保護者と教職員の会
各クラスに一ボックス三十冊程度の本が置かれている「ふれあい文庫」は、十年以上前に、PTAが特別会計から寄贈したもの。この本を読んだことがきっかけで図書館に通うようになった児童もいる。
年に一度、役員がすべてのボックスを点検・清掃を行うほか、本の補修をし、ふれあいまつりや資源回収などの収益金を不足本や修理用品の購入に充てている。
▼藻岩南小学校父母と先生の会
「一児童一役運動」を行っている。「緑化運動、花壇の整備」「ベルマーク集計」「交通安全運動」などの活動に、PTA会員が時間をかけ、汗を流しながら協力した。
また、本年度は区P連総務委員会担当校として、「親子ふれあい事業」の企画を担当。北海道博物館で、児童は楽しいひとときを過ごすことができた。
▼真駒内桜山小学校保護者と先生の会
「自分のできることにできる形で自主的に」を方針に掲げ、「運動会入場整理」「花壇整備・苗の植え付け」「校内の窓拭き」「プール開放」「スクールガード登録・見守り活動」など、学校の教育活動の充実のため、多くのPTA会員が「まこさくお助け隊」として活動している。
また、本年度の区P連研修大会の担当校としても貢献度が高い。
▼太平小学校父母と先生の会
「PTAの活性化」を重点目標として活動。低学年のスキー授業ではスキー脱着の手伝い、高学年では調理実習の補助、朝の読み聞かせなどを教職員と連携しながら実施し、参加型PTAを目指している。
「一人一役」を保護者一人ひとりに意識化を図り、花壇整備、開放プール監視員、運動会の朝の席決め担当など、多くの保護者が気楽に、できる範囲で活動に参加できる取組をしている。
▼緑丘小学校PTA
すべての「子ども110番の家」に、あいさつとお礼の訪問を行い、手づくりのスクールマップを作成し、子どもの安全を守る活動を行った。
また、ベルマーク運動に参加するなどの活動も行った。
▼向陵中学校PTA
区P連の研修委員会の担当校として協力。素晴らしい講演会・研修大会となり、大きな成果を上げた。
また、「ハッピーメダル」や「ハッピー賞」をつくり、PTA活動や行事に参加してよかったと思える雰囲気づくりに力を入れた。
▼東橋小学校保護者と先生の会
「PTAバザー」を二十二年度に「あずしょうまつり」と改称し、毎年十月の土曜参観後に開催している。当日は児童、保護者、教職員、地域住民など約四百人が参加するなど、PTAと地域が一体となる工夫と取組を行っている。
寄贈品や手づくり品の販売のほか、ミニ児童会館の「よさこい」や先生バンド、地域のコーラス隊、太鼓演奏などのステージ発表などを行った。児童も保護者も、毎年楽しみにするほど好評だ。
▼柏丘中学校父母と先生の会
出身小学校ごとに「地区委員会」を設置。資源回収や懇親会など、独自の活動をすることで、地域と保護者同士の交流を深めている。
また、おやじの会では、「各部活動とおやじの会との交流試合」「夜間巡視」「野菜の販売」「料理大会への参加」、校舎前に「高校合格祈願の大雪像」を作成するなど、生徒との交流を深める活動をしている。
▼西岡北小学校保護者と教職員の会
毎月ゼロのつく日を「PTA見守りデー」として、登下校時に、子どもたちの安全を守るための取組を行っている。保護者には、可能な日の登下校のどちらでもよいので、自宅から近い通学路で見守りの協力を呼びかけている。
本年度は十九回実施し、参加者は二百人ほど。保護者は、交通安全指導員やスクールガードと交流することができ、子どもたちも、保護者が見守ることで安心して登下校することができた。
▼月寒東小学校父母と先生の会
開校五十周年の記念事業として、PTAから学校に、記念誌『月さむひがし』一千八百冊(百二十万円相当)を寄贈した。この記念誌は、二十八年度の在籍児童、二十七年度の卒業生、町内会にも配布され、学校図書館にも百冊寄贈された。さらに、二十九年度から三十九年度の新一年生にも配布する計画だ。
この記念誌は、中学年の社会科の郷土学習の副教材として、大変有効な学習資料となっている。
▼厚別通小学校父母と先生の会
「今、子どもたちに必要とされている力とは?~小学校と中学校のつながりから考える」をテーマに、現PTA会長、前PTA会長、卒業生をパネリストに迎えて、「ワールドカフェ2016」を開催した。
保護者、教職員、地域住民、卒業生などが体育館に集まり、飲み物を片手に話し合いを行い、学校の教育活動との連携を深めている。ほかの学校の保護者とも交流するなど、大変有意義な取組となっている。
▼厚別西小学校父母と先生の会
地域社会と連携した取組の一つとして、「子どもたちが楽しみながら社会の仕組みを学ぶ」ことを目的に、「子どもが主役の街」厚西小オリジナル職業体験「あつにしキッザニア2016」を開催した。
また、PTA役員と保護者とのつながりを深めつつ、「子どもたちが自ら活動・体験できる夏を感じるイベント」として、体験型〝夏フェス〟を企画・実施した。
▼新発寒小学校父母と先生の会
四年前、共働きの家庭の増加によって、役員や各委員決めが困難となったため、PTA会長・副会長・書記の三人のみとし、学級代表や各委員会もなく、必要最小限の係活動のみとした。
しかし、学年や学級の横のつながりがなくなり、各委員会もないため、縦のつながりもなくなり、PTA会員のつながりがほとんどみえない一年となった。
「これでは、子どもたちのためによくない」と、再度PTA活動の内容の見直しと改善をはじめ、「役員・各学年学級代表等々の活動内容の大変さをなくし、ともに協力できるPTA活動」に取り組み、子どもたちのために保護者同士の縦・横のつながりが見えるPTA活動となり、今日に至っている。
▼手稲中学校保護者と先生の会
代表・各専門委員と係活動希望調査等の見直しと工夫を図った。代表・各専門委員の人数を増やし、この人となら一緒に引き受けるという欄を設けた。
また、代表・各専門委員と係活動の希望調査を別々に配布し、締切日を一緒にしたことで、全会員の希望調査ができた。そのため、どの学級もスムーズに決まり、新年度の活動に入ることができ、より充実した活動となった。
さらに、運営委員会の一回目と最後の会に、全学級の代表委員が集い、交流する機会を設けたことで、保護者と先生との連携・協力が、より図りやすくなった。
▼平岡中央中学校父母と先生の会
清田区P連の研修大会に向け、五回の運営校会議をはじめ、円滑な研修や運営となるように話し合いや準備を進めた。
また、研修会当日は数日前に降った雪でグラウンドが駐車場として使えなくなったが、車への対応など、運営スタッフの心遣いは他校の模範となった。
分科会においても、講義形式をあらため、「参加者と協働しながら、自らの考えを深め、課題を解決していく」参加型の手法を取り入れ、参加者の主体的な話し合いを中心に研修を深めた。
(市町村 2017-05-31付)
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