道教育研究所連盟が研究発表大会日高大会　さらなる支援の在り方考察　講演、研究発表、協議など通し

（関係団体 2017-09-06付）

約９０人が研鑚を深めた

　【浦河発】道教育研究所連盟（委員長・前川洋道立教育研究所長）は八月三十一日から九月一日の二日間、浦河町総合文化会館で第七十二回道教育研究所連盟研究発表大会日高大会兼第五十九回全国教育研究所連盟道地区研究発表大会を開いた。道教育研究所連盟加盟機関の所員および研究員のほか、教育関係者合わせて約九十人が参加。講演や各部会での研究発表、協議などを通して教員研修の充実に向け研鑚を深めた。

　第十六次共同研究主題は「これからの時代の教員に求められる資質・能力の向上にかかる支援の在り方」（二十九～三十一年度）。各研究所・研修センターが学校支援のために活用する指導資料などの研修コンテンツを収集・提供するほか、各研究所などが実施する教員研修で、これからの時代の教員に求められる資質・能力の向上を図ることをねらいに研究を進めてきた。

　開会式の冒頭、前川委員長があいさつに立ち「学校は〝質の高い人材育成〟の中核となる場。それを担う教員の役割は大きい」と述べた上で「先輩教員から若手教員への伝承が難しくなっている近年、校内研修の組織体制を整備することは大変重要である」と強調し、二日間の研究協議が実りあるものになるよう期待を寄せた。

　全体発表では、第十六次共同研究の研究内容と経過報告が行われ、研修コンテンツの作成や校内研修の活性化を図る実践事例、授業改善を促す映像資料などを提供していくほか、ＩＣＴの活用による支援として、ビデオ通話ソフトウエアによる遠隔研修に取り組んでいくことなどを提示した。

◆国研・藤原氏が講演

　このあと、国立教育政策研究所初等中等教育研究部の藤原文雄副部長・総括研究官を講師に「北海道の現状を踏まえた教員研修の在り方」と題し、記念講演が行われた。

　藤原副部長は、国研がまとめた『学校組織全体の総合力を高める教職員配置とマネジメントに関する調査研究報告書』の内容を説明し「学校とは、子どもたちを幸せにできる組織。どういった仕組みをもったら幸せにできるのかを考えることが大切」と強調。また、「兼任で働く教育研究所の所員は、〝教育の現場と行政との仲介者〟という意識をもって、大人を育てるプロとして仕事に取り組んでほしい」と呼びかけた。

　二日目は、ビデオ通話ソフトウエアＳｋｙｐｅの体験や二部会に分かれてテーマごとの研究発表や協議などを行い、地域の実情の違いに応じた授業実践などについて研鑚を深めた。

(関係団体 2017-09-06付)