道教委が小中一貫教育フォーラム 地域に合わせアレンジを 京都産業大・西川教授招く(道・道教委 2018-02-20付)
京都産業大の西川教授が小中一貫教育の段階と効果を説明した
道教委は十六日、ホテルライフォート札幌で小中一貫教育北海道フォーラムを開いた。京都産業大学の西川信廣教授が「小中一貫教育の意義と可能性~ファーストステージからセカンドステージへ」と題して講演。また、白糠町教委、中標津町教委、当別町教委、旭川市教委の関係者が、小中一貫教育推進に向けた実践を発表した。全道から約二百二十人が参加し、小中一貫教育の推進に向けて理解を深めた。
道教委は、文部科学省の委託を受け、小中一貫教育推進事業を二十七年度から開始。三ヵ年計画で協力地域である白糠町、中標津町、当別町、旭川市の各教育委員会と協力校が小中一貫教育の取組を先導的に推進し、成果の発信に努めている。
フォーラムは、小中一貫教育についての講演、事業の説明や発表などを通し、小中一貫教育の取組の成果を広く普及するもの。
開会に当たって、岸小夜子学校教育局指導担当局長があいさつ。学校間の連携・接続の視点をもって教育課程を編成・実施する重要性を踏まえ、教職員一体で指導する体制づくりが求められていると指摘。「地域の実情や学校の実態に応じた学校づくり、教育活動の充実をあらためて見直す機会とし、子ども一人ひとりに育てる資質・能力を確実に身に付けてほしい」と期待した。
続いて、京都産業大の西川教授が「小中一貫教育の意義と可能性~ファーストステージからセカンドステージへ」と題して講演。中一ギャップの解消、学力向上、学校行事のスリム化など、京都市内における小中一貫教育の成果を示し、中学校区を単位として、地域とともにある学校づくりに取り組む段階を「ファーストステージ」と位置付ける考え方を提示。
つぎに、地域の在り方、子どもに必要な支援の多様化を踏まえ、求められる教育課程を学校と地域が一体となって構築するとともに、地域のすべての学校をコミュニティ・スクール化する段階を「セカンドステージ」ととらえることを示した。その上で、伝統文化学習を基軸とした教育課程の開発、各教科の単元の再整理などの事例を紹介。学校裁量権の拡大が認められる義務教育学校が、今後さらに重要になっていくとした。
また、施設分離型の小中一貫校では、六年生の中学校登校の効果を指摘。児童生徒の交流による規範意識の醸成のみならず、小中の教員が相互に授業づくりを学ぶことで「九年間を見通した分かりやすい授業づくりに向けて大きく成長できる」と説いた。
最後に、校長のリーダーシップの重要性を挙げ「校長が明確なポリシーをもって小中一貫教育の価値を教員に伝え、多くの先進地域から学び、地域に合うようにアレンジしてほしい」と呼びかけた。
講演後、道教委が小中一貫教育推進事業の成果をまとめた資料『北海道における小中一環教育について』について説明した。
このあと、当別町教委、旭川市教委、白糠町教委、中標津町教委の職員が、地域の実情に応じた目指す子ども像の設定と共有化、小中一貫教育の推進に向けた実践、今後の在り方を説明した。
(道・道教委 2018-02-20付)
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