がん教育研修会開く―道教委 外部講師活用の在り方共有 聖心女子大・植田教授講演(道・道教委 2018-02-13付)
聖心女子大の植田教授が外部講師の活用など、がん教育の進め方を示した
道教委は八日、札幌市内の道第二水産ビルでがん教育研修会を開いた。聖心女子大学の植田誠治教授が「学校におけるがん教育の進め方~効果的な授業展開のために」と題して、外部講師を活用したがん教育の在り方などを説明。旭川東栄高校の野口直美養護教諭ががん教育の実践を発表し、参加者は学校におけるがん教育の在り方について考えを深めた。=関連記事1面「解説」欄=
がん教育の意義や効果的な指導方法、がんに対する正しい知識、学校と外部講師との連携の在り方について理解を深め、学校におけるがん教育の充実を図るもの。
公私立学校の管理職、教諭、養護教諭のほか、医療関係者、がん経験者など約八十人が参加した。
開会に当たって、健康・体育課の宮岡孝博課長があいさつ。がんに対する正しい知識、がん患者の気持ち、自他の命の大切さを学ぶがん教育の重要性を提示。各学校におけるがん教育の推進を呼びかけ、医療関係者、がん経験者に対し、がん教育の連携に向けた理解と支援を求めた。
引き続き、健康・体育課の髙田真弓指導主事が国、道におけるがん教育の取組を説明。文部科学省のがん教育推進のための教材や、道教委が作成した『道がん教育実践事例集』を紹介し、活用を呼びかけた。
◆効果的な授業を
説明後、聖心女子大の植田教授が「学校におけるがん教育の進め方~効果的な授業展開のために」と題して講義。新学習指導要領におけるがん教育の位置づけを伝えたほか、基礎・基本的な内容を教師が教え、外部講師が臨床の現場状況を伝え、児童生徒が考えを深めるがん教育の在り方を示し「年間計画を立てる段階から外部講師に参画してもらうことが効果的」と述べた。
また、配慮すべき事項として、小児がんの当事者、家族をがんで亡くした児童生徒などがクラスにいる前提で授業を行うこと、情報を有する養護教諭と連携を図り、授業内容を当該児童生徒と保護者に授業内容を事前に伝えることなどを挙げた。
つぎに、国立病院機構道がんセンターの加藤秀則院長が「北海道のがんの現状とその対策」を演題に講義。がん罹患率が全国よりも高く、男女ともに肺がんによる死亡が最多であることなど本道の状況を伝え、がんを予防するための生活習慣、早期発見・適切治療の大切さを説いた。
実践発表では、旭川東栄高の野口養護教諭ががん教育の具体的な取組を発表。知識を得て考える手法が学びを深め、生きることや命を考える上で有効であるとし、がん患者への理解と共生を深く学ぶには、外部講師の存在が大きいことを伝えた。
発表後、学校におけるがん教育の充実について協議。命の大切さやがん教育の在り方について、熱心に議論を交わした。
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80人が参加し、学校におけるがん教育の在り方について考えを深めた
(道・道教委 2018-02-13付)
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