道高教組、道教組などの実行委 民主教育の確立目指す 1200人参加し全道合研(関係団体 2017-11-08付)
改訂学習指導要領などをテーマに討論
道高教組、道教組などで構成する実行委員会は三・四日、札幌市教育文化会館などで「2017合同教育研究全道集会」(=全道合研)を開いた。二日間で延べ一千二百人が参加し、テーマ「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立をめざして」のもと、テーマ討論や分科会などを行った。改訂学習指導要領についてのテーマ討論では「学習指導要領の改訂によって、学校は大変になるが、チャンスでもある」「教員が主体的に学習指導要領を読み取り、子どもにとって何が必要なのかを選び取って教えていかなければ」などの意見が出された。
全道合研では、初日午前中に札幌市教育文化会館でテーマ討論を実施。「新〝共通テスト〟で北海道の教育はどうなるのか」「改訂学習指導要領で子ども・学校・教育がどう変わる? 子どもたちの豊かな成長、教職員、保護者、地域住民の願う教育をめざして」「子どもの貧困と地域・学校」「北海道百五十年~今を生きるアイヌの視点から」の四テーマ別に協議した。
初日午後から二日目にかけては、教育文化会館をはじめ五会場で、教科別・課題別の二十四分科会に分かれ、参加者のレポートをもとに学習・意見交流を行った。
また、初日夕方には教育文化会館で教育の夕べを開き、ジャーナリストの斎藤貴男氏が「国民が真実を知るために」と題して講演した。
このうち、改訂学習指導要領についてのテーマ討論では、教員と保護者が話題提供者として出席し発表したほか、フロアの参加者も交え協議を行った。
ある小学校教員は「学校が年々窮屈になっている。学力や体力・運動能力など、数字に追われ、一喜一憂している。目先にとらわれ、子どもを長い目でみて、こういう力を付けたいという教育ができなくなった」と訴えた。
〝学校スタンダード〟として挙げられるルールについて「学校がやろうとしていることと、子どもや保護者の受け止めに距離を感じる」「学習上のルールは、子どもが深く学んでいく手立てとしてつくられるもの。それが目的化して、おかしくなっている」と指摘する声が挙がった。
小学校における英語の教科化については「学校として動き出せないでいるのが現状。情報がはっきりと分からない。ただ、子どもたちをこれ以上追い込むことになるのではと不安が大きくなっている」との報告があった。
道徳の教科化については「一時間の授業で何かが変わるというものではなく、将来に向かって子どもたちにこう変わってほしいという願いを伝えられる時間にできるのでは。授業づくりを通して、学級経営の振り返りにもなるなどと、前向きに取り組んでもよいのではないか」という意見が出された
さらに「学校や教育に対する市民の関心が高まっている今こそ、学校を改善するための声を挙げていきたい」「学習指導要領の改訂によって、学校は大変になるが、それだけではなく、逆にチャンスでもある。学習指導要領の内容を実践に引き寄せて使えるものもある」「教員が主体的に学習指導要領を読み取り、子どもにとって何が必要なのかを選び取って教えていかなければ。カリキュラムをつくり出していくという気概が必要」などと提起する意見が出された。
(関係団体 2017-11-08付)
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