道教委がいじめ防止基本方針改定 いじめ解消の判断基準示す 解消の見極めは集団で判断を(道・道教委 2018-02-21付)
道教委は、「道いじめ防止基本方針」を改定した。「いじめの解消」の項目を追加して判断基準を示し、解消の見極めに当たっては学校、保護者、学校いじめ対策組織など、集団で判断することを明記。学校の責務として、いじめを認知した場合、加害児童生徒に「いじめを受けた児童生徒への謝罪の気持ちを醸成させる」ことを加えた。教職員の責務では、いじめを発見、相談を受けた場合に速やかに学校いじめ対策組織に報告し、組織的な対応につなげることなどとした。また、学校いじめ防止基本方針の意義や中核的内容を明確化。重大事案の対処として、被害児童生徒の意向を的確に把握し、調査方法を工夫するなどの留意点を掲げた。
二十六年に施行された「道いじめの防止等に関する条例」が施行三年目を迎え、改定したもの。二十九年度「どさんこ☆子ども全道サミット」、道いじめ問題対策連絡協議会、道いじめ問題審議会における意見などを反映させた。
主な追加・変更内容をみると、いじめの定義として、けんかやふざけあいであっても背景にある事情を調査し、児童生徒の被害性に着目していじめに該当するか否かを判断することを表記した。
また、「いじめの解消」の項目を追加。解消の判断基準は「いじめにかかる行為が止んでいる」「被害児童生徒が心身の苦痛を感じていない」とした。解消の見極めに当たっては、学校や保護者、学校いじめ対策組織を活用するなど、集団で判断することとした。
学校の責務では、いじめを認知した場合、加害児童生徒に「いじめの非を気づかせ、いじめを受けた児童生徒への謝罪の気持ちを醸成させる」ことを追記した。
教職員の責務では、いじめを発見した場合や、相談を受けた場合、速やかに「学校いじめ対策組織」に報告し組織的な対応につなげること、情報を共有し組織的な対応によって被害児童生徒を徹底して守り通すことを加えた。
道の責務では、道立学校に対していじめを訴えやすいようなアンケート調査の工夫改善や、調査実施後、関係児童生徒に対する個人面談を必ず行うことを挙げた。
また、地域の関係機関・団体との連携を一層図るため、道いじめ問題対策連絡協議会の構成員に道体育協会を追加。地方いじめ防止基本方針については、市町村の策定を促進する旨を表記した。
学校の設置者が実施すべき施策では、児童生徒同士がいじめの問題を考え、議論する活動の推進、幼児や保護者を対象としたいじめの未然防止に関する取組の推進、スクール・カウンセラーの一層の活用などを盛り込んだ。
学校いじめ防止基本方針の策定では、策定の意義や中核的内容を明確化。いじめ防止等に向けた具体的な指導内容のプログラム化、アンケート、いじめの通報、情報共有などを盛り込むマニュアルの策定、加害児童生徒が抱える問題を解決するための具体的な対応方針などを示した。
また、策定や見直しの際にアンケートや協議の場を設けること、分かりやすいものとなるよう努め、児童生徒、保護者、地域住民が内容を伝える措置を講じることを挙げている。
重大事案の対処では、基本方針や国の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を踏まえて対処することとし、被害児童生徒の意向を的確に把握し、調査方法を工夫して調査を進めるなどの留意点を示した。
(道・道教委 2018-02-21付)
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