道教委指定校・石狩市花川小が公開研究協議会 子の力伸ばす授業改善を 筑波大・藤田教授招き特設授業等
(学校 2017-09-05付)

花川小総合実践事業公開研究協議会
藤田教授は、キャリア教育の在り方などについて解説した

 石狩市立花川小学校(松井明生校長)は八月二十九日、同校で学校力向上に関する総合実践事業実践指定校公開研究協議会兼地域連携研修事業研修会を開いた。同校をはじめ、管内小・中学校の教職員約九十人が参加。学校力向上に関する総合実践事業アドバイザーを務める筑波大学の藤田晃之教授を講師に招き、キャリア教育に関する特設授業や講演を実施した。

 同校は、二十四年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として学校改善に取り組んでいる。研究協議会はその一環として実施したもので、一人ひとりの力を伸ばす授業改善・学級経営の在り方について理解を深め、実践的指導力の向上を図ることが目的。

 はじめに、藤田教授が同校の五・六年生を対象に特設授業「夢の実現のために、今できること」を実施。小学生の夢として人気の高い「サッカー選手」「パティシエ」を例に、その実現のために必要な要素について話した。技術の習得だけではなく、全体の流れを理解し、先を読みながら作業を進める力、戦略を伝える言語能力なども必要となることを説明。その上で、それらが授業や学級活動などと結び付いていることを示し「学校で取り組んでいることは、皆さんの夢を実現するためのパワーになっている」と述べた。

 また、夢の実現の前に壁に当たった場合、それを乗り越える方法として「やり続ける」「自分の中の〝方向性〟に気づく」「仕事同士の〝ネットワーク〟を知る」の三点を挙げた。あきらめないことの大切さのほか、目標の職業にかかわる様々な選択肢があることを示した。

 引き続き、藤田教授が「次期学習指導要領が求めるキャリア教育の在り方~義務教育段階に焦点を当てて」と題して講演。キャリア教育の定義を「一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」とし、それを通して人間関係形成・社会形成能力、課題対応能力などの四つの基礎的・汎用的能力を身に付けさせるものと説明した。

 そのほか、現行学習指導要領と新学習指導要領におけるキャリア教育の概要を示し、学ぶ意義を考えさせるという点で「現行学習指導要領においても、次期学習指導要領においても、キャリア教育の方向性は変わらない」と述べた。

(学校 2017-09-05付)

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