帯広農業高が「豚の解体実習」　〝命〟いただく責任実感　屠畜から解剖まで手順学ぶ

（学校 2017-11-20付）

　【帯広発】帯広農業高校（二木浩志校長）は十日、帯広畜産大学で本年度一回目の「豚の解体実習」を実施した。酪農科学科の一年生四十人が参加。自分たちが普段管理している豚の屠畜から解剖を通して、作業手順を学習するとともに、あらためて命の尊さについて理解を深めた。

　この授業は、帯広畜産大と同校の連携事業の一環として、酪農科学科、食品科学科の一年生を対象に年間三回にわたって実施しているもの。本年度で十三年目を迎える。

　豚を解剖し、身体の仕組を知るとともに、屠畜から解体、加工までの流れについての知識・技術の習得を目的としている。

　この日は、同大生命・食料科学研究部門家畜生産科学分野家畜生命科学ユニットの日高智教授ら三人が指導を担当した。

　日高教授は、日本で豚の屠畜数が年間一千六百万頭にのぼることを伝えた上で「その中で我々は命をいただいているという認識を常にもたなくてはならない」と強調。また、食肉は専門の検査官によるチェックによって、安全に消費者へに届けられることを説明した。

　このあと、実際に豚を解剖。生徒たちは、四肢や頭部の切除などの光景に驚きながらも懸命に観察し、解剖の作業手順や検査方法を学習した。また、自分たちが管理していた豚の屠畜を通して、あらためて命の尊さを実感していた。

　参加した生徒たちは「普段自分たちが管理していた豚が屠畜されるところが衝撃的だった」「内臓摘出後は検査員によって細かく検査されることを知り、安全に肉が食べられる理由を知ることができた。あらためて生きた命をいただいて、毎日の営みができていると感じた」などと感想を述べていた。

なお、二回目には、枝肉を部分肉に解体する実習を行い、三回目には、加工して実際に試食する予定。

(学校 2017-11-20付)